叡知の夢

松本羊平

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聚の章

金印紫綬 前編

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麻綾(土星の逆行期間(2019年4月30日(火)から2019年9月18日(水)と冥王星の逆行期間(2019年4月25日(木)から2019年10月3日(木)。)が終了。)

麻綾(あれから15日が経過。 10月14日(月)牡羊座の満月の日の陽の刻。また、束の間の休息期間(8月8日(木)から10月16日(水))終了まで後2日。)

麻綾(それ以降は長期凌犯期間(2019年12月17日(火)から2020年1月12日(日)。2020年1月25日(土)から2020年2月9日(日)。2020年2月24日(月)から2020年3月8日(日))の2ヶ月前に突入する。)

麻綾(次の束の間の休息期間(3月10日(火)から4月1日(水))の後、凌犯期間(2020年6月2日(火)から2020年6月28日(日)))の2ヶ月前に突入する。)

麻綾(因みに、これは物語(ストーリー)の期間で、この年はこれ以降も凌犯期間(7月21日(火)から7月26日(日)の後、束の間の休息期間(7月27日(月)から10月7日(水))の後に、凌犯期間(12月8日(火)から2021年1月3日(日)の2ヶ月前に突入する。)

麻綾(話を戻して、朱雀戦とは打って変わり、天空戦では亜里沙(保守派)、鈴夜派(革新派)、叡知派(中立派)の思惑が上手く噛み合わずに迅速さを欠いて今日に到る。その間に、勇樹は彩夏につけられた傷を回復させてしまう。)

勇樹(あの時は、不覚にも安倍彩夏にしてやられたが、今日こそは中宮府の中で守り囲われている者達を血祭りに上げてやる。)

騰蛇(そう熱り立つな勇樹。中宮府の奪取の目的は四つの区域の拠点にいる宿曜師達を分断した上で、天空ら幻妖族、勾陳ら金剛族、玄武ら怪魚族、による総力戦で畳み掛けることにある。)

勇樹(何にしてもこの時点で、天空がやられていないのは好都合だな。もし、天空がやられていたら、何人かの宿曜師が中宮府の防衛に回っていて、攻略が困難になる所だったが、今なら好き放題暴れられるな。)

騰蛇(そう言うことだ。所で、宿曜師の1人にお前の双子の妹がいたな。彼女の精神に訴え掛けて、此方に来るように手引きすれば、中宮府の攻略も容易い。それまでは、龍蛇族、怪鳥族、アンデットとゴーレムの混成部隊は潜ませておけ。)

麻綾(勇樹は騰蛇の言われるがままに、美樹の精神に此方に来るように訴え掛ける。一方、亜里沙達(元春と美樹)は仁と共に狐狸の砦にて幻妖族を迎え撃ち、これを退ける。)

元春「今宵は満月。此処を凌げば、14日後の10月28日(月)が新月の日。その頃には、凌犯期間(12月8日(火)から2021年1月3日(日)の2ヶ月前に突入しているが、後は鈴夜達(真悟と恕)が上手くやるだろう。」

仁「そうなると、美緒や康史と正中(戌亥・子町)合流したうえで、司龍や美言と共闘して玄武戦だね。それにしても、前回の新月の日に幻惑の樹海に突入しなくて良かったね。例え、夢想園に辿りつけても守り固められているから攻め落とすのは難しいかったね。」

亜里沙「朱雀戦での叡知が見事だった故に、相手も新月の日を警戒しています。此処は敢えて、満月の日に攻勢に転じた頃・・・どうしました美樹?顔色が悪いですよ?」

美樹(お兄ちゃんが・・・呼んでいる・・・。)

麻綾(美樹はそう思うと、狐狸の砦を飛び出す。)

亜里沙「美樹!?何処に行くの!?」

仁「何だが嫌な予感がする。此処は僕に任せて、亜里沙と元春は、美樹を追って!」

元春「分かった。」

麻綾(元春と亜里沙は、勇樹に誘導された美樹の後を追う。一方、鈴夜達(真悟と恕)は、康史と共闘して、反撃の機会を伺うも、虫系の幻妖族の猛攻の前に、攻めあぐねていた。)

