乙女ゲーの世界でツンデ令嬢を溺愛する

赤色愛好家

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ハジマリの章

転生(?)したら心が強くなってた

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フィフィの部屋での騒動が落ち着いた頃。
もえはハッと思い至った。

(フィフィの契約竜になったのだから家族にご挨拶をしなくてはいけないのでは…!?)

ここが現実だというのならご挨拶はとても大切な筈だ。

「フィフィ…親御さんに挨拶をしたいのだけれど、今家にいる?」

思い至ったら即日のもえが問いかければフィフィはギクリと動きを止めた。

「い、いる…けど…。別にヒイラギが「もえってよんで?」「…ヒイラ「もえってよんで?「…モエが気にすることじゃないわ。大丈夫よ!」

(あぁん。フィフィたん可愛い~!もえってよんでもらえた可愛いぃ!)

もえは大抵人の話など聞いてはいない。
今回も例にもれず、である。

「んふ…んふふ。そっかそっかぁ。じゃあ一緒にご挨拶に行きましょうねぇ!」

すっかり上機嫌のもえがズルズルとフィフィを引きずりながら人の家の廊下を歩いていく。
三度目の扉をもえがバーン!と開けた先にいたのは渋いイケオジであった。
癖のない金髪を後ろで束ねており、瞳は緑色だ。体はいかにも細マッチョで、大変イケてるオジ様であった。
イケオジの横にはクルクルとした茶髪に蒼い目のおば様が、二人の前にはサラサラの茶髪に緑目のイケメンがいた。
三人は夕飯の途中だったようで、両手にナイフとフォークを握りしめて固まっている。
何も言わずにこちらを見つめてくる三人の前でもえは胸を張って宣言した。

「フィフィの契約竜です!」

そもそもフィフィを抜いて食事をしている時点で気に食わなかったのだ。
よろしくなんてしてやる気にはなれない。
三人はポカーンと口を開けているが何も言わないのならもう用はないのである。
フィフィの部屋に戻ろうとしたもえにイケオジが声をかけた。

「…待ちたまえっ!いや、待って下さい。詳しくお聞きしたいのですが…。」

ドラゴンになってから以前よりも思考が自由になり、心臓に毛が生えた(気分の)もえが選ぶ選択肢は一択である。

「は?嫌ですけど?」

嫌いなヤツに長々と経緯を説明してあげられるほど心が広くないのだ。もえはNOと言える女であった。

「い、いえ。我が大切な娘についてですので「冗談が過ぎるのではなくて?」

そして同様にフィフィもNOと言える女である。父親の言葉を遮るともえの前に立った。

「大切な娘?笑わせないで頂戴。私が気づいてないとお思いなのかしら。…お父様?」

腕を組み、自分の父親を鼻で笑ってあしらったフィフィをみて、もえは…泣いていた。

「それでは失礼いたしま…ってなんで泣いてるのよ!ちょ、ほら!さっしと行くわよ!」

「だ、だってぇ、フィフィがずっごぐがっごよぐで…!」

二人はもうどっちが子供だかわからないような様子で自室へと引き上げていった。




フィフィの部屋ではもえが質問責めにしていた。

「フィフィは何歳なの?いつ学園に入学するの?さっきの人達は誰?好き?嫌い?」

「あと一月で9歳よ。3ヶ月後には入学式があるわ。さっきのは血縁の者よ。キルライト父様、ヒーリア母様、義弟のガルレオよ。好きでも嫌いでもないわ。血が繋がってるだけの他人ですもの。」

「婚約者とかはいるの?好きな人とか!」

「いないわよ。でも入学前には出来るでしょうね。そろそろ話がくるんじゃないかしら?」

「フィフィはそれでいいの?」

「えぇ、勿論よ!だってお金に困らない暮らしが約束されるもの。」

「それが…第一皇子だとしても?」

「…望むところよ。こき使ってやるわ。」

とても8歳とは思えない返事にもえは目を輝かせ、抱きついた。

「フィフィ、カッコイイ!どこまでもついて行くからね!」

「…も、勿論よ!貴女は私の契約竜ですもの!」

そのまま照れた様子のフィフィリアを愛でながら眠りについた。





真っ暗な世界の中で、もえは大きな光る竜の前にいた。

「ふあっひょほほほ…かぁいいいぃ…!」

竜は奇声をあげるもえを微妙な目で見つめた後、コホンと咳払いをした。

「い、いいですか、貴女。貴女は迷いしもの…この世界の運命を変えることのできる唯一の存在なのです…!今夜はドラゴンという誇り高き存在について説明いたしましょう…!」

「うわ、めんどくs「はい?」タノシミダナ」

一晩かけてドラゴンについて語られたもえはげっそりとしていた。

まとめると…ドラゴンとはとっても強くて凄い存在である。風魔法+αの魔法が使える。もえは+α+α+αくらい使えるらしい。転生チートバンザイ!
ドラゴンの多くは気の合う人間と契約を結んで守り続ける。なおその契約は人間が死んだら自動的に解除される模様。
しかし、しかしだ。平民と契約をしても働いてばかりで楽しくないし、食料等の問題もあるので貴族を選ぶことがほとんどならしい。
ドラゴンの中でも異端の存在であるもえは魔力は無限のようなものだし、純粋な身体能力でもそうそう負けないそうで。もう一度言おう。転生チートバンザイ!

こんなに簡単な内容を、たっぷり7時間程語られたのである。
もえが疲労感と共に目を覚ますとまだ朝早いようで太陽が昇りきっていない。

スヤスヤと眠りこけているフィフィをひと撫ですると、もえは魔法を行使した。
使える魔法は闇>風>炎=氷という感じだ。
今回使うのは闇魔法。
もえが指先に魔力を込めるとスルスルと黒いモノが飛び出てくる。
バサバサと羽ばたくソレラは一目散にフィフィの影に潜り込んだ。
それを見届けて満足気に頷いたもえは部屋を抜け出した。






「おはよーございまーす!」

もえは元気よく挨拶をした相手はフィフィパパである。
気だるげに起き上がる姿はやたらと色っぽく、とてもじゃないが二児の父とは思えない。

「な…んだ、お、お前はっ!」

ぎょっとしたように飛び起きたフィフィパパにもえは悪~い笑顔で囁いた。

「お話…しましょ?」









朝ご飯の前には話を終わらせることができ、フィフィパパはほっと息をついた。

話し合いという名の脅迫で決まったことは三つ。
・フィフィの護衛と侍女はもえに任せること
・フィフィに契約竜が出来たことを国中に知らせること。
・フィフィに婚約を押し付けないこと

この話し合いという名の脅迫でフィフィパパが聞き出せたことがこちら
・もえはとっても強い
・もえはフィフィが大好き

はぁぁぁぁと長いため息をついてうなだれるフィフィパパをフィフィママとフィフィ義弟は不思議そうに見つめた。

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