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隼人は真理愛の連絡先を知らない。トモノリの連絡先は言わずもがなだ。
真理愛の連絡先を知っていそうな人間で、隼人が連絡先を把握しているのは神宮寺玲奈のみ。今でこそ疎遠で、メールの一通すらもやりとりしていないが、小学生まではそれなりに親かったから電話番号とメールアドレスは知っている。番号とアドレスを変更していないなら、コンタクトがとれる。
さっそく電話をかけた。コール音が続くあいだの緊張感は尋常ではなかった。しかし、応答はない。出ないだけか、出られないのか。
通話を断念し、今度はメールを送る。
『いきなりだけど、クラスメイトの湯田さんのことで質問がいくつかある。できれば今すぐ答えてほしいんだけど、訊いてもいい?』
返信は三分後に届いた。
『森嶋、なに急に電話なんかかけてきてるの。メールもだけど。今ね、友だちみんなで樹音の家に泊まりに来てるところだから、忙しくて質問に答える暇ない。一応湯田もいっしょに来てるから、訊こうと思えば訊けるけど、そもそも私にあんたの要求を呑まなきゃいけない義務なんてないから。月曜日に登校したときにでも本人に訊けば?』
嫌な予感がした。二夜連続でトモノリが不在だと知った瞬間を凌駕する、途轍もなく嫌な予感。
真理愛がいじめ加害者と同じ家に泊まっている? 正気の沙汰とは思えない。何事もなく済むとは思えない。すでになにかが起きている可能性だってある。だからこそ玲奈は、「私にあんたの要求を呑まなきゃいけない義務なんてない」と突き放したのだろうか?
ただ、真理愛が現在樹音たちといっしょにいること、川真田家にいること、二つの情報を得られたのは大収穫だ。
トモノリと行動をともにしていない事実が明らかになったが、不安はむしろ高まった感がある。なにせ、いっしょにいるのは樹音たち。真理愛に危害を加えるのを厭わないという意味では、トモノリよりもはるかに危険な相手だ。
敵がトモノリから樹音たちへと変わったが、大まかな方針に変わりはない。
行動しよう。駆けつけよう。そして、助けよう。愛する人を。湯田真理愛を。
隼人が玲奈と疎遠になったきっかけは、彼女が暴君である樹音と付き合い出したことだ。しかしその初期、玲奈と樹音が次第に仲を深めていた時期には、直接、またはメールや電話などの手段で、樹音にまつわる情報が断片的にではあるが隼人に伝えられることがあった。その中の一つが樹音の住所で、町の西にそびえる山の中腹にある、という話を彼は聞いたことがある。かなり大きな家だ、ということも。
山の場所はわかる。そう大きな山ではない。
川真田家を自力で探し当てられるかもしれない。
隼人は照明を消して小屋を飛び出し、脇目も振らずに夜道を走りはじめた。
真理愛の連絡先を知っていそうな人間で、隼人が連絡先を把握しているのは神宮寺玲奈のみ。今でこそ疎遠で、メールの一通すらもやりとりしていないが、小学生まではそれなりに親かったから電話番号とメールアドレスは知っている。番号とアドレスを変更していないなら、コンタクトがとれる。
さっそく電話をかけた。コール音が続くあいだの緊張感は尋常ではなかった。しかし、応答はない。出ないだけか、出られないのか。
通話を断念し、今度はメールを送る。
『いきなりだけど、クラスメイトの湯田さんのことで質問がいくつかある。できれば今すぐ答えてほしいんだけど、訊いてもいい?』
返信は三分後に届いた。
『森嶋、なに急に電話なんかかけてきてるの。メールもだけど。今ね、友だちみんなで樹音の家に泊まりに来てるところだから、忙しくて質問に答える暇ない。一応湯田もいっしょに来てるから、訊こうと思えば訊けるけど、そもそも私にあんたの要求を呑まなきゃいけない義務なんてないから。月曜日に登校したときにでも本人に訊けば?』
嫌な予感がした。二夜連続でトモノリが不在だと知った瞬間を凌駕する、途轍もなく嫌な予感。
真理愛がいじめ加害者と同じ家に泊まっている? 正気の沙汰とは思えない。何事もなく済むとは思えない。すでになにかが起きている可能性だってある。だからこそ玲奈は、「私にあんたの要求を呑まなきゃいけない義務なんてない」と突き放したのだろうか?
ただ、真理愛が現在樹音たちといっしょにいること、川真田家にいること、二つの情報を得られたのは大収穫だ。
トモノリと行動をともにしていない事実が明らかになったが、不安はむしろ高まった感がある。なにせ、いっしょにいるのは樹音たち。真理愛に危害を加えるのを厭わないという意味では、トモノリよりもはるかに危険な相手だ。
敵がトモノリから樹音たちへと変わったが、大まかな方針に変わりはない。
行動しよう。駆けつけよう。そして、助けよう。愛する人を。湯田真理愛を。
隼人が玲奈と疎遠になったきっかけは、彼女が暴君である樹音と付き合い出したことだ。しかしその初期、玲奈と樹音が次第に仲を深めていた時期には、直接、またはメールや電話などの手段で、樹音にまつわる情報が断片的にではあるが隼人に伝えられることがあった。その中の一つが樹音の住所で、町の西にそびえる山の中腹にある、という話を彼は聞いたことがある。かなり大きな家だ、ということも。
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