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2章
56.八年前の足取り4
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「ゔっゔっ、狭い暗いカビっぽい……」
骸骨兵を倒した数十分後、俺はアルハトのダンジョンを進んでいた。
先の騒ぎの原因となった女の子――、シェリの弟を救うためだ。
御者の少年がシェリと呼んだ女の子は、この辺の村の子供らしく、両親によってダンジョンに弟が捨てられた事を知り、弟を助けに馬車の後ろにこっそり乗り込んで来たのだと涙と鼻水で顔をべしょべしょにし、つっかえながら俺や少年、シェリを助けにダンジョン内まで追った勇気ある観光客たちに説明してくれた。
「しっかしシェリも観光客さんたちも、ダンジョンの奥に進まなくてホント良かったよ」
彼らが入り口付近で骸骨兵に速攻出くわしたのは、幸か不幸かと言えば幸であっただろう。
何せこのダンジョン、出くわす敵も弱いし道も複雑ではないが、進めば進むほど魔素濃度が高くなり魔力抵抗の低い人間なら船酔いのような症状や、精神が不安定になってパニックになりかねない。
ダンジョンで状態異常は命取りだ。ここは恐らく初級ダンジョンと甘く見て入ると命を落とす、初心者殺しのダンジョンで間違いないだろう。
因みに魔力抵抗とは、イコール魔力量で、俺はあまり魔法は上手ではないが仙人になった際に魔力量がアップしているので、このくらいの魔素濃度ならへっちゃらなのである。
『イオりんってば、魔力はあるけど魔法のセンスは可哀想だにゃ~』とはメイリンの言だが、……俺もそう思う。
そして俺は、シェリの話にピンと来るモノがあった。
忌み子信仰と言うやつだ。生まれながら強い魔力を持った子供を生贄にして豊穣を願うとか、確かそんなん。
でも実際は、魔導教育の水準が低い田舎などで子供の魔力暴走による事故を防ぐために、そういった子供を山やダンジョンに捨てた事を正当化するためのこじ付けなのだと前にエドから聞いたことがあった。
おそらくセスは、その忌み子信仰の被害者なのだろう。
「どうにしろ忌み子信仰なんか、クソくらえだっ」
脚がたくさん生え、胴回りは成人男性の腕くらいあるヤスデや、子供の頭くらいあるお手洗いコウロギ(丁寧に言った)に涙目でビビりながら、スライムや歩くキノコなんかの低級モンスターたちの歓迎を打神鞭で薙ぎ払い、俺は狭く薄暗い通路を駆け抜ける。
地下一階層を抜け二階層に降りると、ダンジョンは岩をくりぬいた洞窟のような単純なつくりから、簡単な石畳の床と壁に構造が変わりかなり走りやすくなった。その代りに岩壁に生えた光苔が減ってダンジョン内の明かりが更に弱くなったため、俺は魔法で生み出した光の球を頭上に飛ばす。
「頭の上が明るいと、モンスターホイホイになっちゃうんだけどなー、と言ってる傍からスライムゥゥゥ、破ッ!」
シェリの話では弟がダンジョンに連れてこられたのは昨日の昼で、すでに丸一日が経ってしまっている。
低級とは言え、先ほどから襲って来るモンスターの数もそこそこだ。
『おにいちゃん、セスをたすけて』
シェリの涙でぐしゃぐしゃになった顔が頭をよぎる。
『あぁ、セスはお兄ちゃんにまかせてシェリはおうちにお帰り』
そう言って俺は一人、遺跡に残り馬車を見送った。
正直、シェリの弟――セスが無事と言える自信は無い。
それに運よく無事な場合でもセスは両親の元には帰さず、俺がそのままエルドラド国に保護申請をするつもりだった。
親元に戻して同じ事を繰り返されても嫌だからな。
「シェリを騙しちゃったみたいで悪いことしたかな……」
疲れ果てて眠りに落ち、御者の少年に抱っこされた涙の痕の残る頬が思い出される。
しかし今は感傷に浸る時間はない、セスの生存を信じて俺はダンジョンを進んだ。
***
この世界のダンジョンは、大きく二種類に分類できる。
一つは自然の洞窟が魔素溜まりになって出来たタイプで、もう一つが、ここアルハトの様に人工の建造物に発生したタイプである。
前者は普通の洞窟にモンスターがいっぱい居ると思っていれば良いのだが、後者の誕生過程には俺には良く分からん色んな因果や法則、要素やなんかがあるらしく、内装のバリエーションは勿論、罠にお宝と盛りだくさんで、俺にゲームの世界を彷彿とさせる。
「まぁ、ここのダンジョンは罠もお宝も無さそうだけどなー」
俺は打神鞭で壁や床をつついて罠の有無を確認しながら、階下への階段を下りる。
このダンジョンの最下層、地下三階層は二階層より更に凝った造りになっていて、丁度ダンジョン上の神殿のような雰囲気だった。
神殿風の白石の壁のおかげで二階層よりもかなり明るく感じるし、上のふた階層よりも程よく暖かく湿った感じもしない。ただ、魔素濃度がこの浅さのダンジョンにしては高く、俺はセスの身を案じ冷汗をかく。
