叡知の夢

松本羊平

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聚の章

傾斜宮と十二支の方位の波動術 後編

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麻綾(天空の撃破は勾陳、玄武、白虎、そして勇樹に伝わる。あまりにも呆気ない天空の撃破の報に勾陳は驚く。)

理英「如何したの?」

吉平&勾陳「天空がやられた・・・決め手は鈴夜だが、叡知が三尸を駆除する呪文と凶夢を吉夢に変える呪文が、美緒から天空を切り離したんだ。何にしても、これじゃあ香里ら九鬼衆が側面を衝く前に対応されちまう。」

理英「彼の精神力は勿論、固有技術である九星八門遁は金剛族の硬い軟らかいにも容易に対処出来るわよ。」

吉平&勾陳「こうなったら、叡知の野郎の進行ルートを絞って俺様自ら相手にしてやる。天空を撃破した後なら、暫くは動けねえだろうし、勇樹のガキが滅茶苦茶にしたお陰で、金剛族を各所に配置して妨害し易くなったしな。」

麻綾(香里ら九鬼衆の奇襲がアテに出来なくなった以上、なるべく叡知を疲れさせた上で戦う他に無かった。一方、玄武も天空が撃破された事を知る。)

達哉「如何やら天空は撃破されたようだな。恐らく叡知は、香里ら九鬼衆に、彩夏と利沙をぶつける。そうなれば、香里も向こう側に復帰。それは、奴等に海路の進行ルートと言う選択肢を与える事になるな。」

智恵&玄武「むぅ・・・海の上で儂等海魚族が負けるとも思えんが、銃火器の制限が解かれたら、金剛族の硬い軟らかいの特性を持ってしても防ぐのは難しいのぅ・・・。」

達哉「奴は康史に会うべく正中(戌亥・子町)を目指すだろうが、子町から丑寅町のルートの選択肢を取らせないように、俺が丑寅町に赴けば、奴は弱体化した身。必ず来た道を引き返して大回りで、金剛廟を目指さざるを得なくなる。」

智恵&玄武「仕方ないのぅ・・・好きにせえ。」

麻綾(こうして達哉は、丑寅町で叡知を妨害する名目で、玄武に憑依された智恵のもとからの離脱した。一方、白虎は御霊神宮を強行突破を試みる中で、天空撃破の知らせを受ける。)

美里(流石は亜矢、桃矢。そう簡単には通してくれないか。)

白虎(天空が撃破された。叡知達(彩夏、利沙、仁、美緒、真悟、鈴夜)が麻綾と鋭気と合流して、こっちに来る。)

麻綾(そう思った白虎は慌てて虎狼宮に引き返そうとする。その様子に、亜矢、桃矢は天空が撃破された事を確信する。)

亜矢「魔獣族の畜生共が引き上げて行く。一樹がいない状況で良く耐え抜いたな桃矢。」

桃矢「鈴夜が天空をやってくれたんだろうな。この機を逃さず、追撃しようぜ。」

麻綾(2人は魔獣族の追撃を開始する。一方、私と鋭気は、白虎に憑依された美里の陰の波動(マナ)の接近を察知すると撤退!問題の中宮府は、康史が亜里沙と美樹を救出して撤退!勇樹は恕に苦戦する中、天空が撃破されたことを知る。)

勇樹(満月の波動(マナ)のピークの丑三つ時(2:00~2:30)が過ぎてしまった・・・。)

騰蛇(天空の魂魄が羅刹の剣に回帰した。この上は此奴だけでも・・・。)

恕「あれ~疲れたの⭐︎」

亜樹「だったら、楽にして上げるわ!」

麻綾(そう言うと同時に、亜樹の真紅の剣が勇樹を貫き瀕死の重傷を負わせると、2人はその場を後にする。)

騰蛇(中宮府は占拠したものの。この様子では、羅刹の剣の陰の波動(マナ)を大和各地に充満させるのには、12月12日(木)の満月の日まで待たなければならない。流石は叡知。こうなれば、勾陳がどれだけ奴等を妨害出来るかに期待する他にあるまい。)

麻綾(叡知達は中宮府の陥落を許すも、時間稼ぎには成功する。また、恕と亜樹は、勇樹の魔手を退けるも中宮府からの撤退に苦戦していた。)

