叡知の夢

松本羊平

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事の章

十干の性情 前編

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麻綾(叡知が自らの住処で、自身を見つめ直す頃、亜里沙達(元春と美樹)は五輪塔(タットワタワー)、吉平達(理英と香里)は封魔の監獄、鈴夜達(真悟と恕)はSAIVIAN(サビアン)天文科学館の奪還に成功する。勇樹はその様子を苦々しく見ていた。)

勇樹(奴等は、新月の日に、三方向の同時攻撃で、3対1に持ち込んで、大歳神、豹尾神、黄幡神を退けるとは・・・今すぐ俺自ら乗り込みたい所だが、2020年 1月11日(部分日食)の蟹座の満月まで、お預けとはな・・・。)

騰蛇(だが、これで9人の宿曜師を惹きつける事も意味する。一先ず、大歳神、豹尾神、黄幡神には八門の警護に当たらせ、満月の日に攻めさせれば良い。次の満月の日は、玄武に憑依された智恵に代わり、太陰神や大将軍と共に、五帝龍王廟を攻めるぞ。)

麻綾(勇樹は1月11日(部分日食)の蟹座の満月に、自ら妖魔群(龍蛇族、怪鳥族、幻妖族、金剛族)を率いて、美緒達(仁と康史)のいる五帝龍王廟を攻めるつもりだ。一方、玄武に憑依された智恵は妙見寺で休息を取っていた。)

智恵(ほぅ、美言と一樹は青龍港に移動し、そこに司龍も合流したようぢゃのぅ。七星館には鋭気達(亜樹と利沙)。叡知達(達哉と彩夏)の姿は確認出来んが、その近くにおる事は間違い。これは下手に動かん方が身のためぢゃな。)

玄武(1月11日(部分日食)の蟹座の満月には、勇樹が妖魔群(龍蛇族、怪鳥族、幻妖族、金剛族)を率いてやってくる。かくなる上は、儂自ら海の怪魚族を率いて、美言達(司龍と一樹)のいる青龍港を強襲しようぞ。)

麻綾(玄武に憑依された智恵は、海の海魚族と共に、青龍港を襲うつもりだ。そして、1月11日(部分日食)の蟹座の満月の陽の刻。美言達(司龍と一樹)と玄武に憑依された智恵ら海の海魚族が激突!)

司龍「玄武に憑依された智恵に海の怪魚族か・・・うん?智恵の髪と目の色ってあんなだったかな?」

美言「あれは、狂戦士状態よ。本来なら、数時間と持たないけど、玄武の陰の波動(マナ)が供給され続けている限り、無制限・・・。」

一樹「あれって同化一歩手前だよな?こりゃあ、締めて掛からねえとな・・・。」

麻綾(智恵の異変に美言達(司龍と一樹)は驚愕する。一方、太陰神と大将軍のもとに勇樹ら妖魔群(龍蛇族、怪鳥族、幻妖族、金剛族)が参戦!美緒達(仁と康史)のいる五帝龍王廟まで殺到した。)

康史「前回の満月の日以上の数の上に、勇樹もいるね。でも、注意するのは勇樹、太陰神、大将軍。それまで耐え凌げば、近くに、叡知達(達哉と彩夏)や鋭気達(亜樹と利沙)がいるし、何とかなるんじゃない?」

美緒「それもそうだけど・・・鋭気達(亜樹、達哉、彩夏、利沙)はともかく、叡知が弱体化しているのが気掛かりね。前回は、方陣(スプレッド)で補っていたけど、3人ではそうは行かないし・・・。」

仁「既に叡知は、以前の実力を遥かに越えているよ。確かに、陰陽の波動(マナ)の均衡を保つのは難しいけど、少なくとも表面を取り繕うまでには立て直している。勇樹は自分の強さ故に、此奴には負けないと思うだろうから、付け入る隙はあるよ。」

麻綾(今の状況を深刻に捉える美緒と、今の状況を冷静に見据える仁と康史と対照的だ。一方、亜里沙達(元春と美樹)は、五輪塔(タットワタワー)にて、大歳神と交戦する。)

元春「前回は大歳神に加え、勇樹に豹尾神を相手にしたが、今回は大歳神のみ。後の事も考慮して、大歳神だけでも撃破しておきたいな。」

亜里沙「そうしたいのは山々ですが、満月の日に真価を発揮する以上、それは厳しいですね。ならば、新月の日に弱体化を狙って攻撃しようにも守備を固めて簡単には手出し出来ません。」

