82 / 129
本編
第081話 魔煌石を巡る攻防(南の陣) A part③
しおりを挟む
「さぁてお前ら、一丁化け物退治と洒落込もうぜ! 派手に行くぞ、リル、サクヅキ、フラン、白兎っ!」
彼の呼び声に魔書が光を帯び、同時にツグナを中心とした青白い光の柱が四本、天に向かって伸びる。
その光の柱が徐々に細くなり、やがて完全に消失すると、彼の周囲には
銀灰色の狼、リル
ガンソードを背負った白髪赤目の少年、白兎
片眼鏡をかけた白衣姿の女の子、フラン
赫色と蒼色の双剣を携えた少年、サクヅキ
といった彼の自慢の召喚獣たちが顕現する。
呆気にとられる蓮や健介を差し置き、ツグナは召喚した四名に対して即座に指示を出した。
「フラン、お前はリルと白兎を連れてあの蜘蛛女の対処を頼む。ケガ人はとりあえずコレを渡しておくから、飲ませた後は休ませておいてくれ。頼むぞ、分析官っ!」
「アイアイサ~」
フランはニッと笑いながらツグナがアイテムボックスから取り出し、投げ渡した回復薬をパシッと受け取る。
「リル、お前がメインの攻撃役だ。頼むぞ」
「承知した」
傍らに寄り添うように立つリルの頭を一撫でして告げるツグナに、リルはぶるりと身を震わせながら力強く言葉を返す。
「白兎、お前はリルのサポートだ。フランがいるから問題はないだろうが、ちゃんと指示は聞いておけよ」
「へいへい、わーったよ」
ツグナの指摘に、白兎は少しばかり頬を膨らませて不愉快さを滲ませつつも、最後は素直に返事をする。
「んで、残るサクヅキは俺と一瞬に来い。お前は俺と竜退治だ」
「あいよ!」
不敵な笑みを見せて告げるツグナに釣られるように、ニッと口の端を吊り上げて承諾するサクヅキ。召喚された4人の従者たちは、それぞれが笑みを浮かべ、興奮冷めやらぬ様子で二手に分かれ、戦闘配置に着いた。
「あ゛ぁ? 何だあのガキは……折角楽できるかと思ったのにさぁ。わらわらと頭数を増やしてくれるし、面倒ったらないね。ったく、しゃーない。こうなったらさっさと二人であの黒づくめののガキを叩くとするかね。術者がくたばれば、あの面倒な召喚獣も消えるだろうし」
一度大きなため息を吐いたガンマは、傍らで黙したまま微動だにしない九条の方に顔を向ける。
「ほら、突っ立ってないで、お前も――」
だが、返って来た言葉は
「断る」
明確な拒絶の言葉と、ゾッとするほどに「狂喜」に取り憑かれた九条の笑みであった。
「あ゛ぁ!? おま、何言って……」
それでもさらに食い下がろうとするガンマに、九条はギロリと鋭い目で睨みつけながら低い声を発する。
「断るって言ったんだ。あのガキは俺の獲物だ。ヤツは俺がコイツで喰い千切ってやる。ククッ……あぁ、そうだ。俺が、あの小生意気なツラしたガキを……今度こそは、この手で――」
狂気に満ち、その手で嬲る瞬間を今か今かと待ちきれない様子でブツブツと独り言を呟く九条に、さすがのガンマもドン引きして「あぁもう分かったよ」とそれ以上の言葉をかけるのを止めた。
「仕方がない。それじゃあ――ここらでキッチリ仕事、しますかね」
九条からすげなく協力の要請を断られたガンマは、リルたちを真正面に捉えながら呟いた。
彼の呼び声に魔書が光を帯び、同時にツグナを中心とした青白い光の柱が四本、天に向かって伸びる。
その光の柱が徐々に細くなり、やがて完全に消失すると、彼の周囲には
銀灰色の狼、リル
ガンソードを背負った白髪赤目の少年、白兎
片眼鏡をかけた白衣姿の女の子、フラン
赫色と蒼色の双剣を携えた少年、サクヅキ
といった彼の自慢の召喚獣たちが顕現する。
