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お披露目会 準備
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「お姉様、これなんかどうでしょう?色違いでお揃いですよ!」
「そうね。いいと思うわ。」
私がそう返すと、レミはムッと頬を膨らませて怒った。
「もう、姉様はさった先からそればかり。そんなこと言ってると派手な色のドレスにしますよ!」
「それはやめて。わかったわかった、じゃあ三番目に言ってた淡いドレスがいいわ。」
「わかります!あれは姉様に似合うと思って選んで、露出も少なくて魅力が……」
ドレスのポイントを説明してくれているが、私はどれでもいいと思って聞き流していた。レミはセンスがいいのでどれを選んでも見栄えが良い。だから、安心して任せられるし、レミは双子コーデが好きらしくレミのアレンジも組み合わせられるため、いつも自分でやると息を巻いている。
「それでは、この髪飾りとネックレスをつけて…いや、こっちの方が色合いが…でも、それだと靴が…」
悩みながらも嬉々として選んでくれるレミは相変わらず可愛いと思うし、一生懸命で素敵だと常々思う。そんなことを思いながら私はレミの服選びを暖かな目で見ていた。
次の日……、
この日の学園の授業が終わる鐘が鳴った。しかし、今日はこれだけでは終わらない。
「よぉ。今日の準備はできたか?」
と、薄っすら笑っているキルがいた。
「うん、まぁね。昨日レミが頑張って、ドレスやらなんやら選んでくれたから一応準備万端だよ。お陰で、午前中を全て費やしたけど」
「それは…どうなんだ?」
「私にとってはいいことだったってこと」
「お前ら姉妹仲良いのな」
最近はお披露目会についてよく話すからか、気がねなくしゃべれる様になってきた。
「そういえば、セシル様なんか大丈夫だった?」
「あ…まぁ平気だろ、あれから数日経ってるから」
「結局何に落ち込んでたの?」
「いやぁ、俺もよく分からん」
(あいつ、いやにメルのこと気になってたからきっと同伴者になりたかったんだろうけど、俺は妹君と話したことすらないからしょうがないだろう…)
ダラダラと喋っているうちに迎えのところに到着した。
「じゃあまた後で迎えに来てね」
「おー」
お互いに手を振って別れを告げた。
家に着くとローラが他のメイドも引き連れて待っていて、即座に着替えを始めさせられた。別に自分一人でもできるのだけれど、どうも時間が掛かってしまう為、メイド達三人がかりの着替えに任せっきりだ。
(流石にドレスの着替えに何分も費やすのがめんどくさいからって、休日ズボンで過ごしていたのがいけなかったのだろうけど、ドレスのまま鍛錬するのはいけないし、まず普通に動きにくいし…)
一応心の中で言い訳をしてみたら、すでに着替えが終わっていた。
「では、お嬢様ここに座ってください」
「ヘアアレンジはこんな感じでしょうか」
「もう少し低くして、そんなんな感じ」
「では、触らせていただきます」
(うぁ、サラサラでツルツル…)
「え…どんな髪型にするつもり…」
「できてからの楽しみです。前を向いてください、やりにくそうにしてるでしょうが」
「あ、ごめんなさい」
「い、いえ」
なぜか少し手が震えながら作業をされている気もするが、たまに起こると言っていたのでそっとしとこう。
たまにローラ達と喋りながら完成を待った。メイクや髪飾りなどを調節されること数分。いよいよ、迎えの時間が近づいてきていた。
「姉様、終わりました?」
「レミ、もうちょっと待っててあと少しだと思うから」
「もう少しお待ちください…よし、大丈夫ですね」
「開けてもいい?」
「ええ、いいわよ」
レミが扉を開けた。
髪はゆるふわに巻かれていながらも編み込みがされているハーフアップだ。髪飾りは白い花とピンクの花が交互に飾られている。ドレスは全体的にはピンクのワンピースの形をしているが、葉の形をしたレースが腕や肩、スカートの部分に使われている。
対して私は、
普段は肩より長いぐらいの髪を巻いてポニーテールを低い位置でされている。髪飾りは淡い青と白のピンのようなものを左側につけられていて、ドレスはレミと色違いの水色だ。
「ぁ…姉様綺麗です!流石です!」
少しの間止まっていたが、やっと動き出したらしい。
「えぇ、流石レミが選んだドレスね。色合いも服もとっても綺麗だわ。ありがとう。ローラ達もありがとう」
「いえ、お嬢様方の身のこなしとレミ様の選択の賜物ですので、私たちはそれの少し手伝いをしたにすぎません」
「あんまり謙遜し過ぎるとよくないわよ」
「そうです!ローラの力で姉様の輝きがより光って見えます」
そんな平和な会話をしていると、扉を叩く音がして入るように促すとファリオが入ってきた。
「おや、お嬢様方は準備万端ですな。ちょうど御二人が到着なさいましたよ」
「あら、ありがとう。じゃあ行きましょう、レミ」
「はーい…」
ローラ達に別れを告げて廊下を歩いた。
「そういえば、このドレスと同じ葉が庭にもあったわね」
「そうですね。種類によっては花を咲かすらしいとか」
「へー、なんて名前だったか…」
