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図書室の怪人と夜のデート
第1話
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図書室は薄暗い校内の端の奥にあって、旧校舎に続く廊下との境にある。
下駄箱と真反対の位置にあるためか、マニアかかなりの本好きか、勉強大好きな生徒しかここにはいないと土屋先輩は廊下を歩きつつ力説した。
「土屋さんの情報はどこか変な方向に偏ってるよなぁ。
それって偏見だよ。」
「あら失礼ね。
本当よ!行ったらわかるわ。
あそこの雰囲気はまさに妖気漂う辺境なんだから。」
「何ですか…その例え方…。」
なんだかトリオ漫才でもしてるかのような気分になって来た。
土屋先輩は確かに、女子の集団には似合わない…でも、変わってる分2倍3倍くらい面白い。
そこら辺の普通を気取ってる女子より全然魅力的だと僕は思った。
そんな他愛のない会話をしながら、ようやく図書室の前までやって来た。
旧校舎との境目の廊下があるせいか、本当に妖気漂う感じがした。
僕達3人は思わず、同時に深呼吸した。
「い…行くわよ!」
「なんで急にビビってんの?土屋さん!」
「ビビってなんかないわよ!
この入りにくい雰囲気に抵抗感があったのよ!」
「じゃあ、僕が開けますね。」
僕はゆっくりと扉を開けて、覗き込むような体勢で中へ入った。
プーンと本や書物の独特の香りが鼻先をかすった。
室内は陽当たりを避けるためか、薄暗く電気スタンドが数ヶ所設置してあった。
確かに、本には最適な場所だが雰囲気は怪しい感じだ。
どこかの魔法学校の図書室に酷似してるとさえ思えた。
人影も図書委員らしき人が数人いるだけで、他に生徒は見当たらなかった。
「いらっしゃい。
初めてですか?」
図書委員の腕章を付けた女生徒が僕等に話しかけて来た。
「あ、あの…。」
「こっちの端末で、好みの本の場所を検索出来るわよ。」
急に話しかけられて、ドギマギしてる僕の後ろから、土屋先輩が身体を乗り出して来た。
「ごめんなさい。
実は私達、本を借りに来たわけじゃないの。
図書委員の人に話しを聞きたくて。」
「えっと…ニュース同好会の人ですか?」
「違います!違います!
土屋さん、僕が話すよ。
君が話すとトラブルになりそうな気がする。」
「失礼ね!神谷君は、私を何だと思ってるの?」
「まあ、まあ。
ここは神谷先輩主導で行きましょう。」
僕は土屋先輩をなだめつつ、辺りを見回した。
…早川さん今日はいないのかな…?。
「お忙しい中すみません。
実は、同好会という訳ではありませんが、僕等は謎解明をする集まりなんです。
僕は2年の神谷です。
彼女は2年の土屋さん、で彼は1年の有村君。
3人で活動しています。」
「…謎解明…?」
「ええ、1月頃から図書室の怪人の噂を聞きまして…モヤモヤするので少し調べてみようと…。」
「はあ…。
私は3年の図書委員長、三谷です。」
明らかに不快感を表した表情で、僕等を観察するように女生徒は眺めた。
「興味本位でアレコレ騒ぎ立てていますが、ここの本棚は老朽化も著しいんです。
何せ、旧校舎のをそのまま持って来たんです。
歪んで斜めの物もいくつか。
おそらく地震でも簡単に1月の事件と酷似した状態になり得るんです。
それ程騒ぐ事ではなかったんです。
ただ、話しに聞いたところによると、1月の時は3年が鍵を閉めて帰宅し、翌日開けた生徒は1年生で、そういった状況に不慣れなために、騒いでましまったようですよ。」
「確かに…木製で、古く少し斜めの物もある…でもこれって危険ですよね。
早く申請して新しいのを購入して貰った方がいいんじゃないですか?」
「それが…難しくて。
実際、図書室の利用者は年々減少してます。
また、ネットから本を読む人も増えてるので、学校としても新たな本棚を購入する余裕が無いんです。
ですから上2段目までは本を置かないようにしてます。
本が頭上から落ちてこないための配慮です。」
…確かに違和感があった…、本棚の上2段には何一つ置かれていないのだ。
僕は神谷先輩と話す図書委員長とは真逆にいた受け付けの女生徒に、意見を述べて見た。
「あの…すみません、その対策ならもっと強化出来るんじゃないですか?
