【生に神の唄】 ~護る強さと弱さ~

やっさん@ゆっくり小説系Vtuber

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【ミドローグ】

ハニ×カミ の ×

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 ”御神木”とは、人間の発想でつけられた名前。神がこの木に憑依していると、人間は考えている。

 神の子はただ、この町にいる。この緑地にいる。この木にいる。
 神が作った、かつては森だった場所に…
 そして、今や森とは呼べないほど小さくなってしまったが、神の作った地を護っている。

 神は、あらゆる“命”を作り、”魂”を込める。

 生きるものは、生きるものをかてとする。糧にして、糧にされて。
 そのサイクルで、森が動物を育み、動物が森を育む。

 神の作ったせいかつがみなぎる。それが、神の子の力になる。生が弱ると、神の子は自分の力を生に分け与える。

 森から神の子へ、神の子から森へ。その活力の流れによって森のバランスを保ち、森の生は繁栄を続けた。

 そんな中、神は最高傑作を創り出した。
 想像と創造が出来る『ヒト』を。
 
 ヒトは森から学び、天から学ぶ。
 そう、神から学び、新しいものを創り出す。

 ヒトは、糧を得る為に、あらゆるものを作り、あらゆる物を利用した。

 畑や、牧場を作り自ら糧を育てる。動物を育て、手名付けて狩りをさせる。
 ヒトの作ったものにも、神の子は力を送った。ヒトの、作物や家畜が良く育つように。

 ヒトは、神への感謝を示すようになった。
 神を奉るやしろ、神へ捧げる祭、神を想う唄を歌って。

 神がヒトへ、ヒトが神へ。
 そんな関係は、長い年月をかけて、少しづつ壊れていった。

 ヒトは、豊かな糧で安定すると欲が出る。採りすぎた糧を貯めて、富にする。富で新たな糧を買い、富で更なる富を買う。

 糧を得る為に作った畑すら、富の為に潰して、コンクリートの建物を造る。それは、もう活も力も生まない。

 ヒトはいつしか神からの力を求めず、富を求めて神を忘れていった。

 神の子は、生を護れず活を得られなくられば、力を失い弱りて消える。自分自身が存在していたという事実すら、生の記憶から消える。

 それが神の子の さだめ。
 
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