あまり花を愛でるということをしない為私は名前を思い出せずにいると、
「アイビーだったかな…」
「そうね。いいと思うわ。」
私がそう返すと、レミはムッと頬を膨らませて怒った。
「もう、姉様はさった先からそればかり。そんなこと言ってると派手な色のドレスにしますよ!」
「それはやめて。わかったわかった、じゃあ三番目に言ってた淡いドレスがいいわ。」
「わかります!あれは姉様に似合うと思って選んで、露出も少なくて魅力が……」
ドレスのポイントを説明してくれているが、私はどれでもいいと思って聞き流していた。レミはセンスがいいのでどれを選んでも見栄えが良い。だから、安心して任せられるし、レミは双子コーデが好きらしくレミのアレンジも組み合わせられるため、いつも自分でやると息を巻いている。
「それでは、この髪飾りとネックレスをつけて…いや、こっちの方が色合いが…でも、それだと靴が…」
悩みながらも嬉々として選んでくれるレミは相変わらず可愛いと思うし、一生懸命で素敵だと常々思う。そんなことを思いながら私はレミの服選びを暖かな目で見ていた。
次の日……、
この日の学園の授業が終わる鐘が鳴った。しかし、今日はこれだけでは終わらない。
「よぉ。今日の準備はできたか?」
と、薄っすら笑っているキルがいた。
「うん、まぁね。昨日レミが頑張って、ドレスやらなんやら選んでくれたから一応準備万端だよ。お陰で、午前中を全て費やしたけど」
「それは…どうなんだ?」
「私にとってはいいことだったってこと」
「お前ら姉妹仲良いのな」
最近はお披露目会についてよく話すからか、気がねなくしゃべれる様になってきた。
「そういえば、セシル様なんか大丈夫だった?」
「あ…まぁ平気だろ、あれから数日経ってるから」
「結局何に落ち込んでたの?」
「いやぁ、俺もよく分からん」
(あいつ、いやにメルのこと気になってたからきっと同伴者になりたかったんだろうけど、俺は妹君と話したことすらないからしょうがないだろう…)
ダラダラと喋っているうちに迎えのところに到着した。
「じゃあまた後で迎えに来てね」
「おー」
お互いに手を振って別れを告げた。
家に着くとローラが他のメイドも引き連れて待っていて、即座に着替えを始めさせられた。別に自分一人でもできるのだけれど、どうも時間が掛かってしまう為、メイド達三人がかりの着替えに任せっきりだ。
(流石にドレスの着替えに何分も費やすのがめんどくさいからって、休日ズボンで過ごしていたのがいけなかったのだろうけど、ドレスのまま鍛錬するのはいけないし、まず普通に動きにくいし…)
一応心の中で言い訳をしてみたら、すでに着替えが終わっていた。
「では、お嬢様ここに座ってください」
「ヘアアレンジはこんな感じでしょうか」
「もう少し低くして、そんなんな感じ」
「では、触らせていただきます」
(うぁ、サラサラでツルツル…)
「え…どんな髪型にするつもり…」
「できてからの楽しみです。前を向いてください、やりにくそうにしてるでしょうが」
「あ、ごめんなさい」
「い、いえ」
なぜか少し手が震えながら作業をされている気もするが、たまに起こると言っていたのでそっとしとこう。
たまにローラ達と喋りながら完成を待った。メイクや髪飾りなどを調節されること数分。いよいよ、迎えの時間が近づいてきていた。
「姉様、終わりました?」
「レミ、もうちょっと待っててあと少しだと思うから」
「もう少しお待ちください…よし、大丈夫ですね」
「開けてもいい?」
「ええ、いいわよ」
レミが扉を開けた。
髪はゆるふわに巻かれていながらも編み込みがされているハーフアップだ。髪飾りは白い花とピンクの花が交互に飾られている。ドレスは全体的にはピンクのワンピースの形をしているが、葉の形をしたレースが腕や肩、スカートの部分に使われている。
対して私は、
普段は肩より長いぐらいの髪を巻いてポニーテールを低い位置でされている。髪飾りは淡い青と白のピンのようなものを左側につけられていて、ドレスはレミと色違いの水色だ。
「ぁ…姉様綺麗です!流石です!」
少しの間止まっていたが、やっと動き出したらしい。
「えぇ、流石レミが選んだドレスね。色合いも服もとっても綺麗だわ。ありがとう。ローラ達もありがとう」
「いえ、お嬢様方の身のこなしとレミ様の選択の賜物ですので、私たちはそれの少し手伝いをしたにすぎません」
「あんまり謙遜し過ぎるとよくないわよ」
「そうです!ローラの力で姉様の輝きがより光って見えます」
そんな平和な会話をしていると、扉を叩く音がして入るように促すとファリオが入ってきた。
「おや、お嬢様方は準備万端ですな。ちょうど御二人が到着なさいましたよ」
「あら、ありがとう。じゃあ行きましょう、レミ」
「はーい…」
ローラ達に別れを告げて廊下を歩いた。
「そういえば、このドレスと同じ葉が庭にもあったわね」
「そうですね。種類によっては花を咲かすらしいとか」
「へー、なんて名前だったか…」
あまり花を愛でるということをしない為私は名前を思い出せずにいると、
「アイビーだったかな…」
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