『有意義』なお金の使い方!~ある日、高1の僕は突然金持ちになっちゃった!?~

平塚冴子

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保健室同盟(仮)と前期図書委員

第35話

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「でも、じゃあ…サポーターの人はショックだったろうね。
 自分の信じた人に裏切られたって事だし。」

 きっと、奈落の様に真摯に向き合って仕事していたはずなのに…。

「んにゃ。
 それ程でもないぜ。
 …て、いうのは、そもそも脱落者が出るのは想定してはいたんだ。
 簡単そうで、金の使い方は大人でも難しいからね。
 人間ってのは善人になりきれる訳じゃない。
 理性と欲望のせめぎ合いで生きてるモンだ。
 だから、被験者を恨む事も無ければ、自分を責める事も無いさ。
 生き物相手に仕事するってのは、そういう事もあるからさ。」

 奈落のセリフにふと、槇さんの言った言葉が蘇ってきた。

「…そうか。
 あはは!あははは!ごめ…ごめん!
 いきなり。」
「何だ?笑わせたつもりねぇぞ。」
「いや、槇さんが…奈落はよく利用されたりするって…いい奴すぎるって。
 あれって、こういう事だよね。」
「はあ?どういう意味だ?」
「どんなに自分が裏切っても、奈落は裏切らない。
 裏切っても恨まないし、許してくれる。
 相手に、そう思わせちゃうんだ。」
「…そ、そうか…。
 単に疑ったり、怒り続けるのに、疲れたり飽きたりするだけなんだけど…。
 だから、神楽にバカっぽく見られるのか…くそッ!」
「違う!違う!そうじゃない!
 それで、いいんだよ!
 それが、華京院 奈落なんだ!
 そんな奈落だから、僕は信じられる。
 任せて安心だと思えるんだ。」

 奈落はちょっと視線を外して、照れた様に呟いた。

「…まあ。俺も有村を信じてるし。
 お互い様だ。」

 僕等はグータッチをして、食事を終えた。
 2人で後片付けをしてから、小1時間ほどゲームをして遊んで、奈落は帰って行った。

「短かったけど…『有意義』な時間だった。
 やっぱり、こういうのも大事だな。
 毎回だと意味が無くなるけど。
 かといって、脱落した子みたいにならない様に、度々自分で自分を律しないと。
 確かに1年後の不安が無いとは言えない。
 けど…1年後には自分の力で、立っていける人間にならなきゃ。
 きっと、奈落との出逢いは、その為の神様がくれたチャンスなんだ。」

 僕は1人で、拳に力を入れて、頭上に高々と掲げて気合を入れた。

 多分、奈落も見てるんだよな。

 本来なら人に監視されるなんて気持ちのいい事じゃないけど、奈落に見られてると思うと、逆に安心するんだ…。

 さて!明日は保健室同盟 (仮)で今日の高橋先輩との報告会。
 神谷先輩はこれを基に、金曜日の重谷先輩対策に活かすつもりかも。
 気合い入れてかなきゃ。
 あと、宮地と早川さん。
 図書室は開いてないけど…、動きは注視しなきゃ。
 雨が降らなきゃ、屋上から観察するんだけど、さっきから窓の外の雨音は激しく、天気予報もあまり良くない。
 図書室への出入りは無いと思うけど、教室や廊下でも様子を伺えればいいけど。
 チャンスがあればだけど。

 ふむ。

 勉強以外にこんなにも1日でやらなきゃいけない事があるなんて、なんて充実してるんだ。
 まさにリア充!
 自分がリア充になるなんて、思わなかった。
 けど、毎日楽しい!
 明日が待ち遠しい!
 世界がカラフルな色で溢れてる気がする!
 黒やグレーもあるけど、黄色や白やピンクも。
 
 夜、布団に入っても僕は興奮気味で、今日の事や明日の事をアレコレと考えて、あまり寝つけなかった。
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