『有意義』なお金の使い方!~ある日、高1の僕は突然金持ちになっちゃった!?~

平塚冴子

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必要とされる喜びと責任

第4話

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「初めまして!有村 恵です!奈落にお世話になってます!
 あ!あのっ!奈落はもうすぐ出世します!
 僕の実験を必ず成功させます!
 僕が絶対にしてみせます!!」

 奈落の腰に巻きついた僕は、無意識に目を瞑ったまま叫んでしまった。

 シーン。

 事務所内の空気が凍りついた…。

 うぉおおお!恥ずかしいいい!
 何を口走ってんだ!?
 どうしよう!どうしよう!
 顔から火が噴き出る様に真っ赤になった。

「ふ~~ん。へぇ~~。」

 奈落の背後で真っ赤になってシャツを掴んでいる僕を、神楽さんが覗き込んだ。

 「気に入った!奈落の被験者なんて辞めちゃいなさいよ!
 私のとこで使ってあげる!」
「ひぇええ!」
「なっ!何言い出すんだよ!
 このバカ女はぁああ!
 有村は被験者!客!商品だって言ってんだろ!」

 神楽さんは腕組みして僕を見下ろした。
奈落の声なんて聞こえないかの様に僕を真っ直ぐに見つめた。
 
「ダ…ダメです!契約してます!
 違約金がかかります!
 高額なんで払えませんん!」
「えー。それじゃ無理か。
 契約期間はどれくらい?」
「い…1年です。」
「そっ、じゃあ1年後にその気があったら、連絡して来て。
 槇でも奈落でも通して。
 契約後なら文句はないでしょう。」
「こらこら!勝手なことばっかり言いやがって!
 有村は物じゃねぇぞ!神楽!」
「只者じゃないから、誘ってんじゃない。
 私、人を見る目はあんたなんかよりずっと才能あるんだから!」
 
 奈落はそっと、僕を庇う様に右手で僕を真後ろに引っ込めた。

パン!
 槇さんが音を立てて手を叩いた。

「は~~い!そこまで!
 ここは事務所だよ。仕事場!
 仕事の話しに来たんだろ。
 奈落達との先約もあるし、神楽ちゃんは長くなる用事なら、後日改めてこっちから伺うけど。」
「別に大した用事は無いわよ!
 こっちにある老舗着物販売店が来月末に店仕舞いするから、京友禅や加賀友禅の在庫を一気に買い付けに来たのよ。
 ま、まだ店舗はどうするか交渉中なんだけどね。
 …で、ついでに新生院研修の話しを前もって、何か聞いてないか、槇のところに探りに来たのよ。」
「新生院研修の前情報は聞いてないよ。
 ただ、特に聞きたい事をリクエストはしておいた。」
「リクエスト?」
「新生院の芸能事務所だよ。
 あるのは知ってるけど、詳細はまだ全然把握出来てないんでね。
 しかも、特殊な事務所らしい噂を聞いたんで、参考に運営方針とか利益の上げ方を聞いてみたいんだ。」
「ああ、私もお姉様達の噂でしか聞いた事ないけど…新生院の中でもズバ抜けた天才がやってるとか…。
 って…何の天才かもわかんないけど。
 でも、さすが槇ね。
 単なる研修じゃなく、自らグイグイ攻めるなんて。
 私も…この前のプレゼン相手の正体を詳しく聞き出そうかしら。」
「…それ、復讐目的だろ…。神楽。
 さすがに新生院相手にそれやったら、抹殺されるぞ。」

 奈落が呆れ気味に、神楽さんに突っ込んだ。
 
 京友禅…加賀友禅…そうだ…もしかしたら…。

 「あ、あの…えっと…着物の反物とかの…切れ端とかって…譲って貰える物なんでしょうか?」
 
 僕は奈落の背中にしがみつきながら、小さな声で神楽さんに問いかけてみた。
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