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第53話 最後の敵
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ドガァァン!!!
「キャー!」
「ぎゃぁぁぁぁ!!!」
「もっと苦しめ人間! これはどうだ?」
「灼熱の海!!!」
ゴゴゴゴゴ
「ぎゃぁぁぁぁ!!!」
「早く逃げろぉぉぉぉ!!!」
海が波を打つかのように、灼熱の海がゆっくりと逃げ戸惑う街の人たちに向かっていく。
「兵士たちでもどうしようもないのかぁぁぁ!!!」
「いやだぁぁぁ!!!」
「生きたいよぉぉぉ!!!」
「ハハハ! いい反応だぁ!」
ゴゴゴゴゴ
着々と灼熱の海が迫ってくる。
街の人たちは死を覚悟しながらも、どうにかしようと足掻いている。
遂に灼熱の海が完全に街を襲おうとした時……
「突風」
ビュウゥゥン!!!
「あ、あれは⁉」
「大丈夫か?」
「もう来たんですか、オズ君」
間一髪のところでオズが突風を使い、みんなの危機は逃れられた。
しかし、街の人は戸惑いを隠すことができなかった。
「なんで裏切り者が……」
「あいつとグルなんじゃあないか?」
街の人はまだオズのことを信じることができないらしく、それぞれが推測を始めていた。
オズはため息を吐きながらも、気にしないようにした。
「障壁」
「な、なんだこれは⁉」
「怪我したくなかったら、この中に居ろ」
「何言ってるんだ裏切り者が!」
「何を企んでいるんだ!」
「我慢だ……」
オズは街一帯に障壁を張り、街の人たちを守ろうとした。
しかし、街の人の罵倒は止む事はなかった。
オズの我慢も少しづつ限界に近づいていた。
「安心してください! オズは皆さんを守ってくれます!」
「どうしてそんなことが分かるんだよ!」
「これで2回目じゃあないか(キラーン)」
「2回……だと?」
オズを非難する街の人たちに、アリアたちが声を張り上げて説得する。
街の人たちは、ダリアの2回という言葉に戸惑っている。
「そぉー。1回は今のでぇー」
「もう1回は、バハムートが現れた時です」
「あれは、あいつのテイム・モンスターだろ! 何言っているんだ!」
街の人たちは未だに理解ができていないようで、5人の言うことを信じていない。
「あれは、偽物だったです! オズは、仲間思いのいい人なんです! 今は信じれなくても仕方がないです。けど、私たちの為に命を懸けているオズを応援してあげてください!」
「……」
必死なアリアの言葉に、街の人たちは返す言葉が見つからず、ただ黙り込んでいる。
ただ、アリアの言葉は街の人たちだけに伝わった訳ではなかったようだ。
「アリアの奴、そんなに必死にならなくてもいいのにな」
オズはアリアの言葉で、先程までのことをすべて忘れたかのようにすっきりしていた。
「せっかくのいいところを邪魔しないでくださいよ、裏切り者君」
「お前だけには言われたくないな、ジーク」
ヒュゥン!
ドガァァン!!!
「グハッ!」
「すいません、やり過ぎちゃいましたね。まだ慣れてないんですよ」
「オズが一瞬でやられた⁉」
2人の姿が消えたと思った次の瞬間には、オズが地面に叩きつけられていた。
このことには、5人も驚きだけでなく、恐怖を覚えた。
「どうして魔族食いをした?」
「元々は、あなたがいけないんですよ」
「どういうことだ?」
「私は100年余り、魔王様を探し続けた。そうして、ようやく転生した姿で見つけたんですよ。でも、その時には人間と馴れ馴れしくしている」
「……」
「あの時の魔王様の面影は力だけだった。人間が全てを変えてしまったんだ!」
「それで、人間に復讐ということか?」
「ええ。魔王様を変えてしまった人間が醜い。だから全てを消し去るのです!」
ジークは、魔王を変えた人間への復讐としてこのようなことをしている。
そうして、その為には絶対的な力が必要であり、偶然ゼシルが魔族食いをしているところを見つけ、魔族食いを始めたのだ。
「……クッ」
ビュン!
オズは、力強く地面を蹴り、ジークに立ち向かう。
「おりゃぁぁぁ!!!」
バンッ!
「今のあなたでは、私には勝てません」
ドガァァン!!!
「グハッ!」
「人間と馴れ合っているからこんなにも弱くなってしまうのですよ。あなたには感謝と尊敬の気持ちがあったのですが、残念です。死んでください」
ジークは微笑みながら、オズに向かって強力な魔法攻撃をした。
ビュウゥゥン!!!
その魔法は、勢いよくオズの元へと向かっていく。
「オズ、避けて!」
アリアが必死に声を出す。
そんな声も関係なく、魔法はオズに一直線向かって行く。
ドガァァン!!!
