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本編
第109話 Event & Invader②
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「……あれっ? 師匠たちもここで勉強ですか?」
ふと彼らの前に現れたのは、トレイにきつねそばの丼を乗せた尊琉であった。
「あぁ、今日から部活も全面的に休止だろ? だから、本腰入れてガッツリ勉強するって二人が主張したからな。ここでなら飲み食いしながらできるしな。そっちは?」
「こっちも似たような感じですね。試験は成績に直結するんで、気が抜けないんですよ。成績が悪いと父から鉄拳制裁食らうんで……」
ツグナの問いに、尊琉は「アハハ……」と乾いた笑い声を漏らした。
あの地下修練場で行われた試合の後、家に戻った尊琉を待っていたのは、父であり火之輪家当主である火之輪豪斎の怒声と鉄拳制裁であった。
後に当人から聞いた話では、「過去一番に絞られた」と身体を小刻みに震わせ、顔を青ざめさせながら何度も頭を下げられるほどだったので、耳にしたツグナの方がドン引きしてしまったのはここだけの話だ。
尊琉と豪斎には健介を通じてツグナたちの「事情」を話してもらっており、火之輪家からは正式に「協力させていただく」との回答も受けている。
ツグナにとっては意図せず「界渡り」にまつわる情報が伝わってしまった結果だが、健介から「豪斎は信用できる人物だから」と説得され、とりあえずは様子見とのスタンスを維持している。
なお、尊琉は豪斎からのお灸がだいぶ効いたのか、その後はツグナのことを「師匠」と呼ぶようになった。何度か同じ刀使いとして「手合わせして欲しい」と懇願されているが、まだその願いは実現されていない。
「あぁ~……それは是が非でも回避しないとな。まぁ、こっちも悠長なことは言ってらんないけどな……」
チラリとツグナはその目をスッと横にずらす。話をしていた尊琉も彼と同じ方向に目を向けると、そこには涙目になりながら「赤点は絶対回避……何が何でも回避……」と何かに取り憑かれたように問題集と向き合うソアラとアリアの姿があった。
「えっ? あぁ……うん。確かにそうみたいですね」
二人の鬼気迫る空気に圧倒された尊琉は、顔を引き攣らせながらツグナの言葉に同意する。
「だろ? まぁでも試験まで日数もないしな。終わればいつも通りに戻るから、それまでの辛抱ってところだろうな」
強張った表情の尊琉に、ツグナは苦笑しながら言葉を返す。その時、何かを思い出したようにハッとした表情を浮かべた尊琉が訊ねる。
「そう言えば、さっきの『試験が終わったら』って言葉で思い出したんですが……師匠たちは試験の後って何か予定ってあったりします?」
唐突ともいえる相手の問いに、ツグナは脳裏にその頃のスケジュールを思い返しながら答える。
「うん? どうだったかな……たぶん特に外せない用事とかはなかったかと思うけど。どうかしたのか?」
「いえ、大したことではないんですけどね。もしよかったら、一緒に遊びに行きませんか? もちろん皆さんも一緒に」
「それは構わないけが……どこにだ?」
思わせぶりなセリフを告げる尊琉に、ツグナは思わず眉根を寄せながら訊ねる。
「えぇ、実は……これが手に入ったので」
言いながら彼は懐からあるチケットを取り出し、ツグナの眼前に掲げて見せる。
「うん? これは……魅神楽リゾートのチケットか?」
「はい。そこの一日フリーパスチケットですね」
「おいおい……ここって確かいくつものアトラクションやパレードで有名なところだろ?」
ツグナはチケットに記された場所に関する情報を思い起こしながら聞き返した。尊琉が見せたチケットは、「魅神楽リゾート」と呼ばれるテーマパークのフリーパスチケットであった。
ここはいくつものアトラクションが楽しめる巨大テーマパークで、老若男女、世代問わず人気のスポットである。その人気はテレビや雑誌を始め、各種のメディアで特集を組まれるほどで、海外からも多くの観光客が訪れる場所でもあった。
