888マイルの奇跡

かふぇもか

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堀宮悠

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「……さい、起きなさいよ海人、もう昼食の時間よ?」
「だめだ、こいつ爆睡してるよ」
 安らかに眠っていたのに、さっきの2人に妨害された。

 起き上がると目の前に男と女が立っていた。
 水なんとかってやつと、今朝の暴力女だった。

「なんだ、ちゃんと起きてんじゃん海人」
「いま、てめぇらに起こされたんだろうが……」
「いいからいいから、俺と悠とカイの3人で、購買行こうぜ?」
 この暴力ツンデレ女は、悠という名前らしい。

「俺はいいよ、まだ寝てるから2人で行って来いよ」
 そう言い、また突っ伏した。

「え、秋人と2人?!」
 悠という女は、わかりやすく動揺した。
 なんだ、こいつ秋人が好きなのか。

 さっきの代弁の例もかねて、ぜひ2人だけで購買に行ってもらおう。
 本当は正直めんどくさいだけだけど。
 俺は、また顔を上げて2人を見た。

「悠と秋人、2人で行ってきていいよ。お腹も空いてないし、それに眠いし」
「カイがそこまで言うなら……。 てか、今まで俺のことはアキって呼んでたんだからちゃんとそう呼んでくれよー」
「わーかった、わかった、アキ早く行ってくれ」

 秋人は、悠と教室を出て行った。
 教室を出るとき、チラッと悠の顔を見たが、頬が赤く染まっていた。

 2人が行ったのを見計らって、ドアの名簿の場所まで歩いていき、悠の本名を確かめた。 


 堀宮悠ほりみやゆう、それが彼女の名前だった。


「とりあえず、17時まで何もやらずに過ごして、元に戻る気配が無かったら、ゲーム攻略の線で動いてみるか……」

 そう呟き、もう一度机に突っ伏して、たっぷり6限目の終わりまで教室で寝た。
 時刻は15時40分。
 教室は清掃時間となった。
 さすがに寝続けるのは掃除の邪魔だと思い、席を立って、学校の探検をすることにした。


 まず1階。
 入口から入って、すぐのところにはもちろん玄関、下駄箱がある。
 その玄関を抜けると、左側には2階に上がる階段、目の前は大きな広場となっていて、生徒の憩いの場となっている。
 見た感じ、今の時間は営業してないが、購買もあった。
 玄関から見て右側は、保健室や、会議室があった。
 これは普段使わないだろうから、無視しても良い。

 2階に上がると、職員室・コンピュータールーム・3年の教室があった。
少し離れた場所には、体育館が2つあった。

 3階は2年の教室と数個の空き教室しかなく、4階も、1年の教室と空き教室しかなかった。


 掃除の時間をたっぷり使って、学校探検をしたため、時刻はすでに、16時10分となっていた。
 足早に教室に戻ると、もう生徒の大半は席に着いたので、俺も急いで席に着いた。

 冷静になると、ここは現実世界ではないのだから、そこまできっちりする必要もないと思ったが、集団と乱れる行動を取るのは気持ち悪いため、無意識のうちに、そう動いていた。

 しかし、ホームルームでの先生の話は一切聞かずに、すぐに突っ伏した。

 どうか、起きた時には現実の世界に戻っていてください、と心の中で思いながら、睡魔に身を任せた。


 次に目を覚ました時は、すでに17時20分だった。



 目の前は、夕日が差し込む教室で、現実世界に戻っていたら良かった、という俺の淡い期待はすぐに打ち砕かれた。
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