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保健室同盟(仮)と前期図書委員
第46話
しおりを挟む「つまり、三谷先輩は現図書委員長、早川さんは1年図書委員、重谷先輩は全図書委員長って感じで記入して行けばいいのかしら?」
「おや、土屋さんも参戦したね。」
「ジッと見てるのは性に合わないのよ。
私が書記をやるから、2人は座って指示を出して。
それに、神谷君の字って小さくて読みづらいし。
私の方が字は綺麗よ!」
そう言われて、神谷先輩はちょっと不機嫌そうな顔をしたが、何も言わなかった。
「お言葉に甘えましょうよ、神谷先輩。
役割分担は大事ですから。」
「了解。
じゃあ、僕等は頭を使おうか。
ん…証言や物証をそれぞれの写真の下にまとめたいね。
簡単なところから。
まず、怪人についてハッキリしてるのは、図書室内での本の破壊。
それも月に一度くらいで。
今年の1月から現れた。
と、まあザックリだとこんな感じかな。」
「えっと、本の破壊。月一ペース。とまあ、こんな感じで布施を付ければいいかしら?」
「うん、そうですね。
理由や原因がわかれば、その時点で新たな情報を付け加えたり、貼り替えたり、しましょうよ。」
「あ!付箋の色も統一してくれよ。
こういう相関図は簡潔にまとめておかなきゃね。」
「細かいなぁ。
はいはい。
かしこまりました~。」
土屋先輩は言われた通り、同じ色の付箋を使って、怪人の情報を張り出した。
「あと、これ。
この白い毛。
怪人の物ではないかも知れませんが、一応仮で、貼っておいて下さい。」
「いいね、いいね。
有村君。
では、次に三谷先輩だ。
3年で現在の図書委員長。
怪人の噂をするのを嫌がる態度を見せてる。
それから、委員長の割に、怪人事件を解決しようとはしていない。」
「そう!かなり不自然です!
大した損害じゃないとか、言ってますが、それを図書委員長が言うのは、おかしすぎる。
雨の日のシートも違和感あるし。」
「あー!待って、待って!
そう、次々と言われても、追いつかないわ。
ゆっくりお願い!」
おお、あの土屋先輩がバタついてる…。
とは言え、時間も残り少ないな。
壁掛けの時計をチラ見した僕に、神谷先輩が気が付いた。
「あー、やっぱり昼休みだけじゃ、終わらなそうだな。
どうかな?放課後、も少しやって行かないか?
金曜日はいよいよ、重谷先輩とも会えるんだ。
対策も兼ねたい。」
「わかりました。
僕の方は用事はありません。
放課後、ここに直行します。」
「そっか。明後日、重谷先輩来るのか。
残念!放課後は来られるけど、金曜日は無理。
生活向上委員会のボランティアでペットボトルの蓋を数えなきゃいけないの。
ま、神部先輩のとこには、どんな理由つけても駆けつけるから許して!」
「イケメン主義…。
まあ、とにかく放課後集合で決まりだね。
もう、昼休みが終わる!
相関図は一旦外して、壁の隅に折り畳んで置こう。
カーテンで隠せば目に付かないだろうし、加納先生なら見つけても、そっとしておいてくれるはずだ。」
後片づけを早々に済ませて、僕等は散り散りに各教室へと戻って行った。
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