呆気にとられる蓮や健介を差し置き、ツグナは召喚した四名に対して即座に指示を出した。
「フラン、お前はリルと白兎を連れてあの蜘蛛女の対処を頼む。ケガ人はとりあえずコレを渡しておくから、飲ませた後は休ませておいてくれ。頼むぞ、分析官っ!」
「アイアイサ~」
フランはニッと笑いながらツグナがアイテムボックスから取り出し、投げ渡した回復薬をパシッと受け取る。
「リル、お前がメインの攻撃役だ。頼むぞ」
「承知した」
傍らに寄り添うように立つリルの頭を一撫でして告げるツグナに、リルはぶるりと身を震わせながら力強く言葉を返す。
「白兎、お前はリルのサポートだ。フランがいるから問題はないだろうが、ちゃんと指示は聞いておけよ」
「へいへい、わーったよ」
ツグナの指摘に、白兎は少しばかり頬を膨らませて不愉快さを滲ませつつも、最後は素直に返事をする。
「んで、残るサクヅキは俺と一瞬に来い。お前は俺と竜退治だ」
「あいよ!」
不敵な笑みを見せて告げるツグナに釣られるように、ニッと口の端を吊り上げて承諾するサクヅキ。召喚された4人の従者たちは、それぞれが笑みを浮かべ、興奮冷めやらぬ様子で二手に分かれ、戦闘配置に着いた。
「あ゛ぁ? 何だあのガキは……折角楽できるかと思ったのにさぁ。わらわらと頭数を増やしてくれるし、面倒ったらないね。ったく、しゃーない。こうなったらさっさと二人であの黒づくめののガキを叩くとするかね。術者がくたばれば、あの面倒な召喚獣も消えるだろうし」
一度大きなため息を吐いたガンマは、傍らで黙したまま微動だにしない九条の方に顔を向ける。
「ほら、突っ立ってないで、お前も――」
だが、返って来た言葉は
「断る」
明確な拒絶の言葉と、ゾッとするほどに「狂喜」に取り憑かれた九条の笑みであった。
「あ゛ぁ!? おま、何言って……」
それでもさらに食い下がろうとするガンマに、九条はギロリと鋭い目で睨みつけながら低い声を発する。
「断るって言ったんだ。あのガキは俺の獲物だ。ヤツは俺がコイツで喰い千切ってやる。ククッ……あぁ、そうだ。俺が、あの小生意気なツラしたガキを……今度こそは、この手で――」
狂気に満ち、その手で嬲る瞬間を今か今かと待ちきれない様子でブツブツと独り言を呟く九条に、さすがのガンマもドン引きして「あぁもう分かったよ」とそれ以上の言葉をかけるのを止めた。
「仕方がない。それじゃあ――ここらでキッチリ仕事、しますかね」
九条からすげなく協力の要請を断られたガンマは、リルたちを真正面に捉えながら呟いた。
0
あなたにおすすめの小説
ギャルい女神と超絶チート同盟〜女神に贔屓されまくった結果、主人公クラスなチート持ち達の同盟リーダーとなってしまったんだが〜
平明神
ファンタジー
ユーゴ・タカトー。
それは、女神の「推し」になった男。
見た目ギャルな女神ユーラウリアの色仕掛けに負け、何度も異世界を救ってきた彼に新たに下った女神のお願いは、転生や転移した者達を探すこと。
彼が出会っていく者たちは、アニメやラノベの主人公を張れるほど強くて魅力的。だけど、みんなチート的な能力や武器を持つ濃いキャラで、なかなか一筋縄ではいかない者ばかり。
彼らと仲間になって同盟を組んだユーゴは、やがて彼らと共に様々な異世界を巻き込む大きな事件に関わっていく。
その過程で、彼はリーダーシップを発揮し、新たな力を開花させていくのだった!
女神から貰ったバラエティー豊かなチート能力とチートアイテムを駆使するユーゴは、どこへ行ってもみんなの度肝を抜きまくる!
