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弥生の証言③
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話は変わるようだけど、あたしのクラスの友だち、なぜかわたしの机に集いたがるんだよね。で、あいつらはデリカシーがないから、隣り合う席の椅子に勝手に座るの。
美咲の席もそう。トイレかなにかに行って教室まで帰ってきたときに、自分の椅子を占領されている。ほんとうは座りたいんだけど、声をかけづらいから、またどこかへ行っちゃう。そんなことが何回もあった。話し声もうるさいから、これまで美咲にはかなり迷惑をかけてきた。
だからあたしたちに対するマイナスイメージ、かなり強かったと思うんだけど、美咲は普通に対応してくれた。急に積極的に話しかけられるようになって、戸惑っているようではあったけど、迷惑そうな顔は全然せずに、むしろにこやかに受け止めてくれて。
マジで優しくて誠実な子なわけ、吉村美咲っていう子は。そりゃペンのほこりを拭ってから渡すよね、って感じの。
あたし、今までデリカシーのない、図々しくて口うるさい人間とばかり友だち付き合いしてきて、美咲みたいな子と仲よくするのは初めてだったんだけど、すごく心地いいの。だって、こっちがなにを言っても不愉快なリアクションを返してこないんだもん。だから、売り言葉に買い言葉で口論寸前になることなんて、美咲が相手だと絶対になくて。
安心してしゃべれるんだよね。自分の弱いところとか、美咲相手だとさらけ出すことに全然ためらいを感じない。なにを言おうが優しく、大らかに受け止めてくれるから。
いつもつるんでいる女子だったら茶化すような場面でも、美咲なら絶対にそんなことはしない。だからあの子と話をするのが楽しいし、楽しみで。
もうね、話をする前から楽しいの。なにを話そうかって考える、その時点で楽しい気分で。他の友だちみたいに、遠慮なく本音を言い合えるのとは別種の楽しさ。
あたしにとっては初めての経験なのもあって、とにかく美咲と過ごす時間、おしゃべりをする時間は楽しかったね。最高だった。
ただ、美咲はあたしたちに遠慮していた。
あたしにとって美咲は、親しく付き合うのは初めてのタイプの子だったけど、美咲にとってもきっとそうだったんだろうね。自分の発した言葉であたしたちを怒らせないようにしよう、機嫌を損ねないようにしようっていう、配慮? 心がけ? そういうものは話していて感じたよ。おっかなびっくりっていう表現は大げさだけど、言葉選びは明らかに慎重だった。
何度も言うように、あたしの友だちはずけずけものを言うような子ばかりで、よくも悪くも美咲の態度は違いが際立つから、そこのところがどうしても気になって。心地よさを感じつつも違和感もある、みたいな感じだったんだけど、違和感は違和感であって不快感ではないんだよね。よくも悪くもとは言ったけど、実際には、美咲と接するさいの率直な気持ちとしては、心地よさのほうが圧倒的にまさっていた。
美咲の席もそう。トイレかなにかに行って教室まで帰ってきたときに、自分の椅子を占領されている。ほんとうは座りたいんだけど、声をかけづらいから、またどこかへ行っちゃう。そんなことが何回もあった。話し声もうるさいから、これまで美咲にはかなり迷惑をかけてきた。
だからあたしたちに対するマイナスイメージ、かなり強かったと思うんだけど、美咲は普通に対応してくれた。急に積極的に話しかけられるようになって、戸惑っているようではあったけど、迷惑そうな顔は全然せずに、むしろにこやかに受け止めてくれて。
マジで優しくて誠実な子なわけ、吉村美咲っていう子は。そりゃペンのほこりを拭ってから渡すよね、って感じの。
あたし、今までデリカシーのない、図々しくて口うるさい人間とばかり友だち付き合いしてきて、美咲みたいな子と仲よくするのは初めてだったんだけど、すごく心地いいの。だって、こっちがなにを言っても不愉快なリアクションを返してこないんだもん。だから、売り言葉に買い言葉で口論寸前になることなんて、美咲が相手だと絶対になくて。
安心してしゃべれるんだよね。自分の弱いところとか、美咲相手だとさらけ出すことに全然ためらいを感じない。なにを言おうが優しく、大らかに受け止めてくれるから。
いつもつるんでいる女子だったら茶化すような場面でも、美咲なら絶対にそんなことはしない。だからあの子と話をするのが楽しいし、楽しみで。
もうね、話をする前から楽しいの。なにを話そうかって考える、その時点で楽しい気分で。他の友だちみたいに、遠慮なく本音を言い合えるのとは別種の楽しさ。
あたしにとっては初めての経験なのもあって、とにかく美咲と過ごす時間、おしゃべりをする時間は楽しかったね。最高だった。
ただ、美咲はあたしたちに遠慮していた。
あたしにとって美咲は、親しく付き合うのは初めてのタイプの子だったけど、美咲にとってもきっとそうだったんだろうね。自分の発した言葉であたしたちを怒らせないようにしよう、機嫌を損ねないようにしようっていう、配慮? 心がけ? そういうものは話していて感じたよ。おっかなびっくりっていう表現は大げさだけど、言葉選びは明らかに慎重だった。
何度も言うように、あたしの友だちはずけずけものを言うような子ばかりで、よくも悪くも美咲の態度は違いが際立つから、そこのところがどうしても気になって。心地よさを感じつつも違和感もある、みたいな感じだったんだけど、違和感は違和感であって不快感ではないんだよね。よくも悪くもとは言ったけど、実際には、美咲と接するさいの率直な気持ちとしては、心地よさのほうが圧倒的にまさっていた。
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