さよならの続編

軌跡

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第二章 ”動”

第三話「信じる」

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 屋上へ向かう前に、緑間は気まぐれで青子のクラスを覗いた。もしかしたら来ているかもしれない、とそんな風に思ったわけではなく。ただ、いるのなら一緒に弁当を食わないかと誘おうと思っただけだ。今日に限ってそんなことを思った。きっと、教室に彼女がいないことをわかっていたからだろう。
 元から青子はメンバーには入っていなかったのだ。勝手に乱入してきて、勝手に弁当を食べているだけである。だから別段彼女がいなくとも、屋上で食べる弁当の味は変わらないし、空の色だって変わりはしない。
『嘘つき。明らかに肩が下がっているじゃないか』
 宙に浮いていた赤崎が、廊下に着地して緑間にテレパシーを送った。勝手に人の頭の中覗くなよと言いたかったが、元より自分達の間にプライバシーうんぬんが存在していないことを思い出し、緑間は仕方なく溜息一つに感情を留める。
 青子がいないなら用はない―緑間は足早に屋上へと向かった。
 青子と連絡は取っていない。電話やメールを使うより、直接会いに行った方が早いだろうと緑間自身思っているからだ。決心はもうついている。今日辺り、彼女の家へ行くつもりだ。
『響達、いるかな』
『いるだろ。なんてったってこの俺直々の召集命令だ。ボイコットなんてしてみろ、俺は学校中、這いずり回ってでもあいつらを探し出すぞ』
 赤崎は、緑間のその言葉に苦笑いをした。これがまた冗談に聞こえないのだから、全く困りものである。というか実際、緑間ならやりかねないだろう。赤崎の幼なじみはそういう奴だ。
 緑間の手にはいつも通り巾着袋が二つ。緑色のものと―赤色のものが、彼の手からぶら下がっていた。赤色の巾着は赤崎の為に用意されたものだが、それはもう今の赤崎には不要なものである。なんせ彼は幽霊なのだから。
 それをわかっていながら、それでも幼なじみは赤崎の分の弁当を作った。
 なんの罰ゲームだよ、とはどうしても言えなかった。
 ありがとう、は心のうちに秘めておくことにした。
『…祭さ、話すつもりなんでしょ、響達に』
 いつものように脈絡と方向性を兼ねそなえなかった赤崎の言葉に、緑間は一瞬目を見開いた。それから、いささか乱暴に蜂蜜色の明るい髪をかき回す。
『はー…なんでわかった、なんて野暮なことは聞かねえけど…何、もしかして俺の考えてることって、全部お前に筒抜けなの?』
『うーん。そういうわけじゃないと思うけど』
 緑間は、壮大に溜息をついた。
 このテレパシーという能力。初めこそ、言葉にしなくとも意志の疎通が可能だと便利さを感じはしたが、常にこちらの考えていることが相手に伝わってしまうというならかなり厄介である。
 迂闊に変なことを考えれば、それが全て相手に伝わる可能性もあるということだ。健全な男子高校生には、少しばかり厳しくないだろうかと思う緑間であった。
 それに、緑間の考えていることは今のところ、大部分が赤崎に筒抜けの状態であるようだが、何故だか全くと言っていいほど、赤崎の考えていることは伝わってこないのである。本当に稀にしか。それはとてつもなく不公平な気がしないでもない。
『それは仕方ないよ。基本的に何も考えてないからね、祭と違って』
 どうやらまた考えていたことが伝わってしまったようで、緑間はもう一度溜息をつく。もう少しで屋上に着きそうだ。
 これが他の誰かなら、緑間も溜息一つに感情を留めるだけでは終わらなかっただろう。こんな風に潔くは割り切れなかったに違いない。それをわかっているから尚更、緑間は非常に面白くなかった。
 なんだかんだ言って、赤崎ならばいいかと思っている自分が恨めしい。
『…ま、それは置いといてだな』
『祭が振ってきたんじゃないか』
『細かいことを気にすんな。で、最初の議題に戻るけどな。確かに俺は響達に話そうと思ってる。それがどうかしたか?』
 最初の議題、と言ってしまったのは、長らく生徒会に関わってきたが故の“クセ”のようなものだ。緑間だけに関わらず、響達でさえ“討論”や“決済”などという用語を日常生活で使うクセがついてしまっている。だがしかし、赤崎と青子は例外だ。
 響達に話す―というのは、緑間が非常に強い霊感を持っていることと、赤崎が成仏できずに霊になってしまっていることであり、今の二人の状況を何一つ知らない後輩達に一から説明するということだ。
 果たして―信じてもらえるだろうか、という不安は拭えない。これが青子ならば、話すことを躊躇いはしなかっただろう。事実彼女は、そのことを話しても気味悪がったり敬遠したりせずに受け止めてくれたのだから。
 だが、響達は決して青子ではない。青子と違って、知り合ってからまだ三年しか経っていないのだ。彼らのことを信じていないわけではないが、不安はある。
 緑間に霊感があることも、赤崎が霊になって現世に留まっていることも、それを立証できるだけの力が二人にはない。何故なら響達には、赤崎の姿が視えないからだ。話したところで嘘だと言われればそれまでである。
 それに、万が一にも気味悪がられたりなどされれば、緑間と響達との関係には亀裂が生じ、最悪戻ることはなくなってしまうかもしれない。
 人間は自分の目で見たものしか信じようとはしない。だから自分の目には見えないものを恐れる。自分には見えないものが見えてしまう人間のことも、恐れてしまう。
 響達は確かに先輩として赤崎や緑間を慕ってくれてはいるが、だからといって全てを話したとき、快くそれを受け止めてくれるとは限らない。
『…祭、あのさ』
『大丈夫だって、大丈夫。お前が心配する必要も、俺が心配する必要もどこにもねえよ。俺はあいつらを信じてる』
 緑間は、赤崎の考えを読み取ったかのように、そして自分に言い聞かせるようにそう言った。赤崎は、相手に考えていることが伝わるというのは、具体的に今のようなことを指すのだろうと思った。
『だから信じてやろうぜ。あいつらの強さを』
 緑間の言葉には、他者にそう思わせるだけの説得力がある。昔からそうだ。緑間が出来ると言えば出来る気がした。今もきっと、そうなのだろう。
 相変わらず、この幼なじみは変わりないと赤崎は小さく笑った。
『うん、わかった。信じる』
 屋上はもう目の前だ。



