44 / 280
傾向と対策のパズル
第6話
しおりを挟む
「ぐふふっ。」
僕は思わず声を抑えきれずに笑ってしまった。
奈落が気が付いて、こっちに身体を向けた。
「あん?起きてやがったのか!?
…爽!切るぞ。
ったく狸寝入りしやがって。
体調はどうだ?」
「あ…っと、もう平気…。
ごめん…盗み聞きしちゃって。」
「構わねぇよ。
別に秘密の会話してた訳じゃねーし。
具合の方が、無理されると困るよ。」
「あ、熱は下がったみたい。
その…知恵熱だったみたい。」
「知恵熱~?
幼稚園児かよ…全く。
少しは体力つけた方がいいぞ。」
半分呆れて、半分安心した表情で奈落は、そう言ってくれた。
「うん…自覚した。
今まで、自分がどんなにダラけて甘えてたのか…自覚した。
逃げる事に精一杯で、そんな事にまで気を配れなかった…でも今は違う…昨日よりも今日、今日よりも明日…自分を変えて行くよ。」
「ゆっくりでいいんじゃね。
焦って変えるところ間違えると、変態になっちまうからな!ははは!」
「あはは。そうかも。」
一気にアレもコレもやろうとしても身体が追いつかない。
ゆっくり、少しづつやろう。
1年っていうので焦ってたけど…またまだ出逢ってから、6日…1週間すら経ってないんだ。
先はまだ長い。
1日1日を大切に…お金だけじゃ無い…時間も『有意義』にしなきゃいけない。
この奈落と居られる時間を『有意義』に。
「奈落は毎日、身体を鍛えてるの?
細マッチョだよねー。
腹筋割れてるし。」
「ああ、基礎が付いてるからな。
毎日がサバイバル状態にいりゃ、ある程度体力や筋肉は勝手に付いてくる。
俺の場合は、生きる為に必然だったってだけだ。
毎日、命を狙われてるって想像してみろよ。
歩くだけで、身体中の筋肉が緊張状態になる。」
「い、命を狙われてる!?」
スナイパーとかじゃ無いよな…漫画や映画じゃあるまいし…。
「いや、例えだよ例え!
言ったろ、うちの姉や女どもは狂犬なんだよ。
あいつらに立ち向かうには必然だろ。
限度を知らねぇからさ。
自分の身は自分で守らなきゃならないんだよ。」
あ…簀巻きでバンジージャンプ…なるほど…。
確かに…体力持たないよな…鍛えてないと。
「なるほど…必然かぁ。
そうか…僕も…宮地達に追われてると思いながら、自転車漕いだり、走ったりしたら…やる気出るかも…イメージしながら鍛える…。」
「おいおい、マジで鍛えてもいいけど、お前にマッチョのイメージ湧かないな。」
「マッチョとまでは行かないけど…もう少し体力付けたいんだ。
自分の事は自分で出来るように。
もう…気持ちも、身体もひ弱な僕でいたくないんだ。」
「…そっか。なら、やってみるといい。
それ自体『有意義』だしな。
無駄に時間を使うよりはいいと思うぞ。
有村がやる気になってくれるだけで、こっちもテンション上がるしな。」
奈落は結構激しい生活環境で育った…なのに、強くて、優しくて、明るくて…。
「あの…聞いてもいいかな?」
「何?」
「奈落は自分がイジメられたって記憶は無いの?
もしくは、家族内でイジメって起こらないの?」
「…ん~~?
イジメって思った事は無いな…ひでぇ事はされるけど。
ちゃんと仕返しするし!
事が過ぎれば、しつこく相手を責める必要もないし。
ケンカはしょっちゅうだけど…イジメとは違うよな…ん…お互いを尊敬する部分は持ってる。
なんだかんだ言って、みんなが努力してる姿を見てるし…バカにしたり蔑んだりなんて出来ない。
そんな時間あったら、死ぬ気で仕事で名を挙げる方が意義があるだろ?」
「うん!うん!そう思う!」
僕は嬉しくなった…奈落はやっぱり、僕の想像した通りの人間だ。
ちゃんとした物事を見据える力がある。
イジメをする奴らの意識をここまでのレベルまで上げられたら、きっとイジメなんて無くなるのに…。
どうすればいいかな…。
僕は思わず声を抑えきれずに笑ってしまった。
奈落が気が付いて、こっちに身体を向けた。
「あん?起きてやがったのか!?
…爽!切るぞ。
ったく狸寝入りしやがって。
体調はどうだ?」
「あ…っと、もう平気…。
ごめん…盗み聞きしちゃって。」
「構わねぇよ。
別に秘密の会話してた訳じゃねーし。
具合の方が、無理されると困るよ。」
「あ、熱は下がったみたい。
その…知恵熱だったみたい。」
「知恵熱~?