ふと彼らの前に現れたのは、トレイにきつねそばの丼を乗せた尊琉であった。
「あぁ、今日から部活も全面的に休止だろ? だから、本腰入れてガッツリ勉強するって二人が主張したからな。ここでなら飲み食いしながらできるしな。そっちは?」
「こっちも似たような感じですね。試験は成績に直結するんで、気が抜けないんですよ。成績が悪いと父から鉄拳制裁食らうんで……」
ツグナの問いに、尊琉は「アハハ……」と乾いた笑い声を漏らした。
あの地下修練場で行われた試合の後、家に戻った尊琉を待っていたのは、父であり火之輪家当主である火之輪豪斎の怒声と鉄拳制裁であった。
後に当人から聞いた話では、「過去一番に絞られた」と身体を小刻みに震わせ、顔を青ざめさせながら何度も頭を下げられるほどだったので、耳にしたツグナの方がドン引きしてしまったのはここだけの話だ。
尊琉と豪斎には健介を通じてツグナたちの「事情」を話してもらっており、火之輪家からは正式に「協力させていただく」との回答も受けている。
ツグナにとっては意図せず「界渡り」にまつわる情報が伝わってしまった結果だが、健介から「豪斎は信用できる人物だから」と説得され、とりあえずは様子見とのスタンスを維持している。
なお、尊琉は豪斎からのお灸がだいぶ効いたのか、その後はツグナのことを「師匠」と呼ぶようになった。何度か同じ刀使いとして「手合わせして欲しい」と懇願されているが、まだその願いは実現されていない。
「あぁ~……それは是が非でも回避しないとな。まぁ、こっちも悠長なことは言ってらんないけどな……」
チラリとツグナはその目をスッと横にずらす。話をしていた尊琉も彼と同じ方向に目を向けると、そこには涙目になりながら「赤点は絶対回避……何が何でも回避……」と何かに取り憑かれたように問題集と向き合うソアラとアリアの姿があった。
「えっ? あぁ……うん。確かにそうみたいですね」
二人の鬼気迫る空気に圧倒された尊琉は、顔を引き攣らせながらツグナの言葉に同意する。
「だろ? まぁでも試験まで日数もないしな。終わればいつも通りに戻るから、それまでの辛抱ってところだろうな」
強張った表情の尊琉に、ツグナは苦笑しながら言葉を返す。その時、何かを思い出したようにハッとした表情を浮かべた尊琉が訊ねる。
「そう言えば、さっきの『試験が終わったら』って言葉で思い出したんですが……師匠たちは試験の後って何か予定ってあったりします?」
唐突ともいえる相手の問いに、ツグナは脳裏にその頃のスケジュールを思い返しながら答える。
「うん? どうだったかな……たぶん特に外せない用事とかはなかったかと思うけど。どうかしたのか?」
「いえ、大したことではないんですけどね。もしよかったら、一緒に遊びに行きませんか? もちろん皆さんも一緒に」
「それは構わないけが……どこにだ?」
思わせぶりなセリフを告げる尊琉に、ツグナは思わず眉根を寄せながら訊ねる。
「えぇ、実は……これが手に入ったので」
言いながら彼は懐からあるチケットを取り出し、ツグナの眼前に掲げて見せる。
「うん? これは……魅神楽リゾートのチケットか?」
「はい。そこの一日フリーパスチケットですね」
「おいおい……ここって確かいくつものアトラクションやパレードで有名なところだろ?」
ツグナはチケットに記された場所に関する情報を思い起こしながら聞き返した。尊琉が見せたチケットは、「魅神楽リゾート」と呼ばれるテーマパークのフリーパスチケットであった。
ここはいくつものアトラクションが楽しめる巨大テーマパークで、老若男女、世代問わず人気のスポットである。その人気はテレビや雑誌を始め、各種のメディアで特集を組まれるほどで、海外からも多くの観光客が訪れる場所でもあった。
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