『有意義』なお金の使い方!~ある日、高1の僕は突然金持ちになっちゃった!?~

平塚冴子

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スパイ活動と保健室同盟(仮)

第17話

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 廊下を早歩きで進み、額に汗をかきながら保健室に行くと、すでに2人の先輩は先にいて僕を待っていてくれた。

「遅~い!
 もう、私なんて楽しみで楽しみで、午後の授業全く頭に入らなかったのよ!」
「それ、自慢出来る事じゃないよ。土屋さん。
 有村君も来たし、そろそろ行こうか?」
「あ!その前に…もう1人忘れてない?
 大事な人に報告しなきゃ!」
「大事な人に…報告ですか?えっ…と。」
「ハッキリ言ってくれないかな土屋さん。」
「加納先生よ!先生は保健室同盟(仮)の(仮に)顧問なんだから。」
「(仮)多いですね。
 でも、確かに加納先生には報告義務があるかもしれませんね。
 何せ活動拠点は保健室同盟(仮)を名乗る以上、ここって事になりますから。」
「そうか。
 加納先生には活動内容報告だけでもしとかないといけないよな。
 じゃあ、これから職員へ行ってから図書室に行こうか?」

ガラガラ。

「あれ…何かの相談?ちょっと怪しくみえるよ。」

 白衣に左手を突っ込んで、加納先生が室内に入って来た。

「ちょうど良かった~!先生!
 報告があります。
 保健室同盟(仮)の活動内容が決まりました。」
「えっ…本気だったの?
 まあ、楽しそうでいいけど…。
 で、何するの?」
「噂解明です。
 噂の出所や、真実を見つけて楽しむだけです。
 別に公表したり自慢したりしません。
 それまでのプロセスを楽しみたい感じで。」
「なるほど…昔の少年少女探偵団的な感じだね。
 若いから出来る感じがするね。
 わかりました、危険な事や事件になりそうな事には深入りしないと約束して下さい。
 いいですね。
 でないと、ここを使用禁止にせざるを得なくなりますから。」
「さすが~!加納ちゃん!話がわかる!」
「土屋さん…いくら君より小柄だからって加納ちゃんはないでしょう。
 一応、保険医といえ先生ですし。」
「テヘっ。すいません。
 これから早速、活動開始なのでテンション上がっちゃってるんです。」

 土屋さんのテンション上がりっぷりに男3人は少し引いてしまった。

「コホン!えっと、先生もご存知の図書室の怪人の噂を解明しようかと。
 結局、解明されないで怪談話化してますし。
 けど…現象は何度かその後も起きてますよね。
 暇つぶしの同盟活動にはもってこいなんです。
 場所も図書室なので危険性も少ないですし。
 いいですよね。」
「ああ、あの噂ね。
 教師の間では野良猫が入り込んで暴れたんじゃないかって事になってるらしいけど。
 被害も多くはないんで警察沙汰にも出来ないんだ。
 解明したら僕も教えて貰えるかな。
 楽しみにしてるよ。
 頑張って。」

 にこやかに僕達を保健室から送り出す、加納先生。
 やっぱり、加納先生は話のわかる数少ない先生だ。
 権力や威厳はないけど、生徒の気持ちをちゃんと聞いて理解しようとしてくれる。
 
 確かに弱いと言えば弱いのかもしれない…けど、無能な教師が権力や威厳と言う名の金棒を軽々しく振り回して、生徒を自分の意のままにしようとするなら、僕はその教師の方が、人として弱い人間のような気がする…金棒がなければ、まともな行為をすることさえ出来ない…情けない大人だ。

 僕等は加納先生に手を振りながら、保健室を出て校内奥の図書室に向かった。

 加納先生のおかげで、リラックスできた気がする。
 さて…保健室同盟(仮)の初活動だ。
 そして…僕の宮地攻略のパズルのピースを得るための、情報収集。
 その糸口を掴まなきゃ。
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