 ギギギ、と屋上のドアを引いた。屋上へ出て、改めて学校に来たことを実感する。久しぶりに見上げた空は、変わらず綺麗な色をしていた。
 緑間は、辺りを見渡し響達の姿を探した。まだ来ていないのだろうかときょろきょろしていると、後ろからすさまじいたいあたりをくらった。というか、正確に言うとたいあたりのような勢いで何者かに抱きつかれた。
「…琴乃?」
 緑間は、振り返ることはせずにそう訊ねた。いつもとは違う攻撃パターンに若干驚きつつ、後ろから回されている腕をぽんぽんと軽く叩く。
「良かった、本当に。良くないこともあったけど、でも、まつり先輩、もう学校に来ないんじゃないかって思ってたから。心配、してました」
 緑間の予想通り、何者かの正体は琴乃であったが、普段とは違ってか細い涙の混じっている声をしていた。
 良くないこともあったけど。彼女の言葉から、ここ数日で三人が赤崎のことについて知ったのは明白だ。赤崎の凶報を伝えなければと思っていながら、結局緑間は三人と連絡を取らなかった。そういう精神状態ではなかったことも確かだが、彼らにそれを知らせることが憚られたからだ。
 何も知らずにいてほしいと思ったわけではない。響達には、それを知る権利が十二分にあったのだから。緑間の独断で―緑間の我儘で、緑間のお節介で、彼らから真実を知る権利を奪っていいはずがなかったのに。
 だから響達は、なんとか緑間と連絡を取ろうと、何度も電話やメールを送ってきたのだろう。それを放置して、見なかったことにしようとしたのは緑間だ。
 彼らだって不安だっただろう。赤崎が死んだと聞いて動揺し、混乱したはずなのに。
 だって当たり前だ。響達は緑間だけでなく、赤崎のことだって慕っていたのだから。
「…ごめんな、心配かけて。もう大丈夫だ…全部、話すよ」
 緑間がそう言うと、琴乃は鼻をすすって「はい」と返事をした。
 それと同時に、ごめんね、と申し訳なさそうに謝る声がした。勿論琴乃には視えていないだろうが、彼女のすぐ傍には霊になった赤崎が立っている。
 もう一度、ごめん、と赤崎が呟いた。赤崎は緑間以外の人間に触れることが出来ない。それをわかっていながら、彼は琴乃の頭に手を乗せた。その表情が寂しげに揺らいでいることに緑間は気づく。
「…え?」
 と、そこで別の声が割って入ってきた。琴乃に抱きつかれている緑間は、体ごと後ろを向くことはできなかったものの、少し後ろに響と優が立っていることは確認できた。
 二人の内、声を上げたのは響の方で、まるで信じられないものでも見ているかのような目を緑間に向けていた。もっとも、正確に言えばその目は、緑間の隣りに・・・・・・向けられていた・・・・・・・のだが。
「え…え?な、なんで」
「?どした?響」
 困惑と戸惑いがない交ぜになった表情を浮かべ、響の大きな目は真ん丸に見開かれていた。今この場にいる全員が、響の様子がおかしいことに気がついただろう。
 ただ一人、赤崎を除いては。
 赤崎にはわかった。目が合ったのだ、ばっちりと。
 緑間の方を向いているはずのその両目が、驚愕の色を浮かべながら真っ直ぐに―視えていないはずの赤崎を捉えていた。寸分違わず、真っ直ぐに。響の目は、初めから緑間ではなく赤崎に向けられたものだった。それにいち早く気がついたのは赤崎である。
 そして、ある疑問が頭に思い浮かんだ。