幼稚園児かよ…全く。
少しは体力つけた方がいいぞ。」
半分呆れて、半分安心した表情で奈落は、そう言ってくれた。
「うん…自覚した。
今まで、自分がどんなにダラけて甘えてたのか…自覚した。
逃げる事に精一杯で、そんな事にまで気を配れなかった…でも今は違う…昨日よりも今日、今日よりも明日…自分を変えて行くよ。」
「ゆっくりでいいんじゃね。
焦って変えるところ間違えると、変態になっちまうからな!ははは!」
「あはは。そうかも。」
一気にアレもコレもやろうとしても身体が追いつかない。
ゆっくり、少しづつやろう。
1年っていうので焦ってたけど…またまだ出逢ってから、6日…1週間すら経ってないんだ。
先はまだ長い。
1日1日を大切に…お金だけじゃ無い…時間も『有意義』にしなきゃいけない。
この奈落と居られる時間を『有意義』に。
「奈落は毎日、身体を鍛えてるの?
細マッチョだよねー。
腹筋割れてるし。」
「ああ、基礎が付いてるからな。
毎日がサバイバル状態にいりゃ、ある程度体力や筋肉は勝手に付いてくる。
俺の場合は、生きる為に必然だったってだけだ。
毎日、命を狙われてるって想像してみろよ。
歩くだけで、身体中の筋肉が緊張状態になる。」
「い、命を狙われてる!?」
スナイパーとかじゃ無いよな…漫画や映画じゃあるまいし…。
「いや、例えだよ例え!
言ったろ、うちの姉や女どもは狂犬なんだよ。
あいつらに立ち向かうには必然だろ。
限度を知らねぇからさ。
自分の身は自分で守らなきゃならないんだよ。」
あ…簀巻きでバンジージャンプ…なるほど…。
確かに…体力持たないよな…鍛えてないと。
「なるほど…必然かぁ。
そうか…僕も…宮地達に追われてると思いながら、自転車漕いだり、走ったりしたら…やる気出るかも…イメージしながら鍛える…。」
「おいおい、マジで鍛えてもいいけど、お前にマッチョのイメージ湧かないな。」
「マッチョとまでは行かないけど…もう少し体力付けたいんだ。
自分の事は自分で出来るように。
もう…気持ちも、身体もひ弱な僕でいたくないんだ。」
「…そっか。なら、やってみるといい。
それ自体『有意義』だしな。
無駄に時間を使うよりはいいと思うぞ。
有村がやる気になってくれるだけで、こっちもテンション上がるしな。」
奈落は結構激しい生活環境で育った…なのに、強くて、優しくて、明るくて…。
「あの…聞いてもいいかな?」
「何?」
「奈落は自分がイジメられたって記憶は無いの?
もしくは、家族内でイジメって起こらないの?」
「…ん~~?
イジメって思った事は無いな…ひでぇ事はされるけど。
ちゃんと仕返しするし!
事が過ぎれば、しつこく相手を責める必要もないし。
ケンカはしょっちゅうだけど…イジメとは違うよな…ん…お互いを尊敬する部分は持ってる。
なんだかんだ言って、みんなが努力してる姿を見てるし…バカにしたり蔑んだりなんて出来ない。
そんな時間あったら、死ぬ気で仕事で名を挙げる方が意義があるだろ?」
「うん!うん!そう思う!」
僕は嬉しくなった…奈落はやっぱり、僕の想像した通りの人間だ。
ちゃんとした物事を見据える力がある。
イジメをする奴らの意識をここまでのレベルまで上げられたら、きっとイジメなんて無くなるのに…。
どうすればいいかな…。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
「地味ブス」と捨てられた私、文化祭の大型スクリーンで王子様の裏の顔を全校生に配信します
スカッと文庫
恋愛
「お前みたいな地味女、引き立て役にもならないんだよ」
眼鏡にボサボサ頭の特待生・澪(みお)は、全校生徒が見守る中、恋人だった学園の王子・ハルトから冷酷に捨てられた。
隣には、可憐な微笑みを浮かべる転校生・エマ。
エマの自作自演により「いじめの犯人」という濡れ衣まで着せられ、学園中から蔑まれる澪。
しかし、彼女を嘲笑う者たちはまだ知らない。
彼女が眼鏡の奥に、誰もが平伏す「真実の美貌」と、学園さえも支配できる「最強の背景」を隠していることを――。
「……ねぇ、文化祭、最高のステージにしてあげる」
裏切りへのカウントダウンが今、始まる。
スクリーンの裏側を暴き、傲慢な王子と偽りのヒロインを奈落へ突き落とす、痛快・学園下剋上ファンタジー!
異世界ママ、今日も元気に無双中!
チャチャ
ファンタジー
> 地球で5人の子どもを育てていた明るく元気な主婦・春子。
ある日、建設現場の事故で命を落としたと思ったら――なんと剣と魔法の異世界に転生!?
目が覚めたら村の片隅、魔法も戦闘知識もゼロ……でも家事スキルは超一流!
「洗濯魔法? お掃除召喚? いえいえ、ただの生活の知恵です!」
おせっかい上等! お節介で世界を変える異世界ママ、今日も笑顔で大奮闘!
魔法も剣もぶっ飛ばせ♪ ほんわかテンポの“無双系ほんわかファンタジー”開幕!