美樹「でも、こんな状態が続いたら、流石にきついよ・・・何か有効な手立ては無いのかな・・・。」

麻綾(亜里沙達(元春と美樹)は、一進一退の膠着状態が続く中、有効な手段が無いまま心身共に疲弊していた。一方、鈴夜達(真悟と恕)はSAIVIAN(サビアン)天文科学館にて、黄幡神と対峙する中、彰から思わぬ提案が舞い込む。)

真悟「智恵を解放して、玄武を撃破して、青龍との対面後に、勇樹と和睦だ?向こうは時間経過で強くなるし、何より大和の秩序の崩壊は2020年7月7日(火)何だろ?」

鈴夜「ダイスの目は15になりました。誰かに相談しなさい。そして、そのアドバイスと反対の事をしなさい。今の叡知には、勇樹に挑むか、玄武に憑依された智恵に挑むかの選択肢があるわ。」

恕「彰の意図は何となく読めたよ。まあ、それは叡知の選択が明暗を分けるだろうから、達哉と彩夏も何かしらアドバイスするだろうけどね。」

麻綾(彰の意図とは如何に?一方、吉平達(理英と香里)は、封魔の監獄にて、豹尾神と対峙する中、彰の提案に揺れ動く。)

理英「叡知が玄武を撃破して、青龍と対面すれば、此方の目標は6割達成したも同然・・・彰の提案は私達や民を思っての事何だろうけど・・・。」

吉平「俺は納得が行かない。要するに、折角奪還したSAIVIAN(サビアン)天文科学館、封魔の監獄、五輪塔(タットワタワー)を放棄するって事じゃないか。」

香里「まあ、四神港と青龍の結界が復活すれば、海の怪魚族の驚異が去るだけでなく、大コスモス帝国やヴェーダ連邦からの援助が受けられるわよ。それに一端、何処かで止めないと、泥沼化する一方だしね。」

麻綾(今一つ納得していない理英と吉平に対して、香里は彰の提案に肯定的だ。一方、鋭気達(亜樹と利沙)も、太陰神が北斗七星山の天地の祭壇から動いたのを察知していた。)

亜樹「天帝山の五帝龍王廟や青龍港から強烈な陰の波動(マナ)を感じるわ。満月の日と言う点を考慮しても、勇樹が動いている可能性も高いわね。」

鋭気「そうなると、美緒達(仁と康史)が危険だな。仕方ない。大将軍は美緒達(仁と康史)に如何にかしてもらうとして、俺達は、勇樹か太陰神と遭遇した方を惹きつけるしかないな。

利沙「後の1体は叡知達(達哉と彩夏)に任せるか・・・青龍港の方は、恐らく玄武に憑依された智恵が出て来ている可能性が高いぜ?」

鋭気「満月の日ではあるが、美言達(司龍と一樹)もいるし、智恵を解放して玄武を撃破する千載一遇の好機だな。まあ、そこは叡知に任せるさ。」

麻綾(話もそこそこに、鋭気達(亜樹と利沙)は、太陰神との戦いに挑む。一方、叡知達(達哉と彩夏)も勇樹ら妖魔群(龍蛇族、怪鳥族、幻妖族、金剛族)や玄武に憑依された智恵ら怪魚族の動きを察知していた。)

達哉「勇樹は妖魔群(龍蛇族、怪鳥族、幻妖族、金剛族)を率いて、五帝龍王廟に殺到。また、玄武に憑依された智恵は海の怪魚族と共に青龍港を強襲。俺としては、鋭気達(亜樹と利沙)や美緒達(仁と康史)の救援に行くべきだと考えるが?」

叡知(達哉の言う事も一理ある・・・でも、玄武に憑依された智恵が、妙見寺と子午線湖の地の利を放棄し、尚且つ美言達(司龍と一樹)が青龍港にいるなら・・・。)

彩夏「あたいは叡知の決定に従うよ。」

叡知「彩夏・・・うん!決めたで!俺は、青龍港にいる美言達(司龍と一樹)と合流して、玄武から智恵を解放した後、玄武を撃破する!達哉、彩夏、俺に力を貸してや!」

麻綾(叡知は達哉の提案をあえて退け、達哉と彩夏と共に美言達(司龍と一樹)のいる青龍港に向かう。)
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