黒の創造召喚師 ―Closs over the world―

幾威空

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本編

第118話 深紅の呪い竜④

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「ぐ、うぅ……」
「ふぎぎ~っ!?」

 ゼクスの施した「支配」から力技で逃れようと試みるソアラとアリア

「なんて強い力……!? この支配を解くには――」
「くっ!? 強い! けど、こうした力にもどこかに穴が……」
 
 一方、「魔法組」であるキリアとリーナは、術式の構成の脆弱性を突こうと必死に弱点となる穴を探す。

「ハッ、この期に及んでもまだ私の支配から逃れようとするとは。丁度いい……そうした反抗的な態度を二度と見せることがないよう、しっかりとその心に絶望を刻んであげましょうかね」

 横一列で並ぶ彼女たちの前に立ったゼクスは、チラリとその目を彼方に向ける。
 彼の視線の先には、今もなおドラゴンロードと戦闘を続けるツグナの姿があった。

◆◇◆

「グルルルゥアアアアアアッ!」
「ギャアギャア煩いんだよ!」
 ドラゴンロードと対峙するツグナは、ビリビリと肌を刺すその咆哮に耐えながら顔を顰める。そして左手だけで刀を持った彼は、空いた右手で身体から魔書を引き抜いて従者たちを召喚した。

「最初っからアクセル全開で行くぜ! 来い――リル、サクヅキ、白兎、コクヨウ、ファントムっ!」
 彼の呼び声に応じ、ユニーク魔法《創造召喚魔法》によって生み出された五人の従者たちが青白い燐光を纏いながら周囲に顕現する。
「ファントム! ――増殖発動っ!」
 そして続けざまにツグナは現れたファントムにスキルの行使を命じる。彼の指示を受けたファントムがぶるりとその身を震わせると、スッと全く同じ姿をした身体が隣に現れる。
「魅せてやるよ、羽付きトカゲドラゴンロード。行くぜ――混成ハイブリッド召喚!」
 ツグナが吠えるように唱えると、顕現していたリルは狼、サクヅキは双剣、白兎は兎、コクヨウは鷹のカードに変化し、ツグナの眼前に一列に並ぶ。

 そして、増殖を行い二体に増えたファントムのうち、一体が狼と兎のカードを、もう片方が双剣と鷹のカードをそれぞれの背後に生まれた黒い渦の中に呑み込まれていく。
「その姿を見せろ、俺の創造より生まれし従者を糧に召喚されし者たちよ! 来い――ハクタク! 迦楼羅!」
 その名を告げたツグナの前に、混成召喚により生み出された従者が姿を現す。

 白い毛並みにリルと同じ耳を生やした銃剣使いであるハクタク
 やや小柄な漆黒の体躯ながらも、無駄のない筋肉に覆われ、背中から大きな翼を生やした迦楼羅

「さぁ、一気に終わらせるぞ!」
 混成召喚を終えたツグナは、一旦魔書を体の中に仕舞い込むと魔闘技を発動させて声を上げる。

「了解だ、これ以上好き勝手にさせはせんぞ」
 ツグナの掛け声に、ゆっくりと背の銃剣を手にしたハクタクが答え、

「今度こそ叩っ斬る!」
 赫の剣「コズミックレイド」と蒼の剣「クリアリエラ」を抜いた迦楼羅がその背に生えた翼をはためかせて空へと浮かぶ。

「迦楼羅は上空からヤツの気を引きつつ攻撃! ハクタクは背後に回って尻尾を押さえろ!」
「「――了解っ!」」
 ツグナから飛ぶ指示を受け、迦楼羅は空から、ハクタクは背後から攻撃を開始する。

「こっちだ羽根つきトカゲ! ――黒翼針っ!」
 挨拶代わりと空に上った迦楼羅が大きく広げた翼から無数の黒針をドラゴンロードの顔目がけて放つ。
「グルゥオオオオアアアアア!」
 放たれた黒針はドラゴンロードの強固な骨に大したダメージを与えられてはいない。だが、その注意を引くことには成功し、攻撃した迦楼羅目がけてその首を伸ばし、ガパリと開かれた口が噛み千切ろうと襲い掛かる。
「はああああっ! 双破斬鉄っ!」
 大きく口を開けて迫るドラゴンロードに、今度は眼前に双剣を交差させた迦楼羅が前に出てその鼻先に刃を当てる。
 力と力がぶつかり合う轟音と衝撃が響き、双剣を持つ迦楼羅の手がブルブルと震えた。
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