叡知の夢

松本羊平

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意の章

魔切り法 中編

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麻綾(智恵と叡知と別れた亜矢は、朱雀港を経由して青龍港に到着すると、すぐさま五輪塔(タットワタワー)を目指さず、ASTRO DICE(アストロダイス)で遊んでいた。亜矢は運命の輪のルーレットで当たりを引く。)

亜矢(よっしゃあ!山海(丑寅・卯町)に来たら、やっぱり・・・。)

???「ASTRO DICE(アストロダイス)ってか。」

亜矢「真悟じゃあないか。SYBILLA CLUB(シビラクラブ)以来だな。一緒にポーカー辺りで稼ごうじゃあないか。」

真悟「♠️のJは敵(闇夜に浮かび上がる影)。お前は俺様の可愛い後輩だが保守派(亜里沙派)。革新派(鈴夜派)の立場上からはこれくらいしか言えねえ・・・。」

麻綾(真悟はそう言うとその場を去る。亜矢は真悟の意図を理解すると、五輪塔(タットワタワー)に向かい、亜里沙達(一樹、美緒、美樹、康史)と合流する。)

亜矢「真悟の話では、恕が良からぬ事を企てているみたいだ。鈴夜もその申し出は却下したけど・・・。」

一樹「恕は月の民・・・月神(シャトラ)の眷属は勿論、地上の民は虫螻のようにしか考えていないって聞くしな・・・。」

康史「彗星・・・予期せぬ出来事か・・・恕は意地悪な奴。変に備え固めても、隙を見つけて、そこを衝いて来る。元春達(美言と仁)もいないし、この際、業・胎の相性で組まない?」

美緒「恕にとって、美樹は安の近距離。康史は安の中距離。亜矢は遠距離。しかも恕は、革新派(鈴夜派)でも1・2を争う戦士系。魔道士系の貴方達が如何にか出来る相手じゃないわよ?」

美樹「思い切って隙を作って上げれば、恕も用心して簡単には手は出せないよ。万一、恕が襲い掛かって来ても、3対1なら簡単には負けないよ。」

亜里沙「分かりました・・・それで行きましょう。恐らく敵は此方の動揺を衝いて襲撃して来ます。苦しい戦いになると思いますが、みんなで力を合わせて乗り越えましょう。」

麻綾(次の戦いは、亜里沙達(一樹と美緒)と美樹達(亜矢と康史)で挑む事になる。一方、元春達(美言と仁)は青龍港から朱雀港に到着する。そのまま、陰陽館を目指す中、元春は波動術の原型となる九星八門符について語る。)

元春「九星八門符は・・・。」

元春「天蓬休門符。」

元春「天仁生門符。」

元春「天衝傷門符。」

元春「天輔杜門符。」

元春「天英景門符。」

元春「天芮死門符。」

元春「天柱驚門符。」

元春「天心開門符。」

元春「天禽符。」

元春「叡知の受胎年月日や月星座を考慮すると、天柱星で開門の沢天夬。美言から聞いた叡知と一樹の一対一を踏まえると、九天玄女に奏上する祝詞は、天柱驚門符か天心開門符となるな。」

仁「威力としては2倍に、最後の一押しして3倍。当然、負荷も3倍で反動が大きいけど、傾斜宮と十二支の方位の波動術に効果を上乗せ出来る。叡知の場合は、一発逆転のカウンターが付与される訳だね。」

美言「天柱驚門符は白虎と同化した美里ら魔獣族との戦いで、狂戦士状態の麻綾が乱入の可能性を考えれば、有効かもしれないけど、その後の彰との対面は勿論、将来を見据えたら天心開門符の方が良い事尽くしね。」

麻綾(天柱驚門符と天心開門符・・・果たして叡知は、どちらを選択をするのか。一方、彩夏達(司龍と利沙)は、彼岸花の社で元春達(美言と仁)の来訪を待っていた。)

司龍「極夜地帯の汝陰盆地と隣接しているからか、此処はいつでも夕焼け何だな。生茂る彼岸花や飛び交う霊魂(オーブ)も相まって異様な光景だよな。」

彩夏「夢幻郷はあの世とこの世の境。あたいらは月神(シャトラ)の眷属・・・特別な人間かつ特殊な訓練を受けているから平気だけど、並の人間ならすぐに正気を失うね。まあ、叡知は並の人間に等しい状態で、亜里沙達(一樹と美樹)と此処で特訓したんだけどね。」