「オズー!!!!」
ジークが放った魔法は、オズに直撃した。
障壁が少しづつ消えていく。
このことは、オズの魔法の効果が消えてしまった証拠となっている。
その場にいる全員が下を向こうとした時、1つの影が見えた。
「避けたら街が危ないだろ?」
「……」
「オズ……なの?」
「どっちなんだろうな。分からねぇ」
「そ、その姿は……」
先ほどまでオズが居たはずの場所にオズはおらず、代わりに1体の魔族の王が立っていた。
その場にいる全員の思考が停止する。
「魔王……様……?」
「キャー!」
「ぎゃぁぁぁぁ!!!」
「もっと苦しめ人間! これはどうだ?」
「灼熱の海!!!」
ゴゴゴゴゴ
「ぎゃぁぁぁぁ!!!」
「早く逃げろぉぉぉぉ!!!」
海が波を打つかのように、灼熱の海がゆっくりと逃げ戸惑う街の人たちに向かっていく。
「兵士たちでもどうしようもないのかぁぁぁ!!!」
「いやだぁぁぁ!!!」
「生きたいよぉぉぉ!!!」
「ハハハ! いい反応だぁ!」
ゴゴゴゴゴ
着々と灼熱の海が迫ってくる。
街の人たちは死を覚悟しながらも、どうにかしようと足掻いている。
遂に灼熱の海が完全に街を襲おうとした時……
「突風」
ビュウゥゥン!!!
「あ、あれは⁉」
「大丈夫か?」
「もう来たんですか、オズ君」
間一髪のところでオズが突風を使い、みんなの危機は逃れられた。
しかし、街の人は戸惑いを隠すことができなかった。
「なんで裏切り者が……」
「あいつとグルなんじゃあないか?」
街の人はまだオズのことを信じることができないらしく、それぞれが推測を始めていた。
オズはため息を吐きながらも、気にしないようにした。
「障壁」
「な、なんだこれは⁉」
「怪我したくなかったら、この中に居ろ」
「何言ってるんだ裏切り者が!」
「何を企んでいるんだ!」
「我慢だ……」
オズは街一帯に障壁を張り、街の人たちを守ろうとした。
しかし、街の人の罵倒は止む事はなかった。
オズの我慢も少しづつ限界に近づいていた。
「安心してください! オズは皆さんを守ってくれます!」
「どうしてそんなことが分かるんだよ!」
「これで2回目じゃあないか(キラーン)」
「2回……だと?」
オズを非難する街の人たちに、アリアたちが声を張り上げて説得する。
街の人たちは、ダリアの2回という言葉に戸惑っている。
「そぉー。1回は今のでぇー」
「もう1回は、バハムートが現れた時です」
「あれは、あいつのテイム・モンスターだろ! 何言っているんだ!」
街の人たちは未だに理解ができていないようで、5人の言うことを信じていない。
「あれは、偽物だったです! オズは、仲間思いのいい人なんです! 今は信じれなくても仕方がないです。けど、私たちの為に命を懸けているオズを応援してあげてください!」
「……」
必死なアリアの言葉に、街の人たちは返す言葉が見つからず、ただ黙り込んでいる。
ただ、アリアの言葉は街の人たちだけに伝わった訳ではなかったようだ。
「アリアの奴、そんなに必死にならなくてもいいのにな」
オズはアリアの言葉で、先程までのことをすべて忘れたかのようにすっきりしていた。
「せっかくのいいところを邪魔しないでくださいよ、裏切り者君」
「お前だけには言われたくないな、ジーク」
ヒュゥン!
ドガァァン!!!
「グハッ!」
「すいません、やり過ぎちゃいましたね。まだ慣れてないんですよ」
「オズが一瞬でやられた⁉」
2人の姿が消えたと思った次の瞬間には、オズが地面に叩きつけられていた。
このことには、5人も驚きだけでなく、恐怖を覚えた。
「どうして魔族食いをした?」
「元々は、あなたがいけないんですよ」
「どういうことだ?」
「私は100年余り、魔王様を探し続けた。そうして、ようやく転生した姿で見つけたんですよ。でも、その時には人間と馴れ馴れしくしている」
「……」
「あの時の魔王様の面影は力だけだった。人間が全てを変えてしまったんだ!」
「それで、人間に復讐ということか?」
「ええ。魔王様を変えてしまった人間が醜い。だから全てを消し去るのです!」
ジークは、魔王を変えた人間への復讐としてこのようなことをしている。
そうして、その為には絶対的な力が必要であり、偶然ゼシルが魔族食いをしているところを見つけ、魔族食いを始めたのだ。
「……クッ」
ビュン!
オズは、力強く地面を蹴り、ジークに立ち向かう。
「おりゃぁぁぁ!!!」
バンッ!
「今のあなたでは、私には勝てません」
ドガァァン!!!
「グハッ!」
「人間と馴れ合っているからこんなにも弱くなってしまうのですよ。あなたには感謝と尊敬の気持ちがあったのですが、残念です。死んでください」
ジークは微笑みながら、オズに向かって強力な魔法攻撃をした。
ビュウゥゥン!!!
その魔法は、勢いよくオズの元へと向かっていく。
「オズ、避けて!」
アリアが必死に声を出す。
そんな声も関係なく、魔法はオズに一直線向かって行く。
ドガァァン!!!
「オズー!!!!」
ジークが放った魔法は、オズに直撃した。
障壁が少しづつ消えていく。
このことは、オズの魔法の効果が消えてしまった証拠となっている。
その場にいる全員が下を向こうとした時、1つの影が見えた。
「避けたら街が危ないだろ?」
「……」
「オズ……なの?」
「どっちなんだろうな。分からねぇ」
「そ、その姿は……」
先ほどまでオズが居たはずの場所にオズはおらず、代わりに1体の魔族の王が立っていた。
その場にいる全員の思考が停止する。
「魔王……様……?」
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