叡知の夢

松本羊平

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聚の章

金印紫綬  後編

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麻綾(10月14日(月)の陽の刻から陰の刻の移行段階。叡知達や勇樹が慌しく動き出す。勿論、天空も彼等の動向に注目していた。)

美緒(美樹が・・・如何して?)

天空(勇樹と美樹は一卵性双生児。本来の実力は互角なら、羅刹の剣を所持している勇樹が強く呼び掛ければ、意志は意のままですわ。まあ、そんな事よりも虫系の幻妖族の総力を真悟と鈴夜にぶつけて、仁を餌に私自ら叡知を始末して上げますわ。)

美緒(いや流石に楽観的過ぎない?仁がそのことに感づけば、何かしらの対策を講じるわよ?)

天空(その時は、満月の波動(マナ)による聚宿の特性(空亡)で始末するまでですわ。取り敢えず、これを機に抵抗力の低い老人や子供を天空解脱粉で死んでもらいますわ。。)

麻綾(勇樹はあくまで陽動。天空は、叡知達の動揺を誘うべく、空虚を発動させて、老人や子供を少しずつ確実に始末して行く。一方、勾陳も叡知達と勇樹の動向を察知していた。)

理英「辰巳町に跋扈していた龍蛇族と怪鳥族の気配が消えた?」

吉平&勾陳「勇樹のガキが中宮府を襲撃するんだろうが、俺様達はあえて参加はしねえ。まだ、叡知達が奪回出来ていない箇所に金剛族を配置して妨害しつつ、克宿の特性(冲)で遅延行為をすれば、彼奴らを分断出来るって訳よ。」

香里「亜里沙達(元春と美樹)が狐狸の祠を離れたから、叡知達(彩夏と利沙)と仁で共闘して天空に挑まざるを得なくなったし、そこまでする必要は無いんじゃない?それに今日は満月の日だし。」

吉平&勾陳「叡知は弱体化しているとは言え侮れねえ。現に騰蛇や朱雀もやられてる訳だしな。もし、天空の虫女が満月で舞い上がってるとなると、万一の可能性があるからな。理英は此処に留まり、香里は九鬼衆を率いて白虎港に回ってくれ。」

麻綾(勾陳は、克宿の特性(冲)を発動。また、叡知がまだ奪回出来ていない大和の要所に金剛族を配置して叡知達の連携を妨害するために動き出す。一方、玄武も叡知達と勇樹の動向を察知していた。)

達哉「亜里沙達(元春と美樹)が狐狸の祠を離れて中宮府に行った。時期に、他の宿曜師も中宮府も向かうはず。そうなると、山海(丑寅・卯町)は手薄。今の内に陥落させておこう。」

智恵&玄武「そうしたい所ぢゃが、OGHAM(オガム)海洋公園で抵抗している司龍と美言がその側面を衝いて来る恐れがある。ぢゃがお主の言う事にも一理ある。儂の事宿の特性(破)を発動させて、彼奴らを殲滅しよう。」

達哉「ならば、山海(丑寅・卯町)は俺が行こう。午町にある五輪塔(タットワタワー)には、あの辺一帯を白夜帯にしている甘露の球を奪取すれば、叡知達に打つ手は無くなる。」

智恵&玄武「そう言って、逃げようと言う魂胆ぢゃろ?心配せずとも、亜里沙達(元春と美樹)が狐狸の砦を離れた時点で、儂らに利あり。例え、叡知が天空や勾陳を撃破したとしても、亜里沙は儂らや勇樹を相手にする訳ぢゃ。後はわかるのぅ。」

麻綾(玄武は例え自分が撃破されても、勇樹との激戦を強いられる亜里沙の根負けを狙っていた。一方、白虎も叡知達と勇樹の動向を察知していた。。)

美里(一樹が戦列を離れた?)