しかし嬉しい誤算と言うべきか、三階層に降りて比較的すぐの広間で、俺はセスと思わしき三歳くらいの男の子を発見する事が出来た。しかし――
「……なんだあれ?」
広間の真ん中で所在無げに立ち尽くす男の子の横に、銀色に発光する人型のゴーストが付き添っていたのだ。
転生してからこの世界でゴーストは何度か見たが、大体は前に叩きまくったモグラに取り憑いていた意思も自我もほとんど無い、白い煙みたいな低級ゴーストばかりだ。
それにひきかえ、中級以上のゴーストは生前の姿を保ち時には会話による意思疎通も可能だそうだ。しかし、俺が今まで遭遇した中級以上は種族問わず大体は無残な最期の姿で、支離滅裂な言葉を吐き出し続ける哀れな存在だった。
ところがいま、俺の目の前に居るゴーストはそんな哀れさは一つも感じさせない。
まるで王族の様な絢爛な装いで凛と佇む姿には、理性と威厳さえ感じられた。そして、風もないのに衣の裾をふわりとそよがせ、ゴーストから絶え間なく零れて消える銀色の光の欠片は幻想的でとても美しい。それだけに、俺はちょっとだけ惜しい気持ちになる。
そのゴーストには、頭部が無かったのだ。
「セス……だよね? 俺はイオリ、シェリから君の事を頼まれて来たんだ」
ゴーストの放つ雰囲気から何も害をなさないだろうと思いつつも、近づいて下手に刺激するのも憚られ、俺は数メートル離れた場所からセスに話しかける。
セスはシェリの名前を聞くとハッとした顔になって、俺に向かってトコトコと走り寄って来た。
「おっ! 良い子良い子」
俺の足にひしっと抱きついたセスを抱き上げ、よしよしっと、その丸っこくて小さい頭を撫でる。
セスは多少疲れているようだったが怪我もなく、健康状態に問題はなさそうだ。
その間、ゴーストはその場から動くことはなかったが、体の正面をこちらに向けてまるで俺たちをじっと見ている様だった。
「おばけさんが、一緒にいてくれたの」
「そうか」
理由は分からないが、あのゴーストが他のモンスターからセスを保護してくれていたのだろう。
俺はゴーストに向かって感謝の気持ちを込めて会釈をした。このゴーストが会釈の文化圏かは知らないけど、まぁ気持ちの問題だ。
「さっ、ここから外に出ような」
長居は無用と、俺がセスを抱き上げたまま出口に向かって踵を返した瞬間――
――カチャン
と、軽い金属音が広間に響いた。
その音に反射的に振り返ると、広間の突き当たりの何の変哲もない壁が、まるで両開きの扉の様にキィと僅かに軋んで開く。
「うわー、あからさまじゃん」
開いた扉の先の小さな部屋には、神殿によくある白石の祭壇のような台座に小ぶりな宝箱が一つ乗せられていて、俺とセスがその宝箱に見入っていると、ゴーストがふわふわと開いた扉の横に移動しこちらに体の正面を向けた。
その妙に意思を感じるゴーストの身振りに、俺は気が付きたくなかった意図を汲み取ってしまう。
「もしかして、その宝箱を開けろって事か?」
正直言って、見るからに怪しいあんな宝箱なんぞ絶対に開けたくはない。
こちとら外見は永遠の二十二歳でも、実年齢は三十路をとっくに超えているし、前の世界で生きた分を足せば人生の合計は半世紀以上だ。向こう見ずの勇気の結果など嫌と言うほど理解している。
「理解はしているが」
このゴーストはセスを守ってくれていた様だし、これくらいのお願いは聞いてやるべきか……。
俺は少しの葛藤の後、頭上に飛ばしていた光の球を広間の天井に投げて部屋全体を昼間の様に明るくし、抱っこしていたセスを下ろして、広間の真ん中で待つようにお願いした。
さらに扉の先の部屋にも新たに生み出した光の球を投げ込み、内部の安全を目視で十分に確認してから、台座に乗った宝箱に近づいて罠の有無を確認する。
俺に使える初級の見破りの魔法では確かな事は言えないが、宝箱にもその台座にも罠らしいモノは見当たらなかった。
怪しさ満点ではあったが、俺は覚悟を決めて宝箱をそっと開く。
「――うげっ」
中身を目にした瞬間、俺は扉の近くまで飛びのいた。
宝箱の中には、カサカサの赤茶色の髪をはやした干からびた人間の頭部が一つ、納まっていたのだ。
しかも、その顔の右半分にはどう控えめに見ても、呪われてますと言わんばかりの極彩色を施された不気味な蟲の様なデザインの仮面をつけていて、正直、ミイラの頭部より怖い。
「おにいちゃん、おばけさんが」
広間からのセスの声に振り返ろうとした瞬間、心臓をバクバクさせ固まっていた俺の横を、ゴーストが銀の欠片を零しながらスーっと床を滑るように部屋に入り宝箱の前に立つ。
そしてそのたおやかな手が、宝箱に納められた頭部をひと撫ですると、頭部だけのミイラはサラサラと砂の様に崩れ、仮面だけを残して消え去ってしまった。