現象は未だに続いているんですよね。」
僕の突っ込みに、明らかにドキリとした表情を浮かべた受付の女生徒…2年か3年?…何か隠してる気がするんだけど。
「対策…ですか?」
「はい。
もし、揺れが原因なら、本の下数センチの高さでタコ糸を張ればいいんです。
棒よりは本を取りやすいでしょうし、少しの地震くらいなら本がある落ちるのを防ぐことが出来ます。」
「そ、そうね…意見としては参考にさせてもらおうかしら。」
動揺してる…やはり図書委員は何かを隠してる…僕はそう感じていた。
下駄箱と真反対の位置にあるためか、マニアかかなりの本好きか、勉強大好きな生徒しかここにはいないと土屋先輩は廊下を歩きつつ力説した。
「土屋さんの情報はどこか変な方向に偏ってるよなぁ。
それって偏見だよ。」
「あら失礼ね。
本当よ!行ったらわかるわ。
あそこの雰囲気はまさに妖気漂う辺境なんだから。」
「何ですか…その例え方…。」
なんだかトリオ漫才でもしてるかのような気分になって来た。
土屋先輩は確かに、女子の集団には似合わない…でも、変わってる分2倍3倍くらい面白い。
そこら辺の普通を気取ってる女子より全然魅力的だと僕は思った。
そんな他愛のない会話をしながら、ようやく図書室の前までやって来た。
旧校舎との境目の廊下があるせいか、本当に妖気漂う感じがした。
僕達3人は思わず、同時に深呼吸した。
「い…行くわよ!」
「なんで急にビビってんの?土屋さん!」
「ビビってなんかないわよ!
この入りにくい雰囲気に抵抗感があったのよ!」
「じゃあ、僕が開けますね。」
僕はゆっくりと扉を開けて、覗き込むような体勢で中へ入った。
プーンと本や書物の独特の香りが鼻先をかすった。
室内は陽当たりを避けるためか、薄暗く電気スタンドが数ヶ所設置してあった。
確かに、本には最適な場所だが雰囲気は怪しい感じだ。
どこかの魔法学校の図書室に酷似してるとさえ思えた。
人影も図書委員らしき人が数人いるだけで、他に生徒は見当たらなかった。
「いらっしゃい。
初めてですか?」
図書委員の腕章を付けた女生徒が僕等に話しかけて来た。
「あ、あの…。」
「こっちの端末で、好みの本の場所を検索出来るわよ。」
急に話しかけられて、ドギマギしてる僕の後ろから、土屋先輩が身体を乗り出して来た。
「ごめんなさい。
実は私達、本を借りに来たわけじゃないの。
図書委員の人に話しを聞きたくて。」
「えっと…ニュース同好会の人ですか?」
「違います!違います!
土屋さん、僕が話すよ。
君が話すとトラブルになりそうな気がする。」
「失礼ね!神谷君は、私を何だと思ってるの?」
「まあ、まあ。
ここは神谷先輩主導で行きましょう。」
僕は土屋先輩をなだめつつ、辺りを見回した。
…早川さん今日はいないのかな…?。
「お忙しい中すみません。
実は、同好会という訳ではありませんが、僕等は謎解明をする集まりなんです。
僕は2年の神谷です。
彼女は2年の土屋さん、で彼は1年の有村君。
3人で活動しています。」
「…謎解明…?」
「ええ、1月頃から図書室の怪人の噂を聞きまして…モヤモヤするので少し調べてみようと…。」
「はあ…。
私は3年の図書委員長、三谷です。」
明らかに不快感を表した表情で、僕等を観察するように女生徒は眺めた。
「興味本位でアレコレ騒ぎ立てていますが、ここの本棚は老朽化も著しいんです。
何せ、旧校舎のをそのまま持って来たんです。
歪んで斜めの物もいくつか。
おそらく地震でも簡単に1月の事件と酷似した状態になり得るんです。
それ程騒ぐ事ではなかったんです。
ただ、話しに聞いたところによると、1月の時は3年が鍵を閉めて帰宅し、翌日開けた生徒は1年生で、そういった状況に不慣れなために、騒いでましまったようですよ。」
「確かに…木製で、古く少し斜めの物もある…でもこれって危険ですよね。
早く申請して新しいのを購入して貰った方がいいんじゃないですか?」
「それが…難しくて。
実際、図書室の利用者は年々減少してます。
また、ネットから本を読む人も増えてるので、学校としても新たな本棚を購入する余裕が無いんです。
ですから上2段目までは本を置かないようにしてます。
本が頭上から落ちてこないための配慮です。」
…確かに違和感があった…、本棚の上2段には何一つ置かれていないのだ。
僕は神谷先輩と話す図書委員長とは真逆にいた受け付けの女生徒に、意見を述べて見た。
「あの…すみません、その対策ならもっと強化出来るんじゃないですか?
現象は未だに続いているんですよね。」
僕の突っ込みに、明らかにドキリとした表情を浮かべた受付の女生徒…2年か3年?…何か隠してる気がするんだけど。
「対策…ですか?」
「はい。
もし、揺れが原因なら、本の下数センチの高さでタコ糸を張ればいいんです。
棒よりは本を取りやすいでしょうし、少しの地震くらいなら本がある落ちるのを防ぐことが出来ます。」
「そ、そうね…意見としては参考にさせてもらおうかしら。」
動揺してる…やはり図書委員は何かを隠してる…僕はそう感じていた。
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