利沙「こう言う所は、波動(マナ)の回復に適しているからな。中亭の妖魔が爆発的に増えたのも、此処を奪われてからだ。5月7日(木)の蠍座の満月の日に、妖魔群(龍蛇族、怪鳥族、幻妖族、金剛族、怪魚族)の猛攻を死守出来れば、中亭の妖魔の増加を抑えられる。」

麻綾(全ては5月7日(木)の蠍座の満月の日に元春達(美言と仁)と共に、妖魔群(龍蛇族、怪鳥族、幻妖族、金剛族、怪魚族)の猛攻を死守出来るかに掛かっていた。一方、御霊神宮にいる鋭気は、達哉に彩夏達(司龍と利沙)を動向を探らせるように以来。)

麻綾(元春達(美言と仁)が、陰陽館を訪れると考えた達哉は、陰陽館に向かい元春達(美言と仁)に会うとその事を告げた後、御霊神宮に戻る。すると、亜樹と鋭気は討伐隊と共に御霊神宮の大掃除を行っていた。)

鋭気「彰も思い切った事をするな。ただでさえ、北と北東(表鬼門)は波動(マナ)の圧力が掛かり易い上、満月の波動(マナ)のピークの丑三つ時(2:00~2:30)を亜里沙達(一樹と美緒)、美樹達(亜矢と康史)、鈴夜(真悟と恕)も冷静ではいられないだろうぜ。」

達哉「お前の言う通り、奴等は其処をついて来る。以前、彼岸花の社に配置していた鈴夜(真悟と恕)は白虎の突発的な奇襲で不覚を取った。今日まで孤軍奮闘していた麻綾が狂戦士状態となれば、迂闊には動けない。」

鋭気「元春達(美言と仁)が彼岸花の社に配置するなら、狂戦士状態の麻綾を喰い止めてくれる。となると、白虎は俺達(達哉と亜樹)か叡知達(桃矢と智恵)のどちらかを襲うはずだが、栄・親や業・胎の相性で無い叡知達(桃矢と智恵)が狙われる可能性が高い。」

亜樹「その時は、彩夏達(司龍と利沙)に遅れを取らないように、私達(達哉と鋭気)がすぐに駆けつけましょ。そのためにも、魔除けも兼ねて大掃除あるのみよ。達哉も疲れているでしょうけど手伝いなさいよ。」

麻綾(亜樹と鋭気は金運上昇を祈願して1週間に1回の掃除を怠らない。例えそれが、亜矢の実家の御霊家のものでも、利用している限り、僅かな陰の波動(マナ)も寄せ付けない。一方、智恵と叡知は大和牧場にて、桃矢との対面を果たす。)

叡知「久し振りやな桃矢。SYBILLA CLUB(シビラクラブ)以来やな。」

桃矢「そうだな。早速だが面貸せ。立ち合いは宜しくな智恵。」

智恵「思う存分やると良い。」

麻綾(こうして桃矢と叡知の一対一が始まる。桃矢は叡知とは正反対の属性だが、叡知同様に多芸であるため、先に弱点を衝いた方が勝利となる。)

智恵(叡知の九星斬は以前に増してキレがある。ぢゃがそれは桃矢もそれと同等。この勝負は、一見その都度最後の一押しをしている桃矢が優位ぢゃが、最後の一押しの瞬間に八門壁に切り替えて凌ぎ切れば形勢逆転ぢゃな。)

麻綾(智恵の言う通り、最後の一押し・・・つまり3倍の負荷の反動による疲労が出始めた桃矢が次第に押され始める。)

智恵「そこまでぢゃ!御主も気が済んだぢゃろ桃矢。」

桃矢「ちっ・・・悔しいが、経験差はやっぱり大きいぜ・・・だがな叡知。それだけじゃあ、今回の戦いに勝つのは厳しいぜ。知ってると思うが、白虎は美里と同化し、麻綾も狂戦士状態。」

桃矢「オマケに、五帝龍王廟と五輪塔(タットワタワー)の内情が不安ともなれば、さっきみたいにチマチマやってたら、瓦解しちまう。」

叡知「それはそうやけど、今の俺には指紋が・・・。」

桃矢「指紋が無くても最後の一押しは可能だ。その方法を教えてやる。こい!」

麻綾(その方法こそが奇門遁甲の九星八門符。)
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