『**、***――』
その一連をただ見守ることしか出来なかった俺に、ゴーストが何事か言葉を発した。
そう、いつの間にかゴーストに無かったはずの頭部がくっついていて、そのおかげで話せるようになったらしい。
おそらく、あの頭部だけのミイラはこのゴーストのモノだった……とか、そんなトコなのだろう。
しかし俺は、いきなりゴーストに話しかけられた事よりも、その変わってしまった姿に困惑していた。
「おにいちゃん、おばけさんは男の人だったの?」
安全を考えて離れた場所で待たせていたのに、トコトコと扉近くまでやって来てしまったセスが不思議そうに尋ねるが、それを嗜める余裕がない。
今まさに、俺自身もソコに思考を持っていかれていたからだ。
ゴーストの服装は、どこか民族的な意匠で男物とも女物とも取れるデザインだったのだが、頭部がつく前までは確かに、その体は女性特有の丸みを帯びたラインだったのだ。
それに、先程まではたおやかと思っていた両の手は今はがっしりとして、首から下の体のサイズも二回り以上も大きくなり、浮いておらずともきっと俺よりも背が高い。そして、くっついた頭部とセットのそのご尊顔は、優しい面差しではあったが見紛うことなく人間の成人男性だった。
つまり、ゴーストの姿が女性から男性へと変化しているのだ。
(それに何だろ、……この既視感みたいのは)
俺が何とも言えない感覚を持て余してゴーストをじっと見つめると、ゴーストの方もわずかに目を見開いた気がした。
『***、*****』
ゴーストはまた何か喋るが、それは聞き慣れない言語でまるで意味が分からない。
「なぁセス、この人なんて言ってるか分かるか?」
「うぅん」
「だよなぁ」
セスと首をひねっていると、ゴーストはそっと俺に近づき目の前に淡く光る白く透けた手を翳す。
本来ならばこれは逃げなきゃいけない場面なのだが、何故だかまったく危機感を感じず、俺はそのまま己の額を撫でるヒヤリとした手の平を受け入れてしまった。
「ナデナデなの?」
「いや、俺にも良く分からん」
セスがどこか羨ましそうにゴーストに撫でられる俺を見ているのに、思わず苦笑が漏れる。
それにしても、このゴーストの行動は突飛で不可解だ。
「宝箱を開けた事に対するお礼……、なのか?」
俺が首をかしげると、ゴーストは穏やかに目を細める。
やがてゴーストは俺の額から手を離すと――
『***、********、***、********』
と、同じ単語を噛んで含めるように二回繰り返し、そのまま柔らかな光に包まれあっという間に消えてしまった。
「一体なんだったんだ?」
ともわれ、ゴーストが繰り返した単語を忘れないように頭に叩き込む。
マーナムに帰ったらエドに聞いてみよう。
「……ってゆーか、ここまで来てエドエドって、俺ってエドにめちゃくちゃ依存してたんだな」
ちょっと恥ずかしい気持ちになりながら単語を記憶することに集中していると、カランッと、軽やかな音が聞こえ顔を上げる。
「あれ?」
宝箱の中にあったはずの、あの不気味なデザインの仮面が床に落ちていた。
「おめん?」
その仮面に興味を示し歩み寄るセス。
仮面とセスの絵面に、ザワリと何とも言えない不安が俺の中に膨れ上がる。
「ダメだっ!!」
本能的に俺が叫んだ瞬間、仮面は口元の牙を模した装飾をガチャガチャと噛み鳴らしながら、信じられない速さで床を這いずりセスに飛びかかった。
「破っ!」
俺は咄嗟に抜いた打神鞭の刀身を飛ばし仮面を弾く。
「セス! さがって!」
叫ぶがセスは突然の事に驚いたのか、ぺたんと床に尻もちをついてしまう。
そうしている間にひっくり返っていた仮面の内側から関節が沢山ある脚がぶわっと生え、仮面はその脚で体制を整えると、再びセスに飛びかかろうとカサカサと動き出す。
その動きはまるで、恐ろしく俊敏な節足動物のようだ。
俺は飛び出し、寸での所でセスの襟首を掴み自分の体の後ろに隠す。
しかし打神鞭とセスで両手がふさがった一瞬の隙に、飛びかかって来た仮面を俺自身が回避しきれず顔面に張り付かれてしまう。
「がっ!!」
顔の右半分にベタっと張り付いた仮面から怨嗟の唄のようなすすり泣きが聞こえてきて、やはりこれが呪われた品だと確信を持った時には、俺は仮面から伸びた蜘蛛のような脚で頭をがっしりと掴まれていた。
「おにいちゃっ」
ギチギチと仮面が俺の頭を締め上げ、その脚の先端の鋭いかぎ爪は容赦なく頭皮や顔の皮膚を裂く、血をボタボタと流しながら、仮面を引き剥がそうと床に這いつくばってもがく俺に、セスが泣きながら縋る。
来ちゃダメだと伝えたいのに、頬を貫通してきた触手のせいでろくに声も出せない。
「う゛ぐぅぅぅ」
こんな、こんな所で死ぬのは嫌だ……。
触手に頭を締め上げられる痛みで意識が飛びかけた瞬間――
――ッドン!!!!
