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翌朝、遅くも早くもない時間帯に真理愛が教室に入ると、黒板いっぱいに自分が被写体となった写真が貼りつけられていた。
待ちぼうけを食らって帰宅して以来、あらゆる情報が通り抜けていって頭の中には残らない、といった有り様だった彼女も、その光景の異様さには意識を惹きつけられた。圧倒された。絶句した。
写真におさまる真理愛は全員、すみれ色のワンピースに身を包んでいる。大半が浮かない顔で、そのうちの半数は疲れた顔をしていた。背景がまだ明るく、待ちはじめて間もないと思われるにもかかわらず、疲れた顔をしている写真も何枚もある。
「来た、来たよ。友だちゼロ人のさびしい女が」
川真田樹音が教室の外にも聞こえそうな大声で言った。今日も自席でふんぞり返り、取り巻きたちをはべらせている。
その中には、神宮寺玲奈もしっかりといる。他の仲間と同じく、にやつきながら真理愛を見ている。
一日のごく限られた一部とはいえ、平日は毎日ともに過ごしてきた真理愛には、わかった。わかりたくなかったのに見抜いてしまった。
玲奈は樹音に嫌々付き従っているわけではない。どんなに演技が巧みだとしても、「友だち」に向かってあんな顔は作れない。
「昨日あんな目に遭っておいて、よくのうのうと登校できるね。凄いよ、あんた。ある意味凄いよ」
小馬鹿にしたような短い笑声を挟んで、樹音は大声で、さも愉快そうに種明かしをした。
玲奈は演技が巧みで、好意を抱いていない相手にもフレンドリーに振る舞える。その特技を活かして、真理愛により深いダメージを与えてやろうと樹音たちは目論んだ。
名づけて、偽りのトモダチ作戦。
「実は私も川真田樹音の被害者だ」と虚偽の申告をし、仲を深め、充分な友情と信頼を得たところで突き放す、というわけだ。
玲奈が過去に樹音たちからいじめられていたというのは、嘘。実際には、玲奈と樹音は中一のときに同じクラスになったのを機に仲よくなり、嗜虐心の赴くままに他の生徒に数々の加害行為を働いてきた、悪友同士だ。
おしゃれをさせたうえで待ちぼうけを食らわせるという仕打ちをフィナーレに選んだのは、偽りのトモダチとして接する中で、真理愛が昔から友だちがいたことがなく、おしゃれに疎いという情報を得たから。
写真はすべて盗撮で、日曜日に暇だったメンバーが交代でカメラマン役を務めた。まさかあんなにも長時間待ち合わせ場所にとどまるとは思わなかったが、おかげでいい写真がたくさん撮れた。
待ちぼうけを食らって帰宅して以来、あらゆる情報が通り抜けていって頭の中には残らない、といった有り様だった彼女も、その光景の異様さには意識を惹きつけられた。圧倒された。絶句した。
写真におさまる真理愛は全員、すみれ色のワンピースに身を包んでいる。大半が浮かない顔で、そのうちの半数は疲れた顔をしていた。背景がまだ明るく、待ちはじめて間もないと思われるにもかかわらず、疲れた顔をしている写真も何枚もある。
「来た、来たよ。友だちゼロ人のさびしい女が」
川真田樹音が教室の外にも聞こえそうな大声で言った。今日も自席でふんぞり返り、取り巻きたちをはべらせている。
その中には、神宮寺玲奈もしっかりといる。他の仲間と同じく、にやつきながら真理愛を見ている。
一日のごく限られた一部とはいえ、平日は毎日ともに過ごしてきた真理愛には、わかった。わかりたくなかったのに見抜いてしまった。
玲奈は樹音に嫌々付き従っているわけではない。どんなに演技が巧みだとしても、「友だち」に向かってあんな顔は作れない。
「昨日あんな目に遭っておいて、よくのうのうと登校できるね。凄いよ、あんた。ある意味凄いよ」
小馬鹿にしたような短い笑声を挟んで、樹音は大声で、さも愉快そうに種明かしをした。
玲奈は演技が巧みで、好意を抱いていない相手にもフレンドリーに振る舞える。その特技を活かして、真理愛により深いダメージを与えてやろうと樹音たちは目論んだ。
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