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ハジマリの章
物語のハジマリ
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「…本日は、私のお誕生日パーティーにお越しくださり、ありがとうございます。あと2ヶ月程で私も学園へ入学することとなります。本日は楽しんでいって下さいませ。」
フィフィが優雅にお辞儀をするとパチパチとまばらな拍手が起きる。
良く言えば斬新、悪く言えば異端なドレス姿のフィフィにどう反応するべきか悩んでいるようだ。
一歩下がったフィフィに変わり、黒に金の刺繍が施されたパンツスーツのようなものを着たもえが前に出た。実は服屋のお姉さんにお願いしてこっそり作ってもらったのである。
「はじめまして!フィフィの契約竜になりましたヒイラギです!出会うのは皆さんより遅かったですが誰よりも深い愛情を注いでいます!よろしくお願いしますね!」
ハキハキとしたもえの自己紹介にある人は驚き、ある人は睨め付けた。
ちなみにフィフィは赤くなって俯いた。そしてそれを見たもえが内心悶えていた。
フィフィパパが「乾杯」と言ったところでいよいよパーティーが始まった。
国の重要人物への挨拶を済ませ、疲れた様子のフィフィを休めるため壁際によるとそこに誰かが突っ込んできた。デジャヴである。
「あぁぁぁっ!こんなとこにいましたのね!…っとごめんあそばせ?つい熱くなってしまいましたわ…。」
そう、レモシエルであった。
頰を赤らめながら充血した目でフィフィ(の服)を見つめるのはやめてほしい。
そんなことを思いつつ二人は一応挨拶をした。
彼女は服ヲタであるということ以外は普通の令嬢のようでフィフィも楽しそうに話している。
もえはそれをニコニコと見つめていたが音楽が流れ始めるとフィフィの前にそっとひざまづいた。
「フィフィリアお嬢様、私と踊っていただけますか?」
ギリリリと音がしそうな様子で下を向いたフィフィはやはり少し赤くなり、ため息をもらした。
「…………………はい。」
その返事を聞いた瞬間もえは立ち上がりフィフィの手を取って走り出した。
驚いて声も出ない様子のフィフィを連れて中央に躍り出る。
当然もえにダンスの心得などないため優雅とは程遠いそれは、パーティー会場では明らかに浮いていた。しかしクルクルと回され、振り回されているフィフィは誰よりも楽しそうに笑っていた。
もえは思う。
この無邪気な笑顔を守るために自分は転生したのだと。
そして、やっぱりフィフィたんは最高だ!と。
ちなみに余談ですが、ファーストダンスというのは大抵婚約者、または肉親と踊るものです。
えぇ、余談ですが。
一曲分を踊り終えたもえはフィフィにこっ酷く叱られた。
「ダンスの心得がないのに踊るだなんて非常識ですわっ!あんなのはダンスとは言いません!」
とてもではないが8歳児…いや、9歳児とは思えない言葉で叱られすっかり萎んだ様子のもえをチラリと見る。
「……次はしっかり踊れるようになってから声をかけて下さいませ。」
次、という言葉を聞いてもえは目を輝かせた。
「うんっ!私明日からダンスの練習をするからそしたらまた踊ろうねっ!」
フィフィの手を握りブンブンと振っていると一人の少女が突っ込んできた。…デジャヴである。
「お二人とも酷いですわ、置いてくなんて!」
むむっと口を尖らせたレモシエルにフィフィは勝ち誇ったように笑った。
「ふふっごめんなさいね?その…お、お詫びに!そう!お詫びに私の…お、お友達に、してあげてもよろしくてよ…?」
忘れることなかれ。フィフィは立派なコミュ障でありツンデレなのだ。
ほわほわと笑うことが出来ない強気残念令嬢なのである。
超!上から目線のフィフィの言葉にキョトンと目を丸くしたレモシエルはニコリと微笑み、
「はい!是非!」