顔面にすさまじい衝撃がぶつかって、俺は部屋の壁にふっ飛ばされた。
「いたたた」
打ち付けた背中をさすりながら上半身を起こすと、顔から仮面がずるりと剥がれ落ちる。
仮面はそのまま床にぶつかった衝撃で二つに割れ、ピクリとも動かなくなった。
「な、何が起こったんだ?」
顔から流れる血をぬぐいながら目でセスを探すと、宝箱が乗せてあった台座の近くに倒れていた。
俺は慌ててセスに駆け寄ると、その小さな体を抱え起こして怪我の有無を確認する。命に別状はなさそうだが、セスの小さな両手は真っ赤に焼けただれていて確信した。
「セスが助けてくれたのか」
おそらく、魔力量は多いがコントロールが出来ないセスは、魔力や氣に練り上げる前の、体に巡る原初の力を直接その手から仮面に向かって放ったのだろう。それは例えるなら手から直に電流や炎を出すようなものだ。
「こんなっ……、めちゃくちゃ痛かったろ。すぐ治してやるからな」
セスに治癒術をかけながら、俺の目頭は熱くなる。
やはりセスは忌み子としてダンジョンに捨てられたのだ。
この力のせいでダンジョンに捨てられたのに、この子はその力で出会ったばかりの俺を助けてくれたのかと思うと、胸が痛かった。
***
痛々しい両手の傷がなんとか塞がったころ、まつ毛を震わせてセスが目を開けた。
「セス、助けてくれてありがとうな」
「うぅん。それよりおにいちゃんは、大丈夫?」
礼を言えば、セスはどこか不思議そうにぱちぱちと瞬きを繰り返し俺を見上げる。
「あぁ、俺はセスのおかげで命拾いしたよ」
「あ……、あのね」
笑いかけた俺に、セスは何かを言いよどむかのように言葉を切る。
「どうした? どこか痛いのか?」
「うぅん、あのね。おにいちゃんは、おねぇちゃんだったの?」
「うん、お兄ちゃんはお姉……へ?」
うっかり肯定しかけたが、流石にそれは無い。
この世界基準でも俺は小柄ではないし、ゴリマッチョでも無いがどう見ても男だ。セスはまだ幼いし、怪我の衝撃で混乱でもしているのだろうか?
