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保健室同盟(仮)と前期図書委員
第41話
しおりを挟む「おい、宮地!
最近付き合い悪いぜ~。
田中なんか、暇過ぎて太っちまったぞ!」
「だよだよ。
休み時間毎に菓子パン食っちまう。
見ろよこの腹!」
2時間目の中休み、宮地に構って欲しくてたまらない安村と田中が、宮地の席に駆け寄った。
腹をポンポンと叩く田中…確かに最近太った気がする。
「悪りぃ、悪りぃ。
ちょっと仕事頼まれてさ。
もうちょいで終わるから、我慢してくれ。」
宮地は申し訳なさそうな表情で2人を見上げた。
「早川に何頼まれてんのか知らないけど、家の方も楽じゃないんだろ。
ほどほどにしろよ。」
「えー?そうなのか?
俺はてっきり付き合ってて、イチャついてるだけかと思った。」
「田中~!ふざけんなよ!あんな女。
腐れ縁で手伝ってるだけだよ。
つたく。
あんな面白味のない女、タイプじゃねーよ。
今更、彼女なんかに出来ねーっうの!
安村みたく察すれよ。」
楽しそうに笑いながら話す3人の声が肩越しから、チラ見する僕の耳に流れ込んできた。
あれ…何だろう…違和感…。
以前の3人と同様に会話してるだけなのに…。
会話の内容もさして特別な物とは感じないし。
んんん?…ん?…声…。
声のトーンだ…。
宮地の声のトーンが、以前と違うんだ。
高いのかな…?うー、それだけじゃない。
えっと…。
…柔らかい…!
そうだ!以前の様な語尾にビリビリするトゲトゲしさが、和らいでる!
きっと、僕しか気が付かないような、小さな違いだけど…これは、宮地の心境の変化の現れなんじゃないか?
その心境の変化をもたらしたもの…早川さん…もしくは…図書室の怪人…?
僕等が苦労しても未だ、正体不明の図書室の怪人を宮地は知ってる…と思う。
なんか、ずるい…悔しい。
モフモフの動物なら、確かに癒される。
動物じゃなくても、あの宮地の心境を和らげる効果のある人物だ。
僕は何だか、宮地に怪人との距離に対してヤキモチを妬いてしまっていた。
人間は平等じゃないって経験から十分わかってるし、運も人それぞれ。
けど、僕は多分、初めて宮地を羨ましいと思ってしまった。
それは、きっと自分なりの価値観の変化だろう。
宮地には及ばなくて、最低階級のモブ人間と諦めていた自分に、価値がある事に気が付き、宮地と同等と思える自信が、どこかにあるからだ。
だから悔しくて、羨ましくて、妬ましい…。
あれ…何だ…?
今、僕は自分の立場で考えていたはずだよな。
けど…これって、イジメたいとか、目の前から排除したいって感情に似てないかな…?
いや、でも同等に見るかな…イジメの対象者を…。
いや、初めは同等か、それ以上だったんじゃないか?
それを覆したい欲望…これって、イジメの発端の感情なんじゃないだろうか?
宮地の観察で、僕はイジメる側の心情を少しだけ、理解出来た気がした。
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