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図書室の怪人と夜のデート
第12話
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翌朝、僕は昨夜の疲れが残る、少しだけ気だるい身体を無理に起こして、学校登校の支度を始めた。
今日は図書室が休館だし、放課後は他校の生徒に宮地の情報を聞き出す為に奈落と約束をしている。
確か…曙高校のバスケ部の向井君。
保健室同盟(仮)の活動は放課後前までだな。
神谷先輩は別方向から調べてみると言っていたっけ。
心当たりがあるのかな…。
謎解明をし始めて、神谷先輩が何だか頼もしく思えてきた。
僕より小さいけど、やる時はやるって感じがいつもの控えめな態度とのギャップで更にカッコいい。
まあ、土屋先輩が道を外しまくるから、しっかりしないと…って思ってるのかも知れないな。
ふむ…そう考えると、今日は早川さんに接触する機会はなさそうだ。
宮地の情報収集は放課後に持ち越しかも。
顔をバシャバシャと洗い流しながら、今日の予定をアレコレと考えていた。
「おはよう恵。
お弁当忘れないでね。」
「おはよう母さん。
大丈夫、しっかり持って行くよ。」
僕はキッチンのテーブルに置かれた弁当を、鞄に押し込んだ。
そして、落ち着きなく立ったままで牛乳を流し込みトーストを咥えた。
「お行儀悪いわよ。」
「ごめん、急いで学校に行きたいんだ。」
「まぁ、最近楽しそうね。
若いっていいわね。」
母さんにたしなめられながらも、大急ぎで学校へ行く準備をした。
ふと、思った…図書室は早朝から鍵を開けるのかな?
そうじゃないのなら、閉まってる時間は始業から放課後2時間程度までという事だよな。
鍵の閉まってる図書室を覗いてみようか…。
好奇心は僕の行動スピードを上げて行く。
「行ってきまーす!」
慌ただしく、僕は自転車のカゴに鞄を入れて、自転車にバッテリーと鍵を差し込んだ。
思い切りペダルを踏んで風を切って赤い自転車で一気に走り出した。
また、新しい今日の始まりだ!
ピロリロリーン!
学校への坂道の途中でスマホが鳴った。
奈落からのメッセージだ。
『おはよう!
今朝はご機嫌だな。
そんな有村に、曙高校の向井との約束を取り付けてやったぞ…まあ、樹がやったんだけど。
駅前の曙高校行きのバス停に放課後乗って移動する。
自転車は駅前に駐輪してくれ。
俺が一緒に行くんだ安心しろ。』
よし!予定通りだ。
奈落が一緒なら話しを進めやすいかも。
僕と一対一じや、何か話してるうちに、色々深く聞き出そうとし過ぎて、引かれそうだし。
奈落なら場を和ませたりしてくれるはず。
『おはよう。
了解です。
帰りは保健室には寄らないで真っ直ぐ、駅に向かうよ。』
送信。
奈落にメッセージを送り、再び学校を目指して走り出した。
そうだ、神谷先輩に朝か昼に、放課後に用事がある事を伝えておこう。
待ってたりしたら、迷惑かかるし。
土屋先輩にも少しだけ釘を刺した方がいいかな。
最近、テンション高くて暴走気味だし。
スパイ活動もしてる最中、あまり派手に動き回られても、こっちが困ってしまう。
少しだけ抑えめにしてもらわないと。
まぁ、静かな土屋先輩は見たくはないんだけど。
学校に到着して、駐輪場で鍵を二重に掛けた。
「よし。
保健室へ行く前に、図書室を覗いてみよう。
鍵は掛かっていても、窓から覗けるよな。
朝陽も明るいし。
人間がいるならわかるだろう。
誰もいなければ、それはそれだ。」
僕は鞄を片手に、図書室を目指した。
旧校舎に近いせいもあってか、誰一人として生徒に会わずに、図書室の扉の前に辿り着いた。
「ん…やっぱり、人の気配はしないな…。」
図書室の扉を確認すると鍵はちゃんと掛かっていた。
窓から見ると、図書室は本棚がある事から全体的に見渡せるという感じではないものの、人が動いたりすればわかりそうな感じだった。
耳を澄ませてみても、物音がしなかった。
ふむ…やっぱり深夜なのかな。
早朝には何も無いのかな。
いやいや…樹さんだって、地道な情報集めが大切だって言ってたし、しばらくこの図書室から保健室へ行くルーティンを続けてみよう。
僕は身を翻し、図書室の前から立ち去ろうとした。
フッ。
「えっ…。」
目の端に図書室の窓の向こう側から何かが横切ったように見えた。
けれど、やはり何も見えなかった。
気のせい…?
