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傾向と対策のパズル
第7話
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「よし、元気そうだから、ボチボチ引き上げるか。」
奈落はノートパソコンを閉じて帰り支度を始めた。
「もう…帰るの…?」
「今日はゆっくりしろって言ったろ。
明日も明後日も休みなんだから、遊びたけりゃ契約すれば遊んでやるよ。」
「ん…そうだね。
考えておく。」
「じゃあな!無理すんなよ!」
「そうだ…奈落はここまでどうやって来たの?
まさか…隣近所に住んでる?」
「ん~。企業秘密です!
けど…原チャで来てるよ。
裏に停めてあるけど。」
「げ、原付き?」
「何だよ、変か?ちゃんとメット被って、安全運転してるぜ!」
「いや…変じゃ無い…。
むしろ、似合いすぎるくらいに似合う。」
「褒めてんの?嬉しくねぇなソレ。
じゃあな!ちゃんと監視してるから、飯はちゃんと食えよ!」
「うん…バイ…ううん。行ってらっしゃい。」
奈落は軽く手を振って、部屋を出て行った。
奈落が出て行く時は…いつも少し淋しい。
僕は布団から出て時計に視線を流した。
もう…午後の2時だ。
食欲ないけど…体力つけなきゃ。
僕は鍋に作ったインスタントラーメンに卵を落として、食べた。
「そうだ…ICレコーダーとか買いに行かなきゃ…。
明日、奈落と家電量販店にでも行こうかな…。」
ゴールデンウイークが終わるまでに、イジメを辞めさせる為の下準備もしておかないと。
せっかくの休みで楽しみたいのも無くは無いけど…。
『有意義』に日常を過ごすには効率を考えないと…。
忍者パフーマンスの方は、槇さんからの連絡が来てから考えよう。
元々頭が良く無いんだ、1つの事を先ずはこなさないと。
またオーバーヒートしたら意味が無い。
奈落なんて、もっと小さい頃から仕事をこなして来てるんだ。
それに比べたら、イジメの対策を考えるなんて全然大した事無い。
自分の事くらい考えられないんじゃ…奈落の力になれない。
奈落…きっと…君には仕事上での関係なんだろうけど…。
情が移る事は無いって言ってたし…。
でも、僕の中で、君はもう親友なんだ。
お金が掛かろうと…僕にとって君は1番の親友なんだ。
月末の『有意義』判定のプレゼンで…奈落に良い結果が出るように…僕がしなきゃ。
奈落の為にと思うだけで、エネルギーが湧いてくる…。
僕はラーメンどんぶりと鍋を洗い終えて、今朝書き途中のノートを取り出した。
「えっ…と先ずはイジメる側のデメリットを書き出せるだけ、書き出そう。
それだけのリスクを負う事を相手に分からせないと…でも多分それだけじゃダメだろうな…。」
デメリットを書き連ねながら、僕はイジメる側の心理を知る必要があると考えた。
その心理を上手く別方向へと誘導出来れば…思考の変換が出来れば…。
根本、根源を変えなきゃイジメなんてのはメビウスの輪のように永遠に続く。
考えろ…イジメられる側の心理は熟知しているのだから…。
考えが行き詰まりそうになり、少し別方向に切り替えて考えようと、宮地達の資料を取り出した。
策戦を考えるには、細かい情報が必要になる。
何せ、失敗は許されない。
僕は非力だ…充分にわかってる。
だからこそ、策を完璧に練らなきゃならない。
細部にわたるまで、完璧に仕上げなきゃならない。
先ずは、ありとあらゆる思いつく事を書き連ね、情報をまとめ、それから組み立てよう。
今日1日や2日では出来上がらないのはわかってる。
ゴールデンウイーク後にも自ら調査や観察が必要だ。
地道だけど、それが確実に前に進む為の道だと僕は確信していた。
奈落はノートパソコンを閉じて帰り支度を始めた。
「もう…帰るの…?」
「今日はゆっくりしろって言ったろ。
明日も明後日も休みなんだから、遊びたけりゃ契約すれば遊んでやるよ。」
「ん…そうだね。
考えておく。」
「じゃあな!無理すんなよ!」
「そうだ…奈落はここまでどうやって来たの?
まさか…隣近所に住んでる?」
「ん~。企業秘密です!
けど…原チャで来てるよ。
裏に停めてあるけど。」
「げ、原付き?」
「何だよ、変か?ちゃんとメット被って、安全運転してるぜ!」
「いや…変じゃ無い…。
むしろ、似合いすぎるくらいに似合う。」
「褒めてんの?嬉しくねぇなソレ。
じゃあな!ちゃんと監視してるから、飯はちゃんと食えよ!」
「うん…バイ…ううん。行ってらっしゃい。」
奈落は軽く手を振って、部屋を出て行った。
奈落が出て行く時は…いつも少し淋しい。
僕は布団から出て時計に視線を流した。
もう…午後の2時だ。
食欲ないけど…体力つけなきゃ。
僕は鍋に作ったインスタントラーメンに卵を落として、食べた。
「そうだ…ICレコーダーとか買いに行かなきゃ…。
明日、奈落と家電量販店にでも行こうかな…。」
ゴールデンウイークが終わるまでに、イジメを辞めさせる為の下準備もしておかないと。
せっかくの休みで楽しみたいのも無くは無いけど…。
『有意義』に日常を過ごすには効率を考えないと…。
忍者パフーマンスの方は、槇さんからの連絡が来てから考えよう。
元々頭が良く無いんだ、1つの事を先ずはこなさないと。
またオーバーヒートしたら意味が無い。
奈落なんて、もっと小さい頃から仕事をこなして来てるんだ。
それに比べたら、イジメの対策を考えるなんて全然大した事無い。
自分の事くらい考えられないんじゃ…奈落の力になれない。
奈落…きっと…君には仕事上での関係なんだろうけど…。
情が移る事は無いって言ってたし…。
でも、僕の中で、君はもう親友なんだ。
お金が掛かろうと…僕にとって君は1番の親友なんだ。
月末の『有意義』判定のプレゼンで…奈落に良い結果が出るように…僕がしなきゃ。
奈落の為にと思うだけで、エネルギーが湧いてくる…。
僕はラーメンどんぶりと鍋を洗い終えて、今朝書き途中のノートを取り出した。
「えっ…と先ずはイジメる側のデメリットを書き出せるだけ、書き出そう。
それだけのリスクを負う事を相手に分からせないと…でも多分それだけじゃダメだろうな…。」
デメリットを書き連ねながら、僕はイジメる側の心理を知る必要があると考えた。
その心理を上手く別方向へと誘導出来れば…思考の変換が出来れば…。
根本、根源を変えなきゃイジメなんてのはメビウスの輪のように永遠に続く。
考えろ…イジメられる側の心理は熟知しているのだから…。
考えが行き詰まりそうになり、少し別方向に切り替えて考えようと、宮地達の資料を取り出した。
策戦を考えるには、細かい情報が必要になる。
何せ、失敗は許されない。
僕は非力だ…充分にわかってる。
だからこそ、策を完璧に練らなきゃならない。
細部にわたるまで、完璧に仕上げなきゃならない。
先ずは、ありとあらゆる思いつく事を書き連ね、情報をまとめ、それから組み立てよう。
今日1日や2日では出来上がらないのはわかってる。
ゴールデンウイーク後にも自ら調査や観察が必要だ。
地道だけど、それが確実に前に進む為の道だと僕は確信していた。
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