恕「何時もならこんな奴ら・・・。」

???「こっちよ恕、亜樹。」

亜樹「麻綾!それに鋭気も!」

鋭気「お前らはさっさと逃げろ!俺は此奴らを一刀両断したら後を追う。」

麻綾(恕と亜樹は、麻綾の手引きで撤退し、数時間後に鋭気も合流して、命辛々竹取砦に到着する。一方、仁達(彩夏と利沙)は、真悟と鈴夜を伴い、美緒と叡知を伝国堂に運ぶと、激戦での疲れから眠りにつく。また、美緒と叡知は依然精神世界にいた。)

美緒「天空から解放してくれてありがとう叡知。」

叡知「此処でこうして語っていられるのも、仁達(彩夏と利沙)や真悟と鈴夜が如何にかしてくれたみたいやな。でも、精神世界でも人間牧場なんやな。正直、美緒も同じ人間やのにって疑問に思ってるやろ?」

美緒「そうね。でも、勝者が歴史を作り、強者は弱者の犠牲の上で成り立ってる事実を無視する訳にも行かないわ。あっそう言えばその事実から目を背けて雲隠れした月神(シャトラ)の眷属がいたわね。しかも宿曜師と言うね。」

叡知「彰のことか?まあ、その事については問い詰めなあかんけど、今回の戦いは彼奴がおらんかったら、俺らの内何人かは死んでたやろうからかん・・・。」

麻綾(と言い切る前に射精!元の世界に戻ると、軫宿曜星(みつかけぼし)の紋章が六壬神課式盤に刻むと同時に、年干支を取り戻す。10月15日(火)の陽の刻。仁と美緒は、酉町周辺の復旧作業に辺り、真悟と鈴夜は、未申町の道筋を確保のために行動する。)

麻綾(また、竹取砦には恕が留まり、亜樹と鋭気と別れた私は引き続き、白虎に憑依された美里ら魔獣族の牽制に当たる。そして、叡知達(彩夏と利沙)は、亜樹と鋭気と合流して、太陰との対面を果たすべく月詠大社を目指す。)

亜樹「竹取砦には、恕がついてくれるわ。一樹が欠いているけど、亜矢、桃矢と連携すれば、麻綾の負担も軽くなるわ。」

鋭気「勇樹もあの調子じゃあ、暫くは動けないし、太陰との対面後、亜樹と俺で酉町に程近い中宮府の住民の救助をする。麻綾は来るなと言っていたが、康史との交渉は次の新月の日まで14日もあるし、会いに行って来いよ。」

利沙「待て待て鋭気。中宮府や海路のルートを使えない以上、康史のいるOGHAM(オガム)香草園のルートは、幻惑の樹海か純高知しか無いんだ。純高知のルートを確保するためには、叡知の九星八門遁も必要だろ。」

彩夏「それに、勾陳、玄武、白虎は健在だし、九鬼衆の襲撃にも備えないと行けないけど、叡知は如何したいの?」

叡知「とにかく太陰に会いに行こ。その後は、仁達(彩夏、利沙、美緒)と共に九鬼衆の襲撃に備える。」

麻綾(今後の方針を決めた叡知は彩夏を伴い、太陰のいる月詠大社に辿りつく。)

太陰「貴方達を待っていたわ。牛宿曜星(いなみぼし)の宿曜師、金森勇樹の出現によって中宮府が半壊したことは想定外ですが、天空を撃破したことで、最悪の事態は免れたわね。さあ彩夏、私の召喚の系譜を唱えなさい。」

彩夏「太陰金神家在西主幣匿隠蔵吉将!」

太陰「これで、奇門遁甲の勝利の活用術その3の出門遁を併せての固有技術が使用可能よ。でも、叡知。固有技術の負荷は通常の2倍。今の状態では使用回数に限りがある。まして、逆位置に位置する八門遁や八門陣ともなれば尚更。」

太陰「暫くは強敵難敵との戦闘を除いて、運気の流れに起伏がある時のみにして、なるべくは貴方の通常攻撃(見切ると同時に属性攻撃)で対応しなさい。先手を取れる貴方なら、それで行ける筈よ。」

叡知「まあ、それが出来てこその九星八門遁やしな。2倍で返せば痛み分け・・・その負荷を克服しても乱発は危険やしな。貴重な助言、ありがとうな太陰。」

麻綾(こうして叡知は、太陰の恩恵を得て奇門遁甲の勝利の活用術その3(出門遁)が使用可能となり、叡知の固有技術である九星八門遁が可能となる。)
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