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スパイ活動と保健室同盟(仮)
第16話
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午後は僕の予想通り、宮地に構われる事なく滞りなくスムーズに過ぎて行き、いよいよ放課後か近づいて来た。
あと、帰りのホームルームを終えれば…。
「えー、午前中…廊下で何やら揉め事があったそうだな、宮地!」
えっ…ええええ~~!今頃~!?
何故蒸し返すんだよ!先生!
いつもは怪我とかしなきゃ喰い付いて来ないじゃん!
空気読めよ!
そんな事知ったって、どうせ握り潰して、何事もなかったようにするくせに!
斜め後ろの宮地の周りの空気が一変に変わったのが、背中の感覚でわかった。
「何もありません!
ぶつかって来た有村君に、持っていたジュースをこぼしただけです。
偶然ですよ!偶然!
それとも何ですか?
俺が…ワザと…有村君にかけたと?
ほら!有村!説明してやれよ!」
ビクッ!
くそッ!先生が余計な事するから、火がついちゃったじゃないか!
今は困るんだよ!
これから、保健室同盟(仮)と図書室へ向かわなきゃならないんだ。
僕は心の中で、無神経な担任を恨んだ。
ガタッと奥歯を噛み締めながら、僕は立ち上がった。
「…本当です。
僕が先にぶつかって…。
お騒がせして、すいませんでした。」
僕は何よりも、この場を収める事だけに集中した。
言い訳も、反抗もしない。
目的の為になら、ちっぽけなプライドなんて窓から放り投げてやる!
今は、こんな事に足を引っ張られてる場合じゃないんだ!
深々と机にひたいを押し付ける程下げて、謝った。
「おいおい!有村!
謝るのは先生にじゃねーだろ。
悪者扱いされた俺に謝れ。」
宮地は勝ち誇ったように胸を踏ん反り返って、顎で指示をした。
クラスはザワつき、話しを持ち出した担任は透明人間の様に存在感を消した。
僕は宮地に言われるままに後ろを向き、再び頭を下げた。
確かに、胸の中はムカムカしたし、暴れたい気持ちも無くは無かった。
けど、こんな事で僕の計画を無駄にするなんてのはもっと嫌だった。
「周りを誤解させて、すいませんでした。」
「ほーら。先生!
本人もそう言ってるんだ!
わかったろ!」
「あ、まあ。気を付けろ。
今、校内はそういう事に敏感になってる。
特に、2年の先生方はピリピリしてる。
下手な噂や騒ぎは慎むように!
座っていいぞ!有村!」
僕は下を向きながら、そのまま着席した。
教師って…どうして、物事をキチンと見ようとしないんだろう。
都合のいい見える物と都合の悪い見えない物を区別して、その上で威圧的な態度をとる。
何故全てを見ようと努力しないんだ?
生徒には努力しろ!根性見せろ!って言うくせに…。
この人が守りたいのは生徒じゃなく、自分の公務員としての安定と、給料だ。
人に物事を教えたいとかいう崇高な考えで、教師になる人間が、今の世の中…ほとんどいないんじゃないか?
宮地よりも担任の大人としての態度が、僕には腹立たしく、哀しかった…。
とにかくこれで今日、宮地は僕に2勝した訳で、ご満悦だろう。
気持ちを切り替えよう!
これから保健室同盟(仮)の初活動だ!
それも、早川さんと接触する最大のチャンスだ!
このチャンスを逃してたまるもんか。
僕はその後のホームルームを無心でやり過ごし、ホームルーム終了のチャイムが鳴り響くとすぐに席を立ち、鞄を脇に抱えて脇目も振らずに保健室に直行した。
あと、帰りのホームルームを終えれば…。
「えー、午前中…廊下で何やら揉め事があったそうだな、宮地!」
えっ…ええええ~~!今頃~!?
何故蒸し返すんだよ!先生!
いつもは怪我とかしなきゃ喰い付いて来ないじゃん!
空気読めよ!
そんな事知ったって、どうせ握り潰して、何事もなかったようにするくせに!
斜め後ろの宮地の周りの空気が一変に変わったのが、背中の感覚でわかった。
「何もありません!
ぶつかって来た有村君に、持っていたジュースをこぼしただけです。
偶然ですよ!偶然!
それとも何ですか?
俺が…ワザと…有村君にかけたと?
ほら!有村!説明してやれよ!」
ビクッ!
くそッ!先生が余計な事するから、火がついちゃったじゃないか!
今は困るんだよ!
これから、保健室同盟(仮)と図書室へ向かわなきゃならないんだ。
僕は心の中で、無神経な担任を恨んだ。
ガタッと奥歯を噛み締めながら、僕は立ち上がった。
「…本当です。
僕が先にぶつかって…。
お騒がせして、すいませんでした。」
僕は何よりも、この場を収める事だけに集中した。
言い訳も、反抗もしない。
目的の為になら、ちっぽけなプライドなんて窓から放り投げてやる!
今は、こんな事に足を引っ張られてる場合じゃないんだ!
深々と机にひたいを押し付ける程下げて、謝った。
「おいおい!有村!
謝るのは先生にじゃねーだろ。
悪者扱いされた俺に謝れ。」
宮地は勝ち誇ったように胸を踏ん反り返って、顎で指示をした。
クラスはザワつき、話しを持ち出した担任は透明人間の様に存在感を消した。
僕は宮地に言われるままに後ろを向き、再び頭を下げた。
確かに、胸の中はムカムカしたし、暴れたい気持ちも無くは無かった。
けど、こんな事で僕の計画を無駄にするなんてのはもっと嫌だった。
「周りを誤解させて、すいませんでした。」
「ほーら。先生!
本人もそう言ってるんだ!
わかったろ!」
「あ、まあ。気を付けろ。
今、校内はそういう事に敏感になってる。
特に、2年の先生方はピリピリしてる。
下手な噂や騒ぎは慎むように!
座っていいぞ!有村!」
僕は下を向きながら、そのまま着席した。
教師って…どうして、物事をキチンと見ようとしないんだろう。
都合のいい見える物と都合の悪い見えない物を区別して、その上で威圧的な態度をとる。
何故全てを見ようと努力しないんだ?
生徒には努力しろ!根性見せろ!って言うくせに…。
この人が守りたいのは生徒じゃなく、自分の公務員としての安定と、給料だ。
人に物事を教えたいとかいう崇高な考えで、教師になる人間が、今の世の中…ほとんどいないんじゃないか?
宮地よりも担任の大人としての態度が、僕には腹立たしく、哀しかった…。
とにかくこれで今日、宮地は僕に2勝した訳で、ご満悦だろう。
気持ちを切り替えよう!
これから保健室同盟(仮)の初活動だ!
それも、早川さんと接触する最大のチャンスだ!
このチャンスを逃してたまるもんか。
僕はその後のホームルームを無心でやり過ごし、ホームルーム終了のチャイムが鳴り響くとすぐに席を立ち、鞄を脇に抱えて脇目も振らずに保健室に直行した。
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