さらに、彼にはもともと特殊な能力があるようで……?
英雄、聖女、魔王、人魚、侍、巫女、お嬢様、変身ヒーロー、巨大ロボット、歌姫、メイド、追放、ざまあ───
なんでもありの異世界アベンジャーズ!
女神の使徒と異世界チートな英雄たちとの絆が紡ぐ、運命の物語、ここに開幕!
※不定期更新。
※感想やお気に入り登録をして頂けますと、作者のモチベーションがあがり、エタることなくもっと面白い話が作れます。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
あなたは異世界に行ったら何をします?~良いことしてポイント稼いで気ままに生きていこう~
深楽朱夜
ファンタジー
13人の神がいる異世界《アタラクシア》にこの世界を治癒する為の魔術、異界人召喚によって呼ばれた主人公
じゃ、この世界を治せばいいの?そうじゃない、この魔法そのものが治療なので後は好きに生きていって下さい
…この世界でも生きていける術は用意している
責任はとります、《アタラクシア》に来てくれてありがとう
という訳で異世界暮らし始めちゃいます?
※誤字 脱字 矛盾 作者承知の上です 寛容な心で読んで頂けると幸いです
※表紙イラストはAIイラスト自動作成で作っています
事故に遭いました~俺って全身不随?でも異世界では元気ハツラツ?
サクラ近衛将監
ファンタジー
会社員の俺が交通事故に遭いました。二か月後、病院で目覚めた時、ほぼ全身不随。瞼と瞳が動かせるものの、手足も首も動かない。でも、病院で寝ると異世界の別人の身体で憑依し、五体満足で生活している。また、異世界で寝ると現代世界に目が覚めるが体の自由は利かない。
睡眠の度に異世界と現代世界を行ったり来たり、果たして、現代社会の俺は、元の身体に戻れる方法があるのだろうか?
そんな男の二重生活の冒険譚です。
毎週水曜日午後8時に投稿予定です。
スライムに転生した俺はユニークスキル【強奪】で全てを奪う
シャルねる
ファンタジー
主人公は気がつくと、目も鼻も口も、体までもが無くなっていた。
当然そのことに気がついた主人公に言葉には言い表せない恐怖と絶望が襲うが、涙すら出ることは無かった。
そうして恐怖と絶望に頭がおかしくなりそうだったが、主人公は感覚的に自分の体に何かが当たったことに気がついた。
その瞬間、謎の声が頭の中に鳴り響いた。
安全第一異世界生活
朋
ファンタジー
異世界に転移させられた 麻生 要(幼児になった3人の孫を持つ婆ちゃん)
新たな世界で新たな家族を得て、出会った優しい人・癖の強い人・腹黒と色々な人に気にかけられて婆ちゃん節を炸裂させながら安全重視の異世界冒険生活目指します!!
悪徳貴族の、イメージ改善、慈善事業
ウィリアム・ブロック
ファンタジー
現代日本から死亡したラスティは貴族に転生する。しかしその世界では貴族はあんまり良く思われていなかった。なのでノブリス・オブリージュを徹底させて、貴族のイメージ改善を目指すのだった。
出来損ない貴族の三男は、謎スキル【サブスク】で世界最強へと成り上がる〜今日も僕は、無能を演じながら能力を徴収する〜
シマセイ
ファンタジー
実力至上主義の貴族家に転生したものの、何の才能も持たない三男のルキウスは、「出来損ない」として優秀な兄たちから虐げられる日々を送っていた。
起死回生を願った五歳の「スキルの儀」で彼が授かったのは、【サブスクリプション】という誰も聞いたことのない謎のスキル。
その結果、彼の立場はさらに悪化。完全な「クズ」の烙印を押され、家族から存在しない者として扱われるようになってしまう。
絶望の淵で彼に寄り添うのは、心優しき専属メイドただ一人。
役立たずと蔑まれたこの謎のスキルが、やがて少年の運命を、そして世界を静かに揺るがしていくことを、まだ誰も知らない。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる