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第二章 全ての始まり
Chapter2-4
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白と黄色の交じった虎、それは風の精霊だ。自分の契約精霊では無いその精霊が今ここに存在している事があり得ない。
「それはお前の契約精霊か? なんで帝国民が風の精霊を連れている!!?」
精霊は精霊師、つまりリザレス王国の民しかなることが出来ない。これは世界共通の昔から変わらない絶対だ。過去にどこかの国の人が精霊師になろうと研究をしたらしいが、不可能だったと風の噂で聞いた事がある。自分も他国の者が精霊を使役している所など1度も見た事がない。
精霊師が精霊を他人に譲渡する禁断の魔術がたった1つだけあるが、それを精霊師が使うことは絶対に無いと言い切れる。
譲渡した精霊は元の契約者とは2度と契約できないからだ。自分の生きている内に出逢える人生を共にする精霊だ、手放す者などいるはずがない。
「……フィード……」
相手の精霊の風の攻撃がレオネルトの肌を傷つける。自分の契約精霊は水属性だ、風の攻撃を防ぐ事は難しい。
(ならば……)
「地よ塊となり相手を押し潰せ……」
相手と精霊に向けて岩の固まりをぶつける。風の攻撃は効かない筈だ、そして
「エリアスっ! 風の精霊を水に閉じ込めろ!」
風の精霊を自分の精霊に任せる。その間に敵2人を倒すしかないとレオネルトは剣を構えて突っ込んでいく、前と横からと魔術が飛んできても構わずに走り剣を手に取る、幾つかの攻撃は避ける事が出来ず血が流れたが、体勢を低くし頭の上を攻撃が通過した瞬間に胸を一突きする。
「……1人目」
そして直ぐに体勢を立て直し、剣で攻撃すると見せ掛けて隠し持っていた短剣を相手に投げつける。シュッと音がして投げられた短剣はそのまま相手の眉間へと向かい命中し後ろに倒れ、数分もすれば一切動かなくなった。
「っっっ、はぁっっ、はぁっ……」
魔術を使ったのと、身体を全力で動かしたことにより息が切れる。レオネルトが戦ったのは先の2人だけではなかった、1つ1つの部屋を生存者がいないか確認し、途中途中遭遇する敵と攻防してきたのだ。
(中級の魔術を連続して使っているせいか、魔力切れも近いな…)
メチャクチャになった、自分の部屋の酷い有り様を見つつ息を整え、レオネルトは部屋を退出した。
廊下に出ると、待機していたレティシアが走って側に寄ってくる。
「お兄様!! 怪我が!!」
「大丈夫気にしなくていい。取り敢えずここから逃げよう」
泣きそうになる妹の手を取りながら、外に出るため階段へと向かう。もうここの階に長居するわけにはいかなかった、火と煙でもう限界に近い。
いろいろ聞きたいであろうレティシアも、兄の真剣な顔を見て黙って着いていく。お互いが無意識に手に力を込めて握りしめ、城から脱出する為外に向かって走った。
1階へと降りてから兄が向かった先は、エントランスでは無く逆方向で、
「お兄様? 外に向かわないの?」
想像していた方向とは別に向かう兄に疑問を投げかける。
「表は危険だ、反対方向にある食堂から庭に出て、隠してある抜け道を使う」
そこは、レティシアが城を脱走する度に使っている入り口だった。
廊下を駆け抜け食堂に入り、外に通じる扉を開けて庭に入る。幸いな事に裏庭にいる敵は数が少なかった、極力戦いを回避する為に隠れながら目的の塀へと辿り着く。石のブロックで積み上げられている塀はここの場所だけ少し崩れていて、ブロックをずらせば人が通れる小さな穴ができる。
2人して穴から脱出し城の外へ出る、そして確認したい事があったレオネルトは妹を連れて森に入り慎重に進み、その先で衝撃的な光景を目撃する事になる。
少し開けた小高いこの場所は街の様子が遠くから見え、今の時間だったら各家の灯りが点き夜景として綺麗な街の風景が見える筈だった。が、今見えている灯りは家のランプの明かりなどでは無く、街が燃えている火の明かりだった。
「街が……」
レティシアが横で呆然と呟いている。
街が、国が燃えている。
(やはり、やはり襲われたのは城だけではなかった)
想定していた最悪な光景を見たレオネルトは、呆然とする妹の横でズボンのポケットに手を入れて何かを取り出した。右の掌を開けばそこには小さな花が咲いている、その花を見ながらゆっくりと目を閉じた。
(あぁ、今から自分は残酷な事を妹に告げなければならないのかもしれない)
レオネルトは、双子の妹リリアンと自分だけの秘密の決め事がある。あれはいつの事だったかと、やり取りした日を思い返す。
「レオン、この種を常に持っていて」
「これは?」
「いつか、何か危険な事に巻き込まれた時にレオンに合図を送るわ。私の精霊が状況を伝えれるようにしておく」
「面白いね、僕達だけの秘密か」
「もう! 真面目な話なんだから! あのね、【白色の花が咲いたら、心配無い大丈夫】【黄色の花が咲いたら困ってるから助けて】そして、一生使う事ないと思うけど念の為に【黒色の花が咲いたら……】」