しかし、俺に向けられたセスの顔があまりに真剣だったので、俺は思わず自身の胸部に両手を当てる。
道着の上からペタペタと確認するが、薄めの大胸筋がいつものようにあるだけだ。
「ほーら何もないぞ。……ん? 大胸筋ちょっと成長したか? それに妙に柔らかい様な……」
瞬間、天啓のように頭の中の情報が組み立って、俺はサァーと血の気が引いていくのを感じた。
女性から男性になったゴースト、そのゴーストの頭部についていた呪いの仮面……。
「いやいやいや」
俺は震える手で道着のボタンを二つはずす。
ボタンをはずす指がいつもより華奢なような気がするが、気が付かないふりをする。
「ないないない」
大丈夫、大丈夫と祈りながら俺は恐る恐る服の中を覗く。
しかし、切なる祈りもむなしく、俺の胸部には控えめな二つの――
「――嘘だろぉぉぉ!!!!」
悲壮感に満ちた女の声がダンジョンに響く。
気が付けば俺は、その声すらも可愛らしいソプラノになっていたのだった。
骸骨兵を倒した数十分後、俺はアルハトのダンジョンを進んでいた。
先の騒ぎの原因となった女の子――、シェリの弟を救うためだ。
御者の少年がシェリと呼んだ女の子は、この辺の村の子供らしく、両親によってダンジョンに弟が捨てられた事を知り、弟を助けに馬車の後ろにこっそり乗り込んで来たのだと涙と鼻水で顔をべしょべしょにし、つっかえながら俺や少年、シェリを助けにダンジョン内まで追った勇気ある観光客たちに説明してくれた。
「しっかしシェリも観光客さんたちも、ダンジョンの奥に進まなくてホント良かったよ」
彼らが入り口付近で骸骨兵に速攻出くわしたのは、幸か不幸かと言えば幸であっただろう。
何せこのダンジョン、出くわす敵も弱いし道も複雑ではないが、進めば進むほど魔素濃度が高くなり魔力抵抗の低い人間なら船酔いのような症状や、精神が不安定になってパニックになりかねない。
ダンジョンで状態異常は命取りだ。ここは恐らく初級ダンジョンと甘く見て入ると命を落とす、初心者殺しのダンジョンで間違いないだろう。
因みに魔力抵抗とは、イコール魔力量で、俺はあまり魔法は上手ではないが仙人になった際に魔力量がアップしているので、このくらいの魔素濃度ならへっちゃらなのである。
『イオりんってば、魔力はあるけど魔法のセンスは可哀想だにゃ~』とはメイリンの言だが、……俺もそう思う。
そして俺は、シェリの話にピンと来るモノがあった。
忌み子信仰と言うやつだ。生まれながら強い魔力を持った子供を生贄にして豊穣を願うとか、確かそんなん。
でも実際は、魔導教育の水準が低い田舎などで子供の魔力暴走による事故を防ぐために、そういった子供を山やダンジョンに捨てた事を正当化するためのこじ付けなのだと前にエドから聞いたことがあった。
おそらくセスは、その忌み子信仰の被害者なのだろう。
「どうにしろ忌み子信仰なんか、クソくらえだっ」
脚がたくさん生え、胴回りは成人男性の腕くらいあるヤスデや、子供の頭くらいあるお手洗いコウロギ(丁寧に言った)に涙目でビビりながら、スライムや歩くキノコなんかの低級モンスターたちの歓迎を打神鞭で薙ぎ払い、俺は狭く薄暗い通路を駆け抜ける。
地下一階層を抜け二階層に降りると、ダンジョンは岩をくりぬいた洞窟のような単純なつくりから、簡単な石畳の床と壁に構造が変わりかなり走りやすくなった。その代りに岩壁に生えた光苔が減ってダンジョン内の明かりが更に弱くなったため、俺は魔法で生み出した光の球を頭上に飛ばす。
「頭の上が明るいと、モンスターホイホイになっちゃうんだけどなー、と言ってる傍からスライムゥゥゥ、破ッ!」
シェリの話では弟がダンジョンに連れてこられたのは昨日の昼で、すでに丸一日が経ってしまっている。
低級とは言え、先ほどから襲って来るモンスターの数もそこそこだ。
『おにいちゃん、セスをたすけて』
シェリの涙でぐしゃぐしゃになった顔が頭をよぎる。
『あぁ、セスはお兄ちゃんにまかせてシェリはおうちにお帰り』
そう言って俺は一人、遺跡に残り馬車を見送った。
正直、シェリの弟――セスが無事と言える自信は無い。
それに運よく無事な場合でもセスは両親の元には帰さず、俺がそのままエルドラド国に保護申請をするつもりだった。
親元に戻して同じ事を繰り返されても嫌だからな。
「シェリを騙しちゃったみたいで悪いことしたかな……」
疲れ果てて眠りに落ち、御者の少年に抱っこされた涙の痕の残る頬が思い出される。
しかし今は感傷に浸る時間はない、セスの生存を信じて俺はダンジョンを進んだ。
***
この世界のダンジョンは、大きく二種類に分類できる。
一つは自然の洞窟が魔素溜まりになって出来たタイプで、もう一つが、ここアルハトの様に人工の建造物に発生したタイプである。
前者は普通の洞窟にモンスターがいっぱい居ると思っていれば良いのだが、後者の誕生過程には俺には良く分からん色んな因果や法則、要素やなんかがあるらしく、内装のバリエーションは勿論、罠にお宝と盛りだくさんで、俺にゲームの世界を彷彿とさせる。
