『有意義』なお金の使い方!~ある日、高1の僕は突然金持ちになっちゃった!?~

平塚冴子

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情報とは最大の武器である

第19話

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 僕がワザと落ち込んだフリをしていたせいか、宮地達は多少なりとも満足しているようで、その後昼休みまで何もしてこなかった。

 昼休みに入って、僕は保健室へと急いだ。
 神谷先輩が待ってるかもしれない。
 宮地達が付いて来てないのを確認しつつ、僕は保健室に辿り着いた。

 ガラガラ。

 ゆっくりと扉を開けると、すでに神谷先輩は来ていて、土屋先輩もそこにいて、何やら2人で話していた。
 僕が入って来たのを見て、土屋先輩が手を振った。

「こんにちは!
 この前はどうもありがとう!
 すっごく楽しかったわ!」
「こんにちは。
 そうですね。
 僕も楽しかったです。」
「神谷君から休み中に森園さんについてのメッセージがあって、ちょっとビックリしちゃった。
 有村君、1年の方では森園さんの噂って出回ってるの?」
「あ、いえ名前までは…。
 でも自殺未遂の噂ならゴールデンウィーク前にはすでに広がっていたみたいです。
 おそらく、2年程は噂になってないと思います。」
「そっか、ならやっぱり2年の先生が1年の教師に口止めしたり、規制をしてるのかも。
 知ってる?
 2年のクラスへ上がる階段に、ここ2週間教師が立ってるの。
 おそらく、噂の監視してるんだと思うのよね。」
「ええっ!そんなことまで?
 随分と神経質なんですね。
 まだ登校してもいないのに。」
「そうなのよね。
 逆にそんな雰囲気作られたんじゃ、森園さんが辛くなっちゃうと思うのよね。
 痛いものに触るような態度って、意外と傷付くものじゃない?」
「土屋さん、わかるよ~それ。
 そうなんだよね。
 僕も同じクラスの雰囲気としてあり得ないと思うんだよ。
 女子は女子でピリピリとヒステリックに当り散らしてるし…はあ。
 あ!有村君、お弁当食べなよ!
 時間なくなっちゃうよ!」
「あっはい。ありがとうございます。
 神谷先輩。」

 僕は神谷先輩に促されて、椅子と小さなテーブルを移動して2人の間に入った。

「そういえば…土屋さん、今朝は遅く登校したんだね。」
「ああ、登校は遅くはなかったのよ…そうだ!
 1年にピアノの上手い子なんている?
 男子!」
「さぁ。全員は知らないから…。
 何とも。」
「今朝、音楽室で美しいピアノの音が聴こえてね。
 覗いて見たら、小柄で色白の線の細い美少年が、軽やかにモーツアルトを奏でていたのよ!
 もう、ウットリしちゃった。」
「僕には、思い当たる生徒はいませんが…転校生とかかな?」

 …見慣れない生徒と言えば…今朝の幽霊…。
 あの人は3年…?でも、変な感じがした。
 気配のない人間…。
 まるで訓練されたように、ならない足音…。
 ピアノを弾く美少年…。
 無関係だろうとは思うけど…不思議が続くと、意味がありそうな気がしてしまう。

「そっかぁ。残念。
 クラスがわかれば見に行こうと思ったのに。
 凄く綺麗な旋律だったのよ~。」
「はあ。」

 僕と神谷先輩は顔を見合わせて、呆気に取られた。

「森園先輩の登校を前にして、2年の先生はどういう対応をしてるんですか?」
「主に情報規制だけど…生徒指導の先生と風紀委員会が常にウロウロしていて、それもあってイジメ首謀者達は戦々恐々でピリピリが酷い!」
「そうなのよね!空気が張り詰めて最悪!
 女子トイレなんて、暴言の吐き場所と化してるから、落ち着いて入れやしない!」
「あ、そ、そうなんですか…はは。
 2年も大変ですね。
 でも、それって逆に陰湿化してしまうんじゃないですか?」
「そう!それそれ!
 まさに僕が八つ当たりになってる理由だよ!
 高校生活ってもっと華やかで楽しいのをイメージしてたのに!
 ダークサイドだよ!暗黒女子帝国だよ!」

 神谷先輩がエキサイトして来た。

「だ、大丈夫ですか…?」
「今日だって、吊るし上げられたんだ!
 森園さんの家にスパイで入れとか、言われるし、ズボンのベルトを抜かれて隠されるし!
 陰ではやりたい放題なんだ!
 ストレス溜まってるからって、やっていい事と悪い事があるだろう!
 女のくせに、バカ力だし!」
「神谷君はもう生け贄状態だよねー。
 逆に、早く森園さんが登校して来ないと、神谷君の身が持たないかも。
 私の場合は逆だなぁ。
 ヘタな事チクられるんじゃないかって、みんな避けて通る感じ。
 触らぬ神に祟りなし!ってね。」

 本当だ…神谷先輩の方がメンタルやられてる感じだ…。
 参ったな、僕の方はともかく、先輩達の件は当事者の話しが全く聞けない。
 解決法を考える術がない。
 それこそ、森園先輩が登校してくれるしか…。
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