と笑って見せた。
フィフィも鷹揚に頷いて見せたがその口元は緩んでおり、三人はお開きまで和やかに話し続けた。
…原作ではフィフィが王子と婚約する日であった。
フィフィが優雅にお辞儀をするとパチパチとまばらな拍手が起きる。
良く言えば斬新、悪く言えば異端なドレス姿のフィフィにどう反応するべきか悩んでいるようだ。
一歩下がったフィフィに変わり、黒に金の刺繍が施されたパンツスーツのようなものを着たもえが前に出た。実は服屋のお姉さんにお願いしてこっそり作ってもらったのである。
「はじめまして!フィフィの契約竜になりましたヒイラギです!出会うのは皆さんより遅かったですが誰よりも深い愛情を注いでいます!よろしくお願いしますね!」
ハキハキとしたもえの自己紹介にある人は驚き、ある人は睨め付けた。
ちなみにフィフィは赤くなって俯いた。そしてそれを見たもえが内心悶えていた。
フィフィパパが「乾杯」と言ったところでいよいよパーティーが始まった。
国の重要人物への挨拶を済ませ、疲れた様子のフィフィを休めるため壁際によるとそこに誰かが突っ込んできた。デジャヴである。
「あぁぁぁっ!こんなとこにいましたのね!…っとごめんあそばせ?つい熱くなってしまいましたわ…。」
そう、レモシエルであった。
頰を赤らめながら充血した目でフィフィ(の服)を見つめるのはやめてほしい。
そんなことを思いつつ二人は一応挨拶をした。
彼女は服ヲタであるということ以外は普通の令嬢のようでフィフィも楽しそうに話している。
もえはそれをニコニコと見つめていたが音楽が流れ始めるとフィフィの前にそっとひざまづいた。
「フィフィリアお嬢様、私と踊っていただけますか?」
ギリリリと音がしそうな様子で下を向いたフィフィはやはり少し赤くなり、ため息をもらした。
「…………………はい。」
その返事を聞いた瞬間もえは立ち上がりフィフィの手を取って走り出した。
驚いて声も出ない様子のフィフィを連れて中央に躍り出る。
当然もえにダンスの心得などないため優雅とは程遠いそれは、パーティー会場では明らかに浮いていた。しかしクルクルと回され、振り回されているフィフィは誰よりも楽しそうに笑っていた。
もえは思う。
この無邪気な笑顔を守るために自分は転生したのだと。
そして、やっぱりフィフィたんは最高だ!と。
ちなみに余談ですが、ファーストダンスというのは大抵婚約者、または肉親と踊るものです。
えぇ、余談ですが。
一曲分を踊り終えたもえはフィフィにこっ酷く叱られた。
「ダンスの心得がないのに踊るだなんて非常識ですわっ!あんなのはダンスとは言いません!」
とてもではないが8歳児…いや、9歳児とは思えない言葉で叱られすっかり萎んだ様子のもえをチラリと見る。
「……次はしっかり踊れるようになってから声をかけて下さいませ。」
次、という言葉を聞いてもえは目を輝かせた。
「うんっ!私明日からダンスの練習をするからそしたらまた踊ろうねっ!」
フィフィの手を握りブンブンと振っていると一人の少女が突っ込んできた。…デジャヴである。
「お二人とも酷いですわ、置いてくなんて!」
むむっと口を尖らせたレモシエルにフィフィは勝ち誇ったように笑った。
「ふふっごめんなさいね?その…お、お詫びに!そう!お詫びに私の…お、お友達に、してあげてもよろしくてよ…?」
忘れることなかれ。フィフィは立派なコミュ障でありツンデレなのだ。
ほわほわと笑うことが出来ない強気残念令嬢なのである。
超!上から目線のフィフィの言葉にキョトンと目を丸くしたレモシエルはニコリと微笑み、
「はい!是非!」
と笑って見せた。
フィフィも鷹揚に頷いて見せたがその口元は緩んでおり、三人はお開きまで和やかに話し続けた。
…原作ではフィフィが王子と婚約する日であった。
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