 まさか、僕のことが視えてる?

 もう一度、赤崎は真っ直ぐに響を見た。偶然目が合った、というわけではないようで、その視線はやはり真っ直ぐ霊である赤崎に向けられている。
「おーい、響ー」
 傍から見れば、ぼうっと突っ立っているようにしか見えないのだろう。緑間は首を傾げ、反応を示さない後輩に声をかけた。
「どうした?具合でも悪いのか?」
 響のすぐ傍に立つ優も、心配そうな顔で様子を窺った。緑間から離れた琴乃は、何を言うわけでもなくただそんな響をじっと見つめているだけである。まるで、わかっているかのように。
 当の本人である響は、何度か深呼吸を繰り返していた。そして今度は、真っ直ぐに緑間の方に目を向ける。
「話、聞かせてください。自分でいうのもなんですけど、僕は今ものすごく混乱しています」
「…は?」

「…とりあえず、そこにいる静さんが僕の視ている幻の類なのかどうかから、教えてもらえませんか」

 その発言に目を見開いたのは、主に緑間と優である。琴乃はさして驚いてはいない様子であったが、「そこってどこ!?」と自分には視えない赤崎の姿を、目を凝らして探し始めた。優もそれに便乗し、あっちこっちと指をさしている。
 そして緑間に関しては別の意味で驚いていた。なんの冗談かと一瞬思いはしたが、響が嘘をついていないことは目を見れば一目瞭然であった為、緑間はしばらくの間開いた口が塞がらなかった。当たり前だ、だってまさか自分の後輩が自分と同じように霊感が強いだなんて、誰が思う。
 そんな緑間の混乱を他所に、やっぱりね、と赤崎が意味深な発言をした。

