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王子の眠る白い城
第7話
しおりを挟むそう、僕はやはり、重谷先輩の反応を見て、神部先輩に直接会わなければならないと、決心した。
不自然ではなかった。
あれは、重谷先輩の素直な反応で、神部先輩を思いやる心には嘘は無いと思う。
でも、それが逆に気になった。
事故当時より…もしかすると、それ以上に今現在の神部先輩の身辺を守ろうとする重谷先輩の姿。
図書室の怪人についての秘密を守ろうとする、図書委員の姿と重なった。
おそらく、重谷先輩は大体の話しで嘘はついていない。
嘘ではなく、本当の事を利用して、上手い具合に話しを納めようとしたんだ。
嘘をついたとして、スキを突かれたら、そこから綻びが出て、隠しておきたい真実が暴かれる危険性があると、踏んだんだ。
つまり、重谷先輩からこれ以上聞き出そうとしても、結果的に誘導されて、うやむやにされる。
ここは、奥の手だ…大野先生から神部先輩の入院してる病院の名前だけでも聞き出して、面会が無理なら、奈落とお金の力を使おう。
神部先輩の病院に入り込んで、直接話しを聞かなきゃ!
他を当たっても、きっと遠回りするだけで、結局この神部先輩の壁にぶち当たるだろう。
だったら、ここで強行突破で行く方が、謎解明の近道だ!
何せ、この先、もっと多忙な日々が待ってる。
槇さんの件や森園先輩の復帰、宮地の事だって進めなきゃ。
図書室の怪人事件の方が、どう見ても先に解明しておいた方が、効率がいい。
「おーい、大丈夫が?有村君。」
「えっ、あ、すいません。
つい、考え込んじゃって。」
「フリーズしたみたいになってたからさ。
やっぱり、圧が凄かったからかな。
なんか、僕は罪悪感に苛まれそうだったよ。」
「確かに圧が強かったですね。
…どうします?
止めますか?図書室の怪人の謎解明。」
「意地悪だなぁ。
試すような事言って。
止めたり、諦めたりしたら、それこそ、この先全てに諦める人生になりそうだ。
そうでなくてもイジメられっ子なんだ。
一つくらい成功体験がほしいからね、止めたりなんて出来ないよ。
有村君だって、そうどろ?」
「もちろん!そのつもりです。
ここは強気で行きましょう。
こんな時くらいしか、強気な行動に出られませんし。」
「あはは。確かに。
図書室の怪人は現時点では正体不明だ。
こっちが多少強気に動いても、相手から仕返しされる可能性も少ないか。
ん、人生で強気な行動に出るなんて初体験かも。」
「初体験じゃないですよ。
土屋先輩には強気でしょう。」
「あ、あれは事件が別だろう。
彼女の周りは異空間状態。
理解不能の摩訶不思議ちゃんだからね。」
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