9 / 16
第二章 全ての始まり
Chapter2-3
しおりを挟む
どぉぉぉん!!! と激しい音が鳴り響いたのはリリアンが図書館で調べ物をしていた時だった。音が鳴った直後に城が揺れたので地震が起きたのではと、最初に思った。
図書館にいる人達が騒めいている様子を見れば、皆んなを安全な場所に連れて行かなければと外に誘導する。(中は危ないかもしれない、場所が開けた何も無い場所)
物が倒れてこないような安全な場所を思い出したリリアンは皆んなに向かって叫んだ。
「練習場に向かいましょう!」
皆んなを練習場に連れて行き、取り残されている者が居ないか確認するため城の中を歩き回る。
(地震は一時的なものかしら、あれから全く揺れないし……外も一応確認しましょう)
リリアンが城のエントランスに向かえば、騒がしい音がしてくる事に気付いた。誰かが怪我をしたのかもしれないと急いで外に飛び出す。
「なっ……!!」
扉を開けた先は戦場だった、魔法や魔術が飛び交うその光景はリリアンが予期していなかった状況だ。あちこちで起きている戦闘を見つつ自分に向かってくる魔術を相殺しながら、リリアンは自国の兵に加担した。
「ドリュー!!」
契約精霊を呼び出して植物の蔦で敵の動きを封じ込めている間に敵を炎で攻撃する。
「火よ燃える矢となりて敵に降りそそげ!!」
幾つかの火が矢となって敵に向かっていく、唱えた魔術が敵に当たったのを確認し、近くにいた兵士にリリアンは話し掛けた。
「これは、どういう状況ですか!?」
「恐らく帝国が攻めてきたのかと思われます!」
話しかけられた兵士が敵を見ながら答える。攻撃してくる相手が着用している服の左胸には、帝国を象徴する虎のエンブレムが掲げられている。
「貴方たち帝国の目的は何ですか!?」
「………………」
リリアンは攻撃する手を止めずに聞くが相手は何も答えない、敵も増え続ける一方だった。
(これじゃキリがない!)
さっきの大きい音と揺れは、地震などでは無く攻撃された音だ、そして既に敵は城まで攻め込んできている。
「なんで、ここに他国の奴らが!」
自国の兵が叫ぶ、その言葉は自分も最初から疑問に思っていた事だった。
何故帝国の者が城に攻め込んでいるのか、そもそもこの国に侵入できている事事態が可笑しいのだ。
リザレス王国には結界が張られている、今日まで他国に侵略されずに長い歴史を守ることができたのは、そのお陰でもあった。
精霊師以外の、リザレス王国の国民以外この国に入る事はできないのだ。他の国の者がこの国に入る時はリザレス王の許可がないと入る事ができない。
(お父様が国を裏切ることは絶対に無い!となると結界が破られた!?)
あらゆる事を考え想像するが、既に起こっている事を後から考えても仕方が無い。
練習場にいる者達も、街の皆んなも心配だ、それに
(お父様、お母様、レオン、ティア!)
家族の安否が気になる。
「私は、城内の者達の避難を呼び掛けます! ここは任せました!」
周りにいる者達に指示を出してリリアンは再び城内へと駆ける。
(自分はこの国の王女!)
「何よりも護らなければならないのはこの国の人々!」
少しでも被害を出さない為に、リリアンは城の中に消えて行った。
*
レティシアが姉の部屋の前に辿り着き、扉を開けようと震える手を伸ばす。ガチャっと扉を開けた先には誰も居なかった。ホッとした感情と焦りとごちゃ混ぜになった色んなものが自分を急き立てる。
(ここに、姉様はいない!!)
扉を開けっぱなしにして、レティシアは兄の部屋へと向かった。
ガシャン! ドゴッ!
兄の部屋の扉の前に着いた時、中から激しい音がしているのをレティシアの耳が捉えた。
「!!」
確実に中に誰かがいる、それが誰なのか分からなかったが、レティシアは扉を勢いよく開けた。
バァン!!!
「お兄様っ!」
部屋の中に飛び込めば兄が2人の敵と対峙している。
「ティア!!!?」
突然部屋の中に入ってきた妹の姿にレオネルトは驚いた。
(ティアは良かった無事だ!ただ今のこの状況は宜しくない!!)