真悟「虫ってこんな時期まで活動しているもんなんだな。香天(辰巳・午町)を出発して、1ヶ月と15日。そろそろ、午町のネオンが恋しいぜ。」

鈴夜「剣のプリンセスが出ました。思いがけない事が起こりそう。注意しなさい。これから天空と戦うって時に随分と・・・うっ!?」

麻綾(鈴夜の意識に、彰が語り掛けて来る。)

彰(勇樹が動き出した。それも、龍蛇族や怪鳥族、アンデット・ゴレームの混成部隊を率いて。既に美樹が誘導され、元春と亜里沙が後を追っているけど、事態は最悪な方向に向かっている。)

鈴夜(分かったわ。康史と恕を其方に回すから、貴方はこの事を叡知を始め、各地の宿曜師に伝えて頂戴。)

麻綾(彰との接続は切れると、鈴夜は真悟、康史、恕にこの旨を伝える。)

真悟「て事は、かなり不味いじゃねえか?」

鈴夜「落ち着いて真悟。貴方と私は、このまま天空戦を続行。康史は、美樹を救出次第、此処に戻って防備を固めて頂戴。また救出中の時間稼ぎは頼んだわよ恕。」

康史「でも、勇樹が動いたとなると、天空、勾陳、玄武、白虎もそれに呼応して総力戦に出て来るよ。そうなると、1人で行動している仁と麻綾の所が真っ先に狙われるじゃないかな?」

恕「其方は叡知達(亜樹、鋭気、彩夏、利沙)が如何にかするだろ。俺も、この件が片付けば、麻綾の所に行くし、今は鈴夜に言われた事を遂行しようよ。」

鈴夜「決まりね。でも、注意してね2人共。奴等が総力戦に出ると言うことは向こうについた宿曜師(理英、香里、達哉)も当然出撃してくるはずよ。」

麻綾(真悟と鈴夜は天空戦を続行し、康史と恕は中宮府に急行する。また、彰は叡知を始めとした各地の宿曜師に勇樹が動いたことを伝達。)

麻綾(2人1組で行動していた司龍と美言はそのまま玄武戦を続行。白虎の牽制に赴いていた亜矢達(一樹と桃矢)は、元春と亜里沙の援護に一樹を派遣する。一方、叡知達(亜樹、鋭気、彩夏、利沙)も、彰の知らせを受けていた。)

亜樹「このままじゃあ、中宮府が陥落して、山海(丑寅・卯町)に戻れなくなるわよ。かと言って、麻綾と仁も見捨てられないし・・・。」

叡知「達哉からの話やと、中宮府には元春や亜里沙の他、恕、康史、一樹が向かったみたいやから、亜樹には恕の援護に行ってくれ。鋭気は、麻綾の応援で竹取砦に向かってか。仁の援護には、俺ら(彩夏と利沙)が引き受けるで。」

亜樹「分かったわ。貴方も気を付けてね叡知。」

麻綾(そう言うと、亜樹はその場を後にする。)

鋭気「俺は、途中までは一緒だな。気掛かりなのが、奴等が総力戦を仕掛けて来ると言うことは、そっち側についている宿曜師(理英、香里、達哉)も当然出撃して来るはず。中でも九鬼衆を束ねる香里は、大和の禁忌の1つ銃火器を所持していて厄介だぞ。」

利沙「だったら尚更、仁と共闘して、天空戦を早めに解決しておかないとな。奴等は、朱雀港のBARを根城にしている。あたしと彩夏、それに仁と共に白虎港に回れば、奴等も朱雀港入りを断念するだろ。」

叡知「成る程、既に朱雀港のある区域の鳳閣楼は抑えてるし、香里を青龍港に留めておけば、後は話し合うだけやもんな。」

彩夏「叡知の剣の修復の道筋が見えてきたね。でも、その前に天空を撃破して夢想園の奪還し、尚且つ月詠大社で太陰と対面しないとね。モタモタしていたら、香里が九鬼衆や怪魚族を率いて、側面を衝いて来るよ。」

叡知「良し、それじゃあ、酉町に急行するで。先ずは、仁との交渉で、金印紫綬を譲って貰わんと・・・今日は長い一日になりそうやけど、健闘を祈るで。」

麻綾(そう言うと叡知達(鋭気、彩夏、利沙)は、酉町へと急行する。)
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