「まぁ、ここのダンジョンは罠もお宝も無さそうだけどなー」
俺は打神鞭で壁や床をつついて罠の有無を確認しながら、階下への階段を下りる。
このダンジョンの最下層、地下三階層は二階層より更に凝った造りになっていて、丁度ダンジョン上の神殿のような雰囲気だった。
神殿風の白石の壁のおかげで二階層よりもかなり明るく感じるし、上のふた階層よりも程よく暖かく湿った感じもしない。ただ、魔素濃度がこの浅さのダンジョンにしては高く、俺はセスの身を案じ冷汗をかく。
しかし嬉しい誤算と言うべきか、三階層に降りて比較的すぐの広間で、俺はセスと思わしき三歳くらいの男の子を発見する事が出来た。しかし――
「……なんだあれ?」
広間の真ん中で所在無げに立ち尽くす男の子の横に、銀色に発光する人型のゴーストが付き添っていたのだ。
転生してからこの世界でゴーストは何度か見たが、大体は前に叩きまくったモグラに取り憑いていた意思も自我もほとんど無い、白い煙みたいな低級ゴーストばかりだ。
それにひきかえ、中級以上のゴーストは生前の姿を保ち時には会話による意思疎通も可能だそうだ。しかし、俺が今まで遭遇した中級以上は種族問わず大体は無残な最期の姿で、支離滅裂な言葉を吐き出し続ける哀れな存在だった。
ところがいま、俺の目の前に居るゴーストはそんな哀れさは一つも感じさせない。
まるで王族の様な絢爛な装いで凛と佇む姿には、理性と威厳さえ感じられた。そして、風もないのに衣の裾をふわりとそよがせ、ゴーストから絶え間なく零れて消える銀色の光の欠片は幻想的でとても美しい。それだけに、俺はちょっとだけ惜しい気持ちになる。
そのゴーストには、頭部が無かったのだ。
「セス……だよね? 俺はイオリ、シェリから君の事を頼まれて来たんだ」
ゴーストの放つ雰囲気から何も害をなさないだろうと思いつつも、近づいて下手に刺激するのも憚られ、俺は数メートル離れた場所からセスに話しかける。
セスはシェリの名前を聞くとハッとした顔になって、俺に向かってトコトコと走り寄って来た。
「おっ! 良い子良い子」
俺の足にひしっと抱きついたセスを抱き上げ、よしよしっと、その丸っこくて小さい頭を撫でる。
セスは多少疲れているようだったが怪我もなく、健康状態に問題はなさそうだ。
その間、ゴーストはその場から動くことはなかったが、体の正面をこちらに向けてまるで俺たちをじっと見ている様だった。
「おばけさんが、一緒にいてくれたの」
「そうか」
理由は分からないが、あのゴーストが他のモンスターからセスを保護してくれていたのだろう。
俺はゴーストに向かって感謝の気持ちを込めて会釈をした。このゴーストが会釈の文化圏かは知らないけど、まぁ気持ちの問題だ。
「さっ、ここから外に出ような」
長居は無用と、俺がセスを抱き上げたまま出口に向かって踵を返した瞬間――
――カチャン
と、軽い金属音が広間に響いた。
その音に反射的に振り返ると、広間の突き当たりの何の変哲もない壁が、まるで両開きの扉の様にキィと僅かに軋んで開く。
「うわー、あからさまじゃん」
開いた扉の先の小さな部屋には、神殿によくある白石の祭壇のような台座に小ぶりな宝箱が一つ乗せられていて、俺とセスがその宝箱に見入っていると、ゴーストがふわふわと開いた扉の横に移動しこちらに体の正面を向けた。
その妙に意思を感じるゴーストの身振りに、俺は気が付きたくなかった意図を汲み取ってしまう。
「もしかして、その宝箱を開けろって事か?」
正直言って、見るからに怪しいあんな宝箱なんぞ絶対に開けたくはない。
こちとら外見は永遠の二十二歳でも、実年齢は三十路をとっくに超えているし、前の世界で生きた分を足せば人生の合計は半世紀以上だ。向こう見ずの勇気の結果など嫌と言うほど理解している。
「理解はしているが」
このゴーストはセスを守ってくれていた様だし、これくらいのお願いは聞いてやるべきか……。
俺は少しの葛藤の後、頭上に飛ばしていた光の球を広間の天井に投げて部屋全体を昼間の様に明るくし、抱っこしていたセスを下ろして、広間の真ん中で待つようにお願いした。
さらに扉の先の部屋にも新たに生み出した光の球を投げ込み、内部の安全を目視で十分に確認してから、台座に乗った宝箱に近づいて罠の有無を確認する。
俺に使える初級の見破りの魔法では確かな事は言えないが、宝箱にもその台座にも罠らしいモノは見当たらなかった。
怪しさ満点ではあったが、俺は覚悟を決めて宝箱をそっと開く。
「――うげっ」
中身を目にした瞬間、俺は扉の近くまで飛びのいた。
宝箱の中には、カサカサの赤茶色の髪をはやした干からびた人間の頭部が一つ、納まっていたのだ。
しかも、その顔の右半分にはどう控えめに見ても、呪われてますと言わんばかりの極彩色を施された不気味な蟲の様なデザインの仮面をつけていて、正直、ミイラの頭部より怖い。
「おにいちゃん、おばけさんが」
広間からのセスの声に振り返ろうとした瞬間、心臓をバクバクさせ固まっていた俺の横を、ゴーストが銀の欠片を零しながらスーっと床を滑るように部屋に入り宝箱の前に立つ。