妹の存在を確認できた為に安堵したのは一瞬で、直ぐに敵と向かい合う。ティアは戦う術が無い、2人を相手にして妹を守りながら戦うのは避けたかった。
「ティア!! 部屋から出てるんだ!」
この部屋の状況を見たレティシアは、黙ってこくんと頷くと直ぐに部屋から出て行った。
妹の姿が消えたことに一旦ホッとして、再び自分は敵と対峙する。
1人の男がレオネルトに向かって攻撃をしかけ、もう1人の男は妹が出て行った扉に向かう。
「っ! エリアス頼む!! 地よ壁となり彼の者を阻め!」
自分に向かってくる攻撃を精霊の魔術で相殺し、妹に向かおうとしていた敵の前に壁を作る。
「行かせるわけないだろう、お前達が何か吐けばと思っていたがもう待てないな、倒させてもらう」
「…………」
そう言葉を言い放つが敵はやはり何も言わない、そして魔術を使おうとした時だった。
「……!?」
レオネルトは信じられないモノをその目で見る。
何も言わない敵の横には、白と黄色の交じった虎が存在を放っていた。
図書館にいる人達が騒めいている様子を見れば、皆んなを安全な場所に連れて行かなければと外に誘導する。(中は危ないかもしれない、場所が開けた何も無い場所)
物が倒れてこないような安全な場所を思い出したリリアンは皆んなに向かって叫んだ。
「練習場に向かいましょう!」
皆んなを練習場に連れて行き、取り残されている者が居ないか確認するため城の中を歩き回る。
(地震は一時的なものかしら、あれから全く揺れないし……外も一応確認しましょう)
リリアンが城のエントランスに向かえば、騒がしい音がしてくる事に気付いた。誰かが怪我をしたのかもしれないと急いで外に飛び出す。
「なっ……!!」
扉を開けた先は戦場だった、魔法や魔術が飛び交うその光景はリリアンが予期していなかった状況だ。あちこちで起きている戦闘を見つつ自分に向かってくる魔術を相殺しながら、リリアンは自国の兵に加担した。
「ドリュー!!」
契約精霊を呼び出して植物の蔦で敵の動きを封じ込めている間に敵を炎で攻撃する。
「火よ燃える矢となりて敵に降りそそげ!!」
幾つかの火が矢となって敵に向かっていく、唱えた魔術が敵に当たったのを確認し、近くにいた兵士にリリアンは話し掛けた。
「これは、どういう状況ですか!?」
「恐らく帝国が攻めてきたのかと思われます!」
話しかけられた兵士が敵を見ながら答える。攻撃してくる相手が着用している服の左胸には、帝国を象徴する虎のエンブレムが掲げられている。
「貴方たち帝国の目的は何ですか!?」
「………………」
リリアンは攻撃する手を止めずに聞くが相手は何も答えない、敵も増え続ける一方だった。
(これじゃキリがない!)
さっきの大きい音と揺れは、地震などでは無く攻撃された音だ、そして既に敵は城まで攻め込んできている。
「なんで、ここに他国の奴らが!」
自国の兵が叫ぶ、その言葉は自分も最初から疑問に思っていた事だった。
何故帝国の者が城に攻め込んでいるのか、そもそもこの国に侵入できている事事態が可笑しいのだ。
リザレス王国には結界が張られている、今日まで他国に侵略されずに長い歴史を守ることができたのは、そのお陰でもあった。
精霊師以外の、リザレス王国の国民以外この国に入る事はできないのだ。他の国の者がこの国に入る時はリザレス王の許可がないと入る事ができない。
(お父様が国を裏切ることは絶対に無い!となると結界が破られた!?)
あらゆる事を考え想像するが、既に起こっている事を後から考えても仕方が無い。
練習場にいる者達も、街の皆んなも心配だ、それに
(お父様、お母様、レオン、ティア!)
家族の安否が気になる。
「私は、城内の者達の避難を呼び掛けます! ここは任せました!」
周りにいる者達に指示を出してリリアンは再び城内へと駆ける。
(自分はこの国の王女!)
「何よりも護らなければならないのはこの国の人々!」
少しでも被害を出さない為に、リリアンは城の中に消えて行った。
*
レティシアが姉の部屋の前に辿り着き、扉を開けようと震える手を伸ばす。ガチャっと扉を開けた先には誰も居なかった。ホッとした感情と焦りとごちゃ混ぜになった色んなものが自分を急き立てる。
(ここに、姉様はいない!!)