白虎(勇樹が美樹を誘導した。一樹だけでなく、元春、亜里沙、恕、亜樹、康史が中宮府に向かっている。)

美里(ならばこれを機に、竹取砦の麻綾を倒しておくか?今なら、亜矢、桃矢に魔獣族をぶつけて足止めすれば、麻綾と一対一で此方に分がある。)

白虎(麻綾も今は1人だが、誰が応援に来る。先ずは、意宿の特性(害)を発動させ、その上で亜矢と桃矢を始末した後、そのまま中宮府の勇樹と合流すれば、叡知達の敗北は決定的なものとなる。)

麻綾(白虎は竹取砦の麻綾をあえて無視して、強行突破に出るようだ。一方、仁は幻妖族の襲撃に備えていたが、待てと暮らせど一向に姿を見せない幻妖族に対して違和感を覚えていた。)

仁(虫系の幻妖族は、僕の方ではなく、真悟と鈴夜の方に向かった?康史からの話だと、これまで亜里沙がいた時は、植物系の幻妖族が幻惑の樹海の要所を抑えていたのに、一部を残して他は真悟と鈴夜の方に回したみたいだし。)

仁(そうか・・・これは、叡知を夢想園にまで誘導して、始末しようって魂胆だな。第三の眼(第6チャクラ(アージュニヤー))に優れた叡知の特性を逆手に取り、尚且つ1分1秒を争う状況なら、実に合理的。此処は何としても、1日遅らせないと行けないね。)

麻綾(仁は天空の策略を看破し、狐狸の祠を離れて伝国堂に向かい、利沙にこの旨を伝える。一方、叡知達(彩夏、鋭気、利沙)と共に酉町を目指す。その際、妖魔との戦闘が発生したが、叡知は自身の固有技術の1つである九星斬で、これを撃破した。)

叡知「亜樹や鋭気のお陰で、九星陣と九星斬は何とか使えそうやけど、八門破と八門脚はまだ厳しいな。」

彩夏「雑魚戦では問題なさそうだね。後は、八門破と八門脚を使用する上で必要な実力の根源を取り戻すだけじゃないか。それまで強敵難敵はあたいらに任せな。」

鋭気「そう言うこと。それじゃあ、俺は麻綾の所に行くぜ。お互いに頑張ろうや。」

叡知「せやな。」

利沙「仁から連絡が来てるな。至急伝国堂に来いだとよ。」

麻綾(叡知達(彩夏と利沙)は鋭気と別れ、伝国堂に向かう。そして、叡知達(彩夏と利沙)は仁と伝国堂で合流!早速、叡知の剣の柄に設置した白銀の剣を見せる。)

仁「うん。良い感じに叡知の波動(マナ)が馴染んでいるね。取り敢えず六壬神課式盤に角宿曜星(すぼし)の紋章を刻んでおくよ。正直、あんまり気乗りはしないけど、今は大和史上類を見ない異変の真っ最中。金印紫綬を素材に、叡知の剣を鍛え直そうか。」

麻綾(こうして、角宿曜星(すぼし)の紋章が六壬神課式盤に刻まれ、叡知の剣の修復に金印紫綬の使用の許可が下りた。)

叡知「ありがとうな仁。早速やけど、美緒を解放して天空を撃破しに行こ。今なら幻惑の樹海の一定の箇所が手薄になってるし。」

仁「それは君を誘う罠だよ。逸る気持ちは分かるけど、今日は満月。此処は一日間を開けた方が良いよ。」

彩夏「あたいも仁の意見に賛成だよ。八門破や八門脚が使えるならまだしも、今の状態で夢想園に突入するのは自殺行為だよ。」

利沙「だが、狐狸の祠を空にしているとなると、向こうから来る可能性もある。まして、今宵は満月。それに、美緒が使役している妖魔を繰り出して来るとなることも考慮すれば、満月の波動(マナ)のピークの丑三つ時(2:00~2:30)に仕掛けてくる筈だ。」

仁「其処で、僕は丑三つ時(2:00~2:30)の直前に赴くから、君達は丑三つ時(2:00~2:30)の30分前に狐狸の祠に赴いて性交渉に励んで貰いたい、天空に憑依された美緒と美緒が使役する妖魔が出て所を僕が攻撃するから、間髪を入れずに攻勢に転じてくれないか?」

利沙「全ては、その30・・・ってなんだこの揺れは!?」

叡知「嗚呼びっくりした・・・今のマグニチュード7ぐらいあるんちゃうん!?津波とかこうへんやろな!?」

彩夏「震源地は何処だろうね?」

仁「中宮府・・・等々始まってしまったみたいだね。震源地から離れた此処でこの規模だと相当な被害が出ているのは容易に想像はつくけど、今は僕達は僕達の成すべき事に専念しよ。」

麻綾(突如として、大和各地で起こった大地震!果たして大和の運命は!?)
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