そしてそのたおやかな手が、宝箱に納められた頭部をひと撫ですると、頭部だけのミイラはサラサラと砂の様に崩れ、仮面だけを残して消え去ってしまった。
『**、***――』
その一連をただ見守ることしか出来なかった俺に、ゴーストが何事か言葉を発した。
そう、いつの間にかゴーストに無かったはずの頭部がくっついていて、そのおかげで話せるようになったらしい。
おそらく、あの頭部だけのミイラはこのゴーストのモノだった……とか、そんなトコなのだろう。
しかし俺は、いきなりゴーストに話しかけられた事よりも、その変わってしまった姿に困惑していた。
「おにいちゃん、おばけさんは男の人だったの?」
安全を考えて離れた場所で待たせていたのに、トコトコと扉近くまでやって来てしまったセスが不思議そうに尋ねるが、それを嗜める余裕がない。
今まさに、俺自身もソコに思考を持っていかれていたからだ。
ゴーストの服装は、どこか民族的な意匠で男物とも女物とも取れるデザインだったのだが、頭部がつく前までは確かに、その体は女性特有の丸みを帯びたラインだったのだ。
それに、先程まではたおやかと思っていた両の手は今はがっしりとして、首から下の体のサイズも二回り以上も大きくなり、浮いておらずともきっと俺よりも背が高い。そして、くっついた頭部とセットのそのご尊顔は、優しい面差しではあったが見紛うことなく人間の成人男性だった。
つまり、ゴーストの姿が女性から男性へと変化しているのだ。
(それに何だろ、……この既視感みたいのは)
俺が何とも言えない感覚を持て余してゴーストをじっと見つめると、ゴーストの方もわずかに目を見開いた気がした。
『***、*****』
ゴーストはまた何か喋るが、それは聞き慣れない言語でまるで意味が分からない。
「なぁセス、この人なんて言ってるか分かるか?」
「うぅん」
「だよなぁ」
セスと首をひねっていると、ゴーストはそっと俺に近づき目の前に淡く光る白く透けた手を翳す。
本来ならばこれは逃げなきゃいけない場面なのだが、何故だかまったく危機感を感じず、俺はそのまま己の額を撫でるヒヤリとした手の平を受け入れてしまった。
「ナデナデなの?」
「いや、俺にも良く分からん」
セスがどこか羨ましそうにゴーストに撫でられる俺を見ているのに、思わず苦笑が漏れる。
それにしても、このゴーストの行動は突飛で不可解だ。
「宝箱を開けた事に対するお礼……、なのか?」
俺が首をかしげると、ゴーストは穏やかに目を細める。
やがてゴーストは俺の額から手を離すと――
『***、********、***、********』
と、同じ単語を噛んで含めるように二回繰り返し、そのまま柔らかな光に包まれあっという間に消えてしまった。
「一体なんだったんだ?」
ともわれ、ゴーストが繰り返した単語を忘れないように頭に叩き込む。
マーナムに帰ったらエドに聞いてみよう。
「……ってゆーか、ここまで来てエドエドって、俺ってエドにめちゃくちゃ依存してたんだな」
ちょっと恥ずかしい気持ちになりながら単語を記憶することに集中していると、カランッと、軽やかな音が聞こえ顔を上げる。
「あれ?」
宝箱の中にあったはずの、あの不気味なデザインの仮面が床に落ちていた。
「おめん?」
その仮面に興味を示し歩み寄るセス。
仮面とセスの絵面に、ザワリと何とも言えない不安が俺の中に膨れ上がる。
「ダメだっ!!」
本能的に俺が叫んだ瞬間、仮面は口元の牙を模した装飾をガチャガチャと噛み鳴らしながら、信じられない速さで床を這いずりセスに飛びかかった。
「破っ!」
俺は咄嗟に抜いた打神鞭の刀身を飛ばし仮面を弾く。
「セス! さがって!」
叫ぶがセスは突然の事に驚いたのか、ぺたんと床に尻もちをついてしまう。
そうしている間にひっくり返っていた仮面の内側から関節が沢山ある脚がぶわっと生え、仮面はその脚で体制を整えると、再びセスに飛びかかろうとカサカサと動き出す。
その動きはまるで、恐ろしく俊敏な節足動物のようだ。
俺は飛び出し、寸での所でセスの襟首を掴み自分の体の後ろに隠す。
しかし打神鞭とセスで両手がふさがった一瞬の隙に、飛びかかって来た仮面を俺自身が回避しきれず顔面に張り付かれてしまう。
「がっ!!」
顔の右半分にベタっと張り付いた仮面から怨嗟の唄のようなすすり泣きが聞こえてきて、やはりこれが呪われた品だと確信を持った時には、俺は仮面から伸びた蜘蛛のような脚で頭をがっしりと掴まれていた。
「おにいちゃっ」
ギチギチと仮面が俺の頭を締め上げ、その脚の先端の鋭いかぎ爪は容赦なく頭皮や顔の皮膚を裂く、血をボタボタと流しながら、仮面を引き剥がそうと床に這いつくばってもがく俺に、セスが泣きながら縋る。
来ちゃダメだと伝えたいのに、頬を貫通してきた触手のせいでろくに声も出せない。
「う゛ぐぅぅぅ」
こんな、こんな所で死ぬのは嫌だ……。
触手に頭を締め上げられる痛みで意識が飛びかけた瞬間――
――ッドン!!!!