扉を開けっぱなしにして、レティシアは兄の部屋へと向かった。
ガシャン! ドゴッ!
兄の部屋の扉の前に着いた時、中から激しい音がしているのをレティシアの耳が捉えた。
「!!」
確実に中に誰かがいる、それが誰なのか分からなかったが、レティシアは扉を勢いよく開けた。
バァン!!!
「お兄様っ!」
部屋の中に飛び込めば兄が2人の敵と対峙している。
「ティア!!!?」
突然部屋の中に入ってきた妹の姿にレオネルトは驚いた。
(ティアは良かった無事だ!ただ今のこの状況は宜しくない!!)
妹の存在を確認できた為に安堵したのは一瞬で、直ぐに敵と向かい合う。ティアは戦う術が無い、2人を相手にして妹を守りながら戦うのは避けたかった。
「ティア!! 部屋から出てるんだ!」
この部屋の状況を見たレティシアは、黙ってこくんと頷くと直ぐに部屋から出て行った。
妹の姿が消えたことに一旦ホッとして、再び自分は敵と対峙する。
1人の男がレオネルトに向かって攻撃をしかけ、もう1人の男は妹が出て行った扉に向かう。
「っ! エリアス頼む!! 地よ壁となり彼の者を阻め!」
自分に向かってくる攻撃を精霊の魔術で相殺し、妹に向かおうとしていた敵の前に壁を作る。
「行かせるわけないだろう、お前達が何か吐けばと思っていたがもう待てないな、倒させてもらう」
「…………」
そう言葉を言い放つが敵はやはり何も言わない、そして魔術を使おうとした時だった。
「……!?」
レオネルトは信じられないモノをその目で見る。
何も言わない敵の横には、白と黄色の交じった虎が存在を放っていた。
0
あなたにおすすめの小説
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ねえ、今どんな気持ち?
かぜかおる
ファンタジー
アンナという1人の少女によって、私は第三王子の婚約者という地位も聖女の称号も奪われた
彼女はこの世界がゲームの世界と知っていて、裏ルートの攻略のために第三王子とその側近達を落としたみたい。
でも、あなたは真実を知らないみたいね
ふんわり設定、口調迷子は許してください・・・
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
「君は有能すぎて可愛げがない」と婚約破棄されたので、一晩で全ての魔法結界を撤去して隣国へ行きます。あ、維持マニュアルは燃やしました。
しょくぱん
恋愛
「君の完璧主義には反吐が出る」――婚約者の第一王子にそう告げられ、国外追放を命じられた聖女エルゼ。彼女は微笑み、一晩で国中の魔法結界を撤去。さらに「素人でも直せる」と嘘を吐かれた維持マニュアルを全て焼却処分した。守護を失いパニックに陥る母国を背に、彼女は隣国の軍事帝国へ。そこでは、彼女の「可愛くない」技術を渇望する皇帝が待っていた。
ハズレスキル『自動販売機』を授かって婚約破棄されましたが、 実は回復薬も魔力食も出せる最強スキルでした
暖夢 由
ファンタジー
十八歳の成人儀式で授かったのは、誰も聞いたことのない《自動販売機スキル》。
役立たずと嘲られ、婚約者レオンには即座に婚約を破棄され、人生が崩れ落ちたように思えた。
だがそのスキルには、食べ物を作り、摂取すれば魔力を増やし、さらに“治癒効果”を付与できるという隠された力があった。
倒れた母を救い、王都の名門・ヴァルセイン伯爵夫人を救ったことで、カミーラは“呪詛”という闇の存在を知る。伯爵邸で出会った炎の力を持つ公爵家次男レグナスとの出会いが、彼女の運命を大きく変えていく。
やがて王都全体に“謎の病”が蔓延。カミーラは治癒スープの炊き出しを行い、人々を次々と回復へ導く。
一方、病の裏で糸を引いていたのは………。
“無価値”と嘲られたスキルが、いま世界を癒し、未来を照らす光となる――。
アリエッタ幼女、スラムからの華麗なる転身
にゃんすき
ファンタジー
冒頭からいきなり主人公のアリエッタが大きな男に攫われて、前世の記憶を思い出し、逃げる所から物語が始まります。
姉妹で力を合わせて幸せを掴み取るストーリーになる、予定です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる