『有意義』なお金の使い方!~ある日、高1の僕は突然金持ちになっちゃった!?~

平塚冴子

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傾向と対策のパズル

第6話

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「ぐふふっ。」

 僕は思わず声を抑えきれずに笑ってしまった。
 奈落が気が付いて、こっちに身体を向けた。

「あん?起きてやがったのか!?
 …爽!切るぞ。
 ったく狸寝入りしやがって。
 体調はどうだ?」
「あ…っと、もう平気…。
 ごめん…盗み聞きしちゃって。」
「構わねぇよ。
 別に秘密の会話してた訳じゃねーし。
 具合の方が、無理されると困るよ。」
「あ、熱は下がったみたい。
 その…知恵熱だったみたい。」
「知恵熱~?
 幼稚園児かよ…全く。
 少しは体力つけた方がいいぞ。」

 半分呆れて、半分安心した表情で奈落は、そう言ってくれた。

「うん…自覚した。
 今まで、自分がどんなにダラけて甘えてたのか…自覚した。
 逃げる事に精一杯で、そんな事にまで気を配れなかった…でも今は違う…昨日よりも今日、今日よりも明日…自分を変えて行くよ。」
「ゆっくりでいいんじゃね。
 焦って変えるところ間違えると、変態になっちまうからな!ははは!」
「あはは。そうかも。」

 一気にアレもコレもやろうとしても身体が追いつかない。
 ゆっくり、少しづつやろう。
 1年っていうので焦ってたけど…またまだ出逢ってから、6日…1週間すら経ってないんだ。
 先はまだ長い。
 
 1日1日を大切に…お金だけじゃ無い…時間も『有意義』にしなきゃいけない。
 この奈落と居られる時間を『有意義』に。

「奈落は毎日、身体を鍛えてるの?
 細マッチョだよねー。
 腹筋割れてるし。」
「ああ、基礎が付いてるからな。
 毎日がサバイバル状態にいりゃ、ある程度体力や筋肉は勝手に付いてくる。
 俺の場合は、生きる為に必然だったってだけだ。
 毎日、命を狙われてるって想像してみろよ。
 歩くだけで、身体中の筋肉が緊張状態になる。」
「い、命を狙われてる!?」

 スナイパーとかじゃ無いよな…漫画や映画じゃあるまいし…。

「いや、例えだよ例え!
 言ったろ、うちの姉や女どもは狂犬なんだよ。
 あいつらに立ち向かうには必然だろ。
 限度を知らねぇからさ。
 自分の身は自分で守らなきゃならないんだよ。」

 あ…簀巻きでバンジージャンプ…なるほど…。
 確かに…体力持たないよな…鍛えてないと。

「なるほど…必然かぁ。
 そうか…僕も…宮地達に追われてると思いながら、自転車漕いだり、走ったりしたら…やる気出るかも…イメージしながら鍛える…。」
「おいおい、マジで鍛えてもいいけど、お前にマッチョのイメージ湧かないな。」
「マッチョとまでは行かないけど…もう少し体力付けたいんだ。
 自分の事は自分で出来るように。
 もう…気持ちも、身体もひ弱な僕でいたくないんだ。」
「…そっか。なら、やってみるといい。
 それ自体『有意義』だしな。
 無駄に時間を使うよりはいいと思うぞ。
 有村がやる気になってくれるだけで、こっちもテンション上がるしな。」

 奈落は結構激しい生活環境で育った…なのに、強くて、優しくて、明るくて…。

「あの…聞いてもいいかな?」
「何?」
「奈落は自分がイジメられたって記憶は無いの?
 もしくは、家族内でイジメって起こらないの?」
「…ん~~?
 イジメって思った事は無いな…ひでぇ事はされるけど。
 ちゃんと仕返しするし!
 事が過ぎれば、しつこく相手を責める必要もないし。
 ケンカはしょっちゅうだけど…イジメとは違うよな…ん…お互いを尊敬する部分は持ってる。
 なんだかんだ言って、みんなが努力してる姿を見てるし…バカにしたり蔑んだりなんて出来ない。
そんな時間あったら、死ぬ気で仕事で名を挙げる方が意義があるだろ?」
「うん!うん!そう思う!」

 僕は嬉しくなった…奈落はやっぱり、僕の想像した通りの人間だ。
 ちゃんとした物事を見据える力がある。
 
 イジメをする奴らの意識をここまでのレベルまで上げられたら、きっとイジメなんて無くなるのに…。
 どうすればいいかな…。
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