顔面にすさまじい衝撃がぶつかって、俺は部屋の壁にふっ飛ばされた。
「いたたた」
打ち付けた背中をさすりながら上半身を起こすと、顔から仮面がずるりと剥がれ落ちる。
仮面はそのまま床にぶつかった衝撃で二つに割れ、ピクリとも動かなくなった。
「な、何が起こったんだ?」
顔から流れる血をぬぐいながら目でセスを探すと、宝箱が乗せてあった台座の近くに倒れていた。
俺は慌ててセスに駆け寄ると、その小さな体を抱え起こして怪我の有無を確認する。命に別状はなさそうだが、セスの小さな両手は真っ赤に焼けただれていて確信した。
「セスが助けてくれたのか」
おそらく、魔力量は多いがコントロールが出来ないセスは、魔力や氣に練り上げる前の、体に巡る原初の力を直接その手から仮面に向かって放ったのだろう。それは例えるなら手から直に電流や炎を出すようなものだ。
「こんなっ……、めちゃくちゃ痛かったろ。すぐ治してやるからな」
セスに治癒術をかけながら、俺の目頭は熱くなる。
やはりセスは忌み子としてダンジョンに捨てられたのだ。
この力のせいでダンジョンに捨てられたのに、この子はその力で出会ったばかりの俺を助けてくれたのかと思うと、胸が痛かった。
***
痛々しい両手の傷がなんとか塞がったころ、まつ毛を震わせてセスが目を開けた。
「セス、助けてくれてありがとうな」
「うぅん。それよりおにいちゃんは、大丈夫?」
礼を言えば、セスはどこか不思議そうにぱちぱちと瞬きを繰り返し俺を見上げる。
「あぁ、俺はセスのおかげで命拾いしたよ」
「あ……、あのね」
笑いかけた俺に、セスは何かを言いよどむかのように言葉を切る。
「どうした? どこか痛いのか?」
「うぅん、あのね。おにいちゃんは、おねぇちゃんだったの?」
「うん、お兄ちゃんはお姉……へ?」
うっかり肯定しかけたが、流石にそれは無い。
この世界基準でも俺は小柄ではないし、ゴリマッチョでも無いがどう見ても男だ。セスはまだ幼いし、怪我の衝撃で混乱でもしているのだろうか?
しかし、俺に向けられたセスの顔があまりに真剣だったので、俺は思わず自身の胸部に両手を当てる。
道着の上からペタペタと確認するが、薄めの大胸筋がいつものようにあるだけだ。
「ほーら何もないぞ。……ん? 大胸筋ちょっと成長したか? それに妙に柔らかい様な……」
瞬間、天啓のように頭の中の情報が組み立って、俺はサァーと血の気が引いていくのを感じた。
女性から男性になったゴースト、そのゴーストの頭部についていた呪いの仮面……。
「いやいやいや」
俺は震える手で道着のボタンを二つはずす。
ボタンをはずす指がいつもより華奢なような気がするが、気が付かないふりをする。
「ないないない」
大丈夫、大丈夫と祈りながら俺は恐る恐る服の中を覗く。
しかし、切なる祈りもむなしく、俺の胸部には控えめな二つの――
「――嘘だろぉぉぉ!!!!」
悲壮感に満ちた女の声がダンジョンに響く。
気が付けば俺は、その声すらも可愛らしいソプラノになっていたのだった。
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