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本編
第095話 追跡と面会準備③
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(ふむ、なるほど……敵は思ったよりも大きな組織なようですね。さて、標的の向かう先は――)
アルファとゼクスの会話をスキルを通じて聞き終えたニアは、その同調先を別のものに切り替える。すると、まるでテレビのチャンネルを変えるようにニアの頭の中に映像が同調する。
(都心から離れていますね。これまでの移動ルートから推察するに、対象が向かうのは……)
ニアの脳内に映し出されるのは上空からアルファたちの乗り込んだ大型車両を捉えた映像だ。映像中の車両は高速道路を都心とは逆方向に進んでいる様子がバッチリと捉えられている。周囲は既に高層ビルが所狭しと乱立する景色から、新緑の葉に覆われた木々が立ち並ぶそれへと変化している。
やがて高速を降りた車両が辿り着いたのは、郊外にあるとある製薬工場であった。車両が通過した正門に掲げられた企業名を確認すると、ニアが配下の獲得のために奔走していた際、街頭のテレビCMで見た憶えのある名前であった。
(ただの製薬会社が魔煌石を手に入れるために雇った人間……にしては不可解ですね)
彼女は再びメインの同調先を切り替え、先ほど会話を盗聴した第一班からの視点をクローズアップさせる。
ニアの指示により侵入した第一班は、アルファたちが乗っていた車両から離れ、建物内部への侵入を試みる。
建物の隙間を縫うように駆け、ダクトから侵入を果たした第一班は、司令塔であるニアの命令に従い、建物の地下部分へと進む。
地下に進むように指令を下したのは、「大抵の悪の組織は地下に拠点を持っている」などという先入観からではない。これはニアの持つ「危機察知」のスキルが「警告」を発する場所がそこだったからという理由である。
危機察知のスキルは、その名の通り「持ち主に危機が及ぶ方角、脅威となるものを指し示す」スキルである。このスキルは持ち主に及ぶ危機や脅威が大きいほど・近いほどに強く現れる特徴を有しており、実際に彼女はこのスキルの効果で窮地を逃れらたという経験もある。
なお、その具体的な方角などについてはスキルレベルに依存しており、スキルレベルが低い場合は大まかな方角程度しか判明しないが、ニアの「危機察知」スキルはそのレベルが10を超えている。
これほどまでの高いスキルレベルともなれば、対象からある程度離れていても方角や脅威度も正確に把握できる。
(な、なん……なの、コレ……)
そうした情報収集に特化した能力・スキルを有するニアだが、この建物内に手持ちの配下を侵入させた瞬間、背骨に沿って氷杭が叩き込まれたかのような衝撃と悪寒に襲われる。
危機察知のスキルが思わず頭を抱えたいほどの警告を発し、その脅威の源が地下にあることを指し示す。
――もう、いっそのことここから逃げ出したい。
そんな弱音がニアの胸中に芽生えるものの、それを必死に振り払い、さらに同調を保ちながら情報収集に努める。スキルが告げる警告が、やがて頭痛となってニアの身体に変調をもたらし始めたその時、一匹のネズミがアルファの姿を捉えることに成功する。
頭上のダクトの隙間から通路に出たそのネズミは、先を進むアルファに気取られないよう、物音を立てず慎重に後をついていく。
突き当りを右に曲がり、ほどなくしてある扉の前で止まったアルファは、一度深呼吸をしてノックした。
人一人分が通れるほどに開いた扉。閉まりかけたその隙間に飛び込んだそのネズミは、すぐにその身を隠すように駆け出す。
しかし――
「――……おや、こんなところにネズミですか。はてさて……誰の命令で入って来たんでしょうねぇ」
長机を挟んで座る男――ゼクスの鋭い目がアルファの入室直後に侵入したネズミを捉えた。
アルファとゼクスの会話をスキルを通じて聞き終えたニアは、その同調先を別のものに切り替える。すると、まるでテレビのチャンネルを変えるようにニアの頭の中に映像が同調する。
(都心から離れていますね。これまでの移動ルートから推察するに、対象が向かうのは……)
ニアの脳内に映し出されるのは上空からアルファたちの乗り込んだ大型車両を捉えた映像だ。映像中の車両は高速道路を都心とは逆方向に進んでいる様子がバッチリと捉えられている。周囲は既に高層ビルが所狭しと乱立する景色から、新緑の葉に覆われた木々が立ち並ぶそれへと変化している。
やがて高速を降りた車両が辿り着いたのは、郊外にあるとある製薬工場であった。車両が通過した正門に掲げられた企業名を確認すると、ニアが配下の獲得のために奔走していた際、街頭のテレビCMで見た憶えのある名前であった。
(ただの製薬会社が魔煌石を手に入れるために雇った人間……にしては不可解ですね)
彼女は再びメインの同調先を切り替え、先ほど会話を盗聴した第一班からの視点をクローズアップさせる。
ニアの指示により侵入した第一班は、アルファたちが乗っていた車両から離れ、建物内部への侵入を試みる。
建物の隙間を縫うように駆け、ダクトから侵入を果たした第一班は、司令塔であるニアの命令に従い、建物の地下部分へと進む。
地下に進むように指令を下したのは、「大抵の悪の組織は地下に拠点を持っている」などという先入観からではない。これはニアの持つ「危機察知」のスキルが「警告」を発する場所がそこだったからという理由である。
危機察知のスキルは、その名の通り「持ち主に危機が及ぶ方角、脅威となるものを指し示す」スキルである。このスキルは持ち主に及ぶ危機や脅威が大きいほど・近いほどに強く現れる特徴を有しており、実際に彼女はこのスキルの効果で窮地を逃れらたという経験もある。
なお、その具体的な方角などについてはスキルレベルに依存しており、スキルレベルが低い場合は大まかな方角程度しか判明しないが、ニアの「危機察知」スキルはそのレベルが10を超えている。
これほどまでの高いスキルレベルともなれば、対象からある程度離れていても方角や脅威度も正確に把握できる。
(な、なん……なの、コレ……)
そうした情報収集に特化した能力・スキルを有するニアだが、この建物内に手持ちの配下を侵入させた瞬間、背骨に沿って氷杭が叩き込まれたかのような衝撃と悪寒に襲われる。
危機察知のスキルが思わず頭を抱えたいほどの警告を発し、その脅威の源が地下にあることを指し示す。
――もう、いっそのことここから逃げ出したい。
そんな弱音がニアの胸中に芽生えるものの、それを必死に振り払い、さらに同調を保ちながら情報収集に努める。スキルが告げる警告が、やがて頭痛となってニアの身体に変調をもたらし始めたその時、一匹のネズミがアルファの姿を捉えることに成功する。
頭上のダクトの隙間から通路に出たそのネズミは、先を進むアルファに気取られないよう、物音を立てず慎重に後をついていく。
突き当りを右に曲がり、ほどなくしてある扉の前で止まったアルファは、一度深呼吸をしてノックした。
人一人分が通れるほどに開いた扉。閉まりかけたその隙間に飛び込んだそのネズミは、すぐにその身を隠すように駆け出す。
しかし――
「――……おや、こんなところにネズミですか。はてさて……誰の命令で入って来たんでしょうねぇ」
長机を挟んで座る男――ゼクスの鋭い目がアルファの入室直後に侵入したネズミを捉えた。
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