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第一章 リザレス王国
Prologue
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ドンッ!!
思い切り押された衝撃で身体が後ろに倒れていく。
さっきまで一緒に走って力強く握りしめてくれていた手が、今は私を突き放していた。
(どう、して?)
「お兄さまぁぁぁぁぁ!!!」
必死でレティシアは腕を伸ばすが、重力に従って身体は滝へと落ちて行く、最後に見えた兄の顔は微笑んでいた……。
一※九六年‥‥
1000年以上続いた、精霊と人が共存する古くからの国。リザレス王国は滅亡した。
人が死に、自然が壊され、精霊も消えていく惨状は、誰にも止めることが出来なかった。
王族は民を護ろうと、民は王族を護ろうと闘ったが軍事力も人数も倍の強さを誇る大国、ヴィエトルリア帝国には敵わなかった。
後に、この戦争はリザレス 滅亡戦争と名付けられ、歴史に世界三大戦争の一つとして名を残す事になる。
一※一二年‥‥
精巧に作られた瑠璃色の絨毯が広がる廊下で三人の人物が扉が開くのを待っていた。
髭を生やし、身体つきのがっしりしたブロンドの髪の男は、扉の前で落ち着きなくソワソワしている。
普段の威厳がある、頼もしい背中は今は見られず、清潭な顔も眉間に皺が寄っていて崩れてしまっていた。
その様子を見兼ねて、少女が溜め息をつきながら声を掛ける。
「父様、落ち着いて。母様なら大丈夫よ、お医者様も問題無く産まれてくるだろうっておっしゃっていたじゃない」
ブロンドの髪を肩下まで伸ばした可愛らしい少女が六歳とは思えないしっかりとした物言いで諭した。
その様子を近くで見ていた、少女に良く似た髪色の少年も苦笑しながら呟いた。
「父上のこんな情けない姿は、とても国民には見せられないなぁ」
ここ、リザレス王国では新しい命が誕生しようとしていた。
部屋の中では、一人の女性が額に脂汗を流しながら周りの人達に声を掛けられている。
それから、三十分後、産声を上げて産まれた赤子は五時間かけてようやく母親と対面した。
閉じられていた扉が開き、侍女が廊下にいる三人に声を掛ける。
「おめでとうございます! 元気な可愛らしい女の子ですよ!」
その言葉を聞くなり、それぞれ部屋の中に入り、赤子の側に駆けつける。
ベッドの上では、疲れた様子のしかしそれ以上の笑顔を浮かべながら母親が赤子を抱いていた。
「うわぁ、産まれたばかりの赤ちゃんはこんなに小さいのね」
「髪の毛はプラチナで母上と一緒だ」
母親に抱かれる様子を見て喋り出す子ども達を見ながら、夫は妻にお疲れ様と声を掛ける。
「ねぇ、この子の名前はどうするの?」
目線を上に上げ父と母の様子を見ながら、少女は呟く。
その言葉を聞くなり、実はもう決めているのだと顔を綻ばせながら母親の手から自分の腕の中に移し、産まれたばかりの娘の顔を覗き込む。
「レティシア。この娘の名前はレティシアだ」
こうして、家族に見守られながらリザレス王国第二王女レティシア・テオ・リザレスは生を受けたのである。
思い切り押された衝撃で身体が後ろに倒れていく。
さっきまで一緒に走って力強く握りしめてくれていた手が、今は私を突き放していた。
(どう、して?)
「お兄さまぁぁぁぁぁ!!!」
必死でレティシアは腕を伸ばすが、重力に従って身体は滝へと落ちて行く、最後に見えた兄の顔は微笑んでいた……。
一※九六年‥‥
1000年以上続いた、精霊と人が共存する古くからの国。リザレス王国は滅亡した。
人が死に、自然が壊され、精霊も消えていく惨状は、誰にも止めることが出来なかった。
王族は民を護ろうと、民は王族を護ろうと闘ったが軍事力も人数も倍の強さを誇る大国、ヴィエトルリア帝国には敵わなかった。
後に、この戦争はリザレス 滅亡戦争と名付けられ、歴史に世界三大戦争の一つとして名を残す事になる。
一※一二年‥‥
精巧に作られた瑠璃色の絨毯が広がる廊下で三人の人物が扉が開くのを待っていた。
髭を生やし、身体つきのがっしりしたブロンドの髪の男は、扉の前で落ち着きなくソワソワしている。
普段の威厳がある、頼もしい背中は今は見られず、清潭な顔も眉間に皺が寄っていて崩れてしまっていた。
その様子を見兼ねて、少女が溜め息をつきながら声を掛ける。
「父様、落ち着いて。母様なら大丈夫よ、お医者様も問題無く産まれてくるだろうっておっしゃっていたじゃない」
ブロンドの髪を肩下まで伸ばした可愛らしい少女が六歳とは思えないしっかりとした物言いで諭した。
その様子を近くで見ていた、少女に良く似た髪色の少年も苦笑しながら呟いた。
「父上のこんな情けない姿は、とても国民には見せられないなぁ」
ここ、リザレス王国では新しい命が誕生しようとしていた。
部屋の中では、一人の女性が額に脂汗を流しながら周りの人達に声を掛けられている。
それから、三十分後、産声を上げて産まれた赤子は五時間かけてようやく母親と対面した。
閉じられていた扉が開き、侍女が廊下にいる三人に声を掛ける。
「おめでとうございます! 元気な可愛らしい女の子ですよ!」
その言葉を聞くなり、それぞれ部屋の中に入り、赤子の側に駆けつける。
ベッドの上では、疲れた様子のしかしそれ以上の笑顔を浮かべながら母親が赤子を抱いていた。
「うわぁ、産まれたばかりの赤ちゃんはこんなに小さいのね」
「髪の毛はプラチナで母上と一緒だ」
母親に抱かれる様子を見て喋り出す子ども達を見ながら、夫は妻にお疲れ様と声を掛ける。
「ねぇ、この子の名前はどうするの?」
目線を上に上げ父と母の様子を見ながら、少女は呟く。
その言葉を聞くなり、実はもう決めているのだと顔を綻ばせながら母親の手から自分の腕の中に移し、産まれたばかりの娘の顔を覗き込む。
「レティシア。この娘の名前はレティシアだ」
こうして、家族に見守られながらリザレス王国第二王女レティシア・テオ・リザレスは生を受けたのである。
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