過去に話したリリアンとの約束事を思い返していたレオネルトは、その先の言葉を口に出した。
「黒色の花が咲いたら、こっちは危険逃げろ」
「それはお前の契約精霊か? なんで帝国民が風の精霊を連れている!!?」
精霊は精霊師、つまりリザレス王国の民しかなることが出来ない。これは世界共通の昔から変わらない絶対だ。過去にどこかの国の人が精霊師になろうと研究をしたらしいが、不可能だったと風の噂で聞いた事がある。自分も他国の者が精霊を使役している所など1度も見た事がない。
精霊師が精霊を他人に譲渡する禁断の魔術がたった1つだけあるが、それを精霊師が使うことは絶対に無いと言い切れる。
譲渡した精霊は元の契約者とは2度と契約できないからだ。自分の生きている内に出逢える人生を共にする精霊だ、手放す者などいるはずがない。
「……フィード……」
相手の精霊の風の攻撃がレオネルトの肌を傷つける。自分の契約精霊は水属性だ、風の攻撃を防ぐ事は難しい。
(ならば……)
「地よ塊となり相手を押し潰せ……」
相手と精霊に向けて岩の固まりをぶつける。風の攻撃は効かない筈だ、そして
「エリアスっ! 風の精霊を水に閉じ込めろ!」
風の精霊を自分の精霊に任せる。その間に敵2人を倒すしかないとレオネルトは剣を構えて突っ込んでいく、前と横からと魔術が飛んできても構わずに走り剣を手に取る、幾つかの攻撃は避ける事が出来ず血が流れたが、体勢を低くし頭の上を攻撃が通過した瞬間に胸を一突きする。
「……1人目」
そして直ぐに体勢を立て直し、剣で攻撃すると見せ掛けて隠し持っていた短剣を相手に投げつける。シュッと音がして投げられた短剣はそのまま相手の眉間へと向かい命中し後ろに倒れ、数分もすれば一切動かなくなった。
「っっっ、はぁっっ、はぁっ……」
魔術を使ったのと、身体を全力で動かしたことにより息が切れる。レオネルトが戦ったのは先の2人だけではなかった、1つ1つの部屋を生存者がいないか確認し、途中途中遭遇する敵と攻防してきたのだ。
(中級の魔術を連続して使っているせいか、魔力切れも近いな…)
メチャクチャになった、自分の部屋の酷い有り様を見つつ息を整え、レオネルトは部屋を退出した。
廊下に出ると、待機していたレティシアが走って側に寄ってくる。
「お兄様!! 怪我が!!」
「大丈夫気にしなくていい。取り敢えずここから逃げよう」
泣きそうになる妹の手を取りながら、外に出るため階段へと向かう。もうここの階に長居するわけにはいかなかった、火と煙でもう限界に近い。
いろいろ聞きたいであろうレティシアも、兄の真剣な顔を見て黙って着いていく。お互いが無意識に手に力を込めて握りしめ、城から脱出する為外に向かって走った。
1階へと降りてから兄が向かった先は、エントランスでは無く逆方向で、
「お兄様? 外に向かわないの?」
想像していた方向とは別に向かう兄に疑問を投げかける。
「表は危険だ、反対方向にある食堂から庭に出て、隠してある抜け道を使う」
そこは、レティシアが城を脱走する度に使っている入り口だった。
廊下を駆け抜け食堂に入り、外に通じる扉を開けて庭に入る。幸いな事に裏庭にいる敵は数が少なかった、極力戦いを回避する為に隠れながら目的の塀へと辿り着く。石のブロックで積み上げられている塀はここの場所だけ少し崩れていて、ブロックをずらせば人が通れる小さな穴ができる。
2人して穴から脱出し城の外へ出る、そして確認したい事があったレオネルトは妹を連れて森に入り慎重に進み、その先で衝撃的な光景を目撃する事になる。
少し開けた小高いこの場所は街の様子が遠くから見え、今の時間だったら各家の灯りが点き夜景として綺麗な街の風景が見える筈だった。が、今見えている灯りは家のランプの明かりなどでは無く、街が燃えている火の明かりだった。
「街が……」
レティシアが横で呆然と呟いている。
街が、国が燃えている。
(やはり、やはり襲われたのは城だけではなかった)
想定していた最悪な光景を見たレオネルトは、呆然とする妹の横でズボンのポケットに手を入れて何かを取り出した。右の掌を開けばそこには小さな花が咲いている、その花を見ながらゆっくりと目を閉じた。
(あぁ、今から自分は残酷な事を妹に告げなければならないのかもしれない)
レオネルトは、双子の妹リリアンと自分だけの秘密の決め事がある。あれはいつの事だったかと、やり取りした日を思い返す。
「レオン、この種を常に持っていて」
「これは?」
「いつか、何か危険な事に巻き込まれた時にレオンに合図を送るわ。私の精霊が状況を伝えれるようにしておく」
「面白いね、僕達だけの秘密か」
「もう! 真面目な話なんだから! あのね、【白色の花が咲いたら、心配無い大丈夫】【黄色の花が咲いたら困ってるから助けて】そして、一生使う事ないと思うけど念の為に【黒色の花が咲いたら……】」
過去に話したリリアンとの約束事を思い返していたレオネルトは、その先の言葉を口に出した。
「黒色の花が咲いたら、こっちは危険逃げろ」
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