 お前気づいてたのかよ。
 ああ、うん。今さっきだけど。

 昼休みは、まだ始まったばかり。



 どうやら響も霊が視えるらしい。緑間のような霊媒体質ではないものの、霊を視覚できるくらいの力は昔からあった、とも言った。緑間が自分もそうなのだと明かすと、響の表情が一瞬歪んだ。
 琴乃と優は響の体質を知っていたようだ。そのことに関して、「みずくさい。言ってくれれば良かったのに」などと言える緑間ではないし、それは赤崎も然りである。
 それがどれだけのリスクを負うか、何より同じ境遇である二人が一番よくわかっているからだ。
 響に霊感があるというのは、予想外且つイレギュラーなことであったが、おかげで話は事の他さくさく進んだ。
「そういうわけなんだよ、信じられないかもしんねえけど」
 事情を全て話し終えた頃には、昼休みは終わる五分前に迫ってきていた。当の本人である赤崎は、これまた呑気なもので半分意識が飛びそうになっている。緑間が、そんなどうしようもない幼なじみの頭をはたいた。はっと意識が戻ったらしい赤崎の口からはよだれが垂れていて、とても幽霊とは思えない有様だった。
「…そうですね。普通は信じられません」
 緑間の話を聞き終え、初めに口を開いたのは赤崎の姿が見える響だ。
「でも、この目でちゃんと視えてます。だから信じる信じないじゃなくて、事実なんですよね」
 緑間とその隣りにいる赤崎を交互に見たあと、ようやく響が笑った。
「僕達は信じます。協力しますよ、喜んで。ね、琴乃、優」
 もちろん、と何の躊躇いもなく二人の後輩も頷いた。どうやら一つ年下の後輩達は、こちらが思っていた以上に大人だったらしい、と緑間は小さく笑った。良い後輩に恵まれたとつくづく思う。
「ありがとう」
 それを言ったのは赤崎だった。緑間は、泣きそうな顔でそんなことを言う幼なじみを横目で見やる。
 姿は視えても、声は聞こえないかもしれない。琴乃と優だけでなく、響にもその言葉は届いていないかもしれない。それでも、そうとわかっていても尚、彼は言葉にしたかったのだろう。
 強い信頼を示してくれる後輩達に、ただ、ありだとう、と。
 そんな赤崎の言葉に、響は首を横に振った。
「今までだって、これからだって…ありがとうは僕らの台詞なんですよ。静さん」
 少しでも力になれればいいんですけど、と響は困ったように笑った。首を傾げた琴乃が、クエスチョンマークを浮かべて響の顔を覗き込む。
「?何?今の、ひとりごと?」
 ひとりごと、の部分が上手く言えていない琴乃に苦笑いをしながら、響がよしよしと彼女の頭を撫でた。
「…静先輩が何か言ったのか」
 独り言にしか捉えられないような響の言葉が、赤崎に向けられたものだと優にはわかったようで、「なんて言ったんだ?」と問いかける。
 響は空を見上げた。よく晴れた、雲ひとつない青空だった。
 琴乃と優もつられて上を向いた。そこに赤崎がいると勘違いしたようだ。もちろん赤崎は、依然として緑間の隣りに座っているので、少なくとも三人の視線の先に彼はいない。
 響が空を見上げたのは、赤崎を視るため―ではなく。そう、ただ、むしょうに空が見たくなったからだ。ただ、それだけのことだった。
 今日の空に雲はない。響にとって赤崎は、掴み所がなく、どちらの色にも染まることのできる、雲のような存在であった。
「ありがとう、だってさ」
「…そうか」
 それを聞いて、優は小さく笑った。ありがとうはまだ早すぎると、そう思ったのだろう。それには響も同感だった。
「いいなあ響は。しずか先輩が見えて…なんで私、兄妹でしかも双子なのに、響みたいにレイカン?ないんだろ」
「さあ…こればっかりはひがまれてもね…」
 いつもの調子で話し始める後輩達を遠目で見つつ、緑間はぽんぽんと赤崎の頭を軽く撫でた。俯いているので表情は窺えなかったが、おそらくいつものような涼しげな顔はしていないだろうと思ったからだ。
「…巻き込んだ、なんて思うなよ。あいつらは俺らが思ってるよりずっと大人だ」
 テレパシーは使わずに、呟くような独り言を緑間は口にした。図星だったのか、ぴくりと赤崎が肩を揺らす。
「…わかってるよ。ちゃんと、わかってる」
「ならいいけどよ。お前、死んでからメンタル弱くなったんじゃね?」
「うっさいバカ」
 憎まれ口を叩きながら、赤崎は必死に涙をこらえていた。緑間は、そんな赤崎に気づいていた。
 今更、やっぱり生きていたかった、なんて。そんなことを思ってしまう自分が、どうしようもなく滑稽で、赤崎はどうしても笑えなかった。
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