『有意義』なお金の使い方!~ある日、高1の僕は突然金持ちになっちゃった!?~

平塚冴子

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図書室の怪人と夜のデート

第4話

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「ちょっと!2人で何してんのよ。本なんかいいから行くわよ!」

 土屋さんの非情な声が響いた。

「あの!ここは図書室です。
 本なんかってね…。
 はあ。
 せめて静かにして下さい!」

 図書委員長が頭を抱えてイライラして、苦虫を噛みしめるような顔で土屋先輩を睨んだ。

 僕と神谷先輩は慌てて受付の所に戻り、1冊づつ本を差し出した。

「借ります。
 1週間…図書カードに記入お願いします。」
「僕もお願いします。
 すいません、土屋さんはちょっと変わってる人なんで…見逃して下さい。」

 土屋先輩のフォロー(?)で僕と神谷先輩は本を1週間借りる事になった。

「クスクス。
 いつも誰も居ない図書室…たまには騒がしいのも、楽しくていいかも知れないわ。
 毎日はお断りですけど。」

 早川さんは肩をすくめて、図書カードに記入してくれた。
 この人…宮地を叱るだけあって、まともな感覚の持ち主なんじゃないのかな。
 委員長でさえ取り乱す、土屋先輩の個性を否定しないなんて…。

 僕は少しだけ…嬉しくなった。
 宮地の周りにはまともな人間なんて居ないと思っていたからだ。
 
 今すぐに、宮地のした事を話して、協力してもらいたい気持ちを抑えて、僕は本を受け取った。
 そこまで親しくなった訳じゃないのに、幼馴染みの事を告げ口するなんて、逆に嫌な奴と思われてしまう。
 そんな事は避けなければならない。
 あくまでも、早川さん自身が僕の味方になってくれるように仕向けなければ…。

「さあ行くわよ!2人とも!」

 僕と神谷先輩の襟首を掴んで引きずるようにして土屋先輩は図書室から出た。
 女子に2人の男子が引きずられるという無残な絵面…小柄ってのはやっぱり損だ。
 僕はつくづくそう思った。

「マイペースなのはいいけど、相手に失礼過ぎだよ土屋さん。
 もう少し、相手の立場や気持ちも考えないと。」
「考えたから早々に出て来たのよ。
 ほら!保健室に行くわよ!
 同盟会議よ!」
「ちょっとは僕の話も聞けよな~!」

 神谷先輩と土屋先輩の夫婦漫才を横で聞きつつ、保健室を目指して僕等は歩いた。
 どうやら、土屋先輩はさっきのレポート用紙に書かれた事を話したいらしい。
 確かに気になる。
 土屋先輩は何かに気が付いたのかな?
 それとも僕等の意見を早く聞きたかったのかな?

 保健室に直行すると、加納先生が机で仕事をしているようだった。
 僕等が入って来たのに気が付き、こちらを向いた。

「お帰り。
 どうだい?同盟活動は。
 図書室の怪人のシッポは掴めそうかい?」

 優しい問いかけに、ほっこり癒されたのも束の間、土屋先輩が興奮気味に話し始めた。

「情報は手に入れました。
これから、同盟会議を開くんですよ!
 加納先生も参加して下さい!
 是非!意見を参考に!」
「えっ、ああ。
 けど…こういうのは自分達だけの方がいいんじゃないかな。
 その方が解明した時の喜びもひとしお、というところなんじゃないかな。」
「それはそうですけど…頼りないでしょ、このメンツ!
 いざという時には意見を下さいよ。」

 酷い言われようだな僕と神谷先輩。

「僕もそれほど頼りにはならないよ。
 それでもいいのなら。」
「ありがとうございます。
 あら…今気が付いた。
 私、白雪姫みたい!」
「何言ってんの?土屋さん?」
「土屋先輩…それって…。」

 自分を華美してると言うより、僕等を小馬鹿にしてる様にしか…。

「あははは。確かに。
 土屋さん以外は神谷くんも有村君も、僕も小柄でミニマムサイズだからね。
 文化祭に小人のコスプレでもしたら受けそうだね。」

 加納先生は笑い飛ばしてるけど、神谷先輩と僕は複雑な表情をしたまま椅子に座った。
 とりあえず、3人で向かい合う形で椅子に腰掛けた。
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