今日は図書室が休館だし、放課後は他校の生徒に宮地の情報を聞き出す為に奈落と約束をしている。
確か…曙高校のバスケ部の向井君。
保健室同盟(仮)の活動は放課後前までだな。
神谷先輩は別方向から調べてみると言っていたっけ。
心当たりがあるのかな…。
謎解明をし始めて、神谷先輩が何だか頼もしく思えてきた。
僕より小さいけど、やる時はやるって感じがいつもの控えめな態度とのギャップで更にカッコいい。
まあ、土屋先輩が道を外しまくるから、しっかりしないと…って思ってるのかも知れないな。
ふむ…そう考えると、今日は早川さんに接触する機会はなさそうだ。
宮地の情報収集は放課後に持ち越しかも。
顔をバシャバシャと洗い流しながら、今日の予定をアレコレと考えていた。
「おはよう恵。
お弁当忘れないでね。」
「おはよう母さん。
大丈夫、しっかり持って行くよ。」
僕はキッチンのテーブルに置かれた弁当を、鞄に押し込んだ。
そして、落ち着きなく立ったままで牛乳を流し込みトーストを咥えた。
「お行儀悪いわよ。」
「ごめん、急いで学校に行きたいんだ。」
「まぁ、最近楽しそうね。
若いっていいわね。」
母さんにたしなめられながらも、大急ぎで学校へ行く準備をした。
ふと、思った…図書室は早朝から鍵を開けるのかな?
そうじゃないのなら、閉まってる時間は始業から放課後2時間程度までという事だよな。
鍵の閉まってる図書室を覗いてみようか…。
好奇心は僕の行動スピードを上げて行く。
「行ってきまーす!」
慌ただしく、僕は自転車のカゴに鞄を入れて、自転車にバッテリーと鍵を差し込んだ。
思い切りペダルを踏んで風を切って赤い自転車で一気に走り出した。
また、新しい今日の始まりだ!
ピロリロリーン!
学校への坂道の途中でスマホが鳴った。
奈落からのメッセージだ。
『おはよう!
今朝はご機嫌だな。
そんな有村に、曙高校の向井との約束を取り付けてやったぞ…まあ、樹がやったんだけど。
駅前の曙高校行きのバス停に放課後乗って移動する。
自転車は駅前に駐輪してくれ。
俺が一緒に行くんだ安心しろ。』
よし!予定通りだ。
奈落が一緒なら話しを進めやすいかも。
僕と一対一じや、何か話してるうちに、色々深く聞き出そうとし過ぎて、引かれそうだし。
奈落なら場を和ませたりしてくれるはず。
『おはよう。
了解です。
帰りは保健室には寄らないで真っ直ぐ、駅に向かうよ。』
送信。
奈落にメッセージを送り、再び学校を目指して走り出した。
そうだ、神谷先輩に朝か昼に、放課後に用事がある事を伝えておこう。
待ってたりしたら、迷惑かかるし。
土屋先輩にも少しだけ釘を刺した方がいいかな。
最近、テンション高くて暴走気味だし。
スパイ活動もしてる最中、あまり派手に動き回られても、こっちが困ってしまう。
少しだけ抑えめにしてもらわないと。
まぁ、静かな土屋先輩は見たくはないんだけど。
学校に到着して、駐輪場で鍵を二重に掛けた。
「よし。
保健室へ行く前に、図書室を覗いてみよう。
鍵は掛かっていても、窓から覗けるよな。
朝陽も明るいし。
人間がいるならわかるだろう。
誰もいなければ、それはそれだ。」
僕は鞄を片手に、図書室を目指した。
旧校舎に近いせいもあってか、誰一人として生徒に会わずに、図書室の扉の前に辿り着いた。
「ん…やっぱり、人の気配はしないな…。」
図書室の扉を確認すると鍵はちゃんと掛かっていた。
窓から見ると、図書室は本棚がある事から全体的に見渡せるという感じではないものの、人が動いたりすればわかりそうな感じだった。
耳を澄ませてみても、物音がしなかった。
ふむ…やっぱり深夜なのかな。
早朝には何も無いのかな。
いやいや…樹さんだって、地道な情報集めが大切だって言ってたし、しばらくこの図書室から保健室へ行くルーティンを続けてみよう。
僕は身を翻し、図書室の前から立ち去ろうとした。
フッ。
「えっ…。」
目の端に図書室の窓の向こう側から何かが横切ったように見えた。
けれど、やはり何も見えなかった。
気のせい…?
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