異世界転生したおっさんが普通に生きる
カジキカジキ
ファンタジー
第18回 ファンタジー小説大賞 読者投票93位
応援頂きありがとうございました!
異世界転生したおっさんが唯一のチートだけで生き抜く世界
主人公のゴウは異世界転生した元冒険者
引退して狩をして過ごしていたが、ある日、ギルドで雇った子どもに出会い思い出す。
知識チートで町の食と環境を改善します!! ユルくのんびり過ごしたいのに、何故にこんなに忙しい!?
異世界で姪が勇者になったけれど、俺はのんびり料理屋を開く
夕日(夕日凪)
ファンタジー
突然姉が亡くなり、その遺児である姪の『椛音』を男手一つで育てていた元料理人の『翔』。
椛音が十六歳になった時。二人は異世界に召喚されて…!?
椛音は勇者として異世界を飛び回ることになり、椛音のおまけとして召喚された翔は憧れていた料理人の夢を異世界で叶えることに。
デスクレイフィッシュ、大猪、オボロアナグマ──。
姪が旅先から持ち込む数々の食材(モンスター)を使った店を、翔は異世界で開店する。
翔の料理を食べると不思議と力が湧くようで、いろいろな人物が店を来訪するように──。
※表紙は小鶴先生に描いていただきました!
異世界へ行って帰って来た
バルサック
ファンタジー
ダンジョンの出現した日本で、じいさんの形見となった指輪で異世界へ行ってしまった。
そして帰って来た。2つの世界を往来できる力で様々な体験をする神須勇だった。
【完結】異世界で魔道具チートでのんびり商売生活
シマセイ
ファンタジー
大学生・誠也は工事現場の穴に落ちて異世界へ。 物体に魔力を付与できるチートスキルを見つけ、 能力を隠しつつ魔道具を作って商業ギルドで商売開始。 のんびりスローライフを目指す毎日が幕を開ける!
異世界召喚は7回目…って、いい加減にしろよ‼︎
アノマロカリス
ファンタジー
『おぉ、勇者達よ! 良くぞ来てくれた‼︎』
見知らぬ城の中、床には魔法陣、王族の服装は中世の時代を感じさせる衣装…
俺こと不知火 朔夜(しらぬい さくや)は、クラスメートの4人と一緒に異世界に召喚された。
突然の事で戸惑うクラスメート達…
だが俺はうんざりした顔で深い溜息を吐いた。
「またか…」
王族達の話では、定番中の定番の魔王が世界を支配しているから倒してくれという話だ。
そして儀式により…イケメンの正義は【勇者】を、ギャルっぽい美紅は【聖戦士】を、クラス委員長の真美は【聖女】を、秀才の悠斗は【賢者】になった。
そして俺はというと…?
『おぉ、伝承にある通り…異世界から召喚された者には、素晴らしい加護が与えられた!』
「それよりも不知火君は何を得たんだ?」
イケメンの正義は爽やかな笑顔で聞いてきた。
俺は儀式の札を見ると、【アンノウン】と書かれていた。
その場にいた者達は、俺の加護を見ると…
「正体不明で気味が悪い」とか、「得体が知れない」とか好き放題言っていた。
『ふむ…朔夜殿だけ分からずじまいか。だが、異世界から来た者達よ、期待しておるぞ!』
王族も前の4人が上位のジョブを引いた物だから、俺の事はどうでも良いらしい。
まぁ、その方が気楽で良い。
そして正義は、リーダーとして皆に言った。
「魔王を倒して元の世界に帰ろう!」
正義の言葉に3人は頷いたが、俺は正義に言った。
「魔王を倒すという志は立派だが、まずは魔物と戦って勝利をしてから言え!」
「僕達には素晴らしい加護の恩恵があるから…」
「肩書きがどんなに立派でも、魔物を前にしたら思う様には動けないんだ。現実を知れ!」
「何よ偉そうに…アンタだったら出来るというの?」
「良いか…殴り合いの喧嘩もしたことがない奴が、いきなり魔物に勝てる訳が無いんだ。お前達は、ゲーム感覚でいるみたいだが現実はそんなに甘く無いぞ!」
「ずいぶん知ったような口を聞くね。不知火は経験があるのか?」
「あるよ、異世界召喚は今回が初めてでは無いからな…」
俺は右手を上げると、頭上から光に照らされて黄金の甲冑と二振の聖剣を手にした。
「その…鎧と剣は?」
「これが証拠だ。この鎧と剣は、今迄の世界を救った報酬として貰った。」
「今迄って…今回が2回目では無いのか?」
「今回で7回目だ!マジでいい加減にして欲しいよ。」
俺はうんざりしながら答えた。
そう…今回の異世界召喚で7回目なのだ。
いずれの世界も救って来た。
そして今度の世界は…?
6月22日
HOTランキングで6位になりました!
6月23日
HOTランキングで4位になりました!
昼過ぎには3位になっていました.°(ಗдಗ。)°.
6月24日
HOTランキングで2位になりました!
皆様、応援有り難う御座いますm(_ _)m
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる