『有意義』なお金の使い方!~ある日、高1の僕は突然金持ちになっちゃった!?~

平塚冴子

文字の大きさ
131 / 280
図書室の怪人と夜のデート

第16話

しおりを挟む
 早川さんは困惑した表情ながらも、動揺せずに宮地に近づいた。

「何…ケンカ?有村君と…。」

 廊下にへたり込んでいる僕をチラリと横目で見た。

 「な、何でもねぇよ!ホラどけよ!」

 宮地は動揺した様子で、ごまかすかのように人を追い払いながら、早川さんの横を通り過ぎた。
 早川さんはそんな宮地の背中を見ていたが、ゆっくりとこっちを振り返って、僕の側に来た。

「大丈夫?有村君…。
 もしかして、私の事で保っちゃん…宮地君に何か言われたの?
  昨日、図書室で色々聞かれたって話しちゃったから…ごめんなさい。」
「ううん、何でもないです。
 早川さんのせいじゃ…。」
「あの…私、別に図書室に来てくれるのを嫌がってはないわ。
 むしろ、ドンドン本を借りて読んで欲しいわ。
 だから…今回の事は気にしないで図書室に来て下さい。
 彼には私から言っておくから。」
「あ、ありがとうございます。
 でも…本当に早川さんのせいではないので気にしないで下さい。」
「…ありがとう。」

 早川さんはニッコリ笑うと、自分のクラスに戻って行った。

 「ふう。」

 僕も戻らなきゃ、1時間目始まっちゃうし、教師に見つかったらまたグダグダと下らない文句を言われてしまう。
 少しだけクラクラする頭を抱えながら立ち上がった。

 …しかし、ホモってBLって、何だよまったく…助けられた感動半減だなぁ。
 まあ、奈落らしいけど。
 確かに、あの場をあのセリフだけで変えてしまった。
 手を出すだけが助けるって意味じゃない。
 その場、その場での効率のいい助け方をしてくれるんだ。

 けど…やっぱり、あとで文句メッセージ送ろう。
 一言くらい文句言わなきゃ気が済まない。
 変な噂流されるかもしれないし。
 
 僕は少しだけ意地悪な笑いをしながら教室に戻った。


 1時間目の授業中に、僕は早川さんの事を考えていた。
 …図書室への利用者は場所がら少ない。
 …沢山利用して欲しいのが現状だ…けど…色々と聞かれるのは困る…。
 つまり…早川さんは何かを知っている。
 または、誰かと秘密の共有をしているのではないだろうか?
 そして…その秘密とは図書室の怪人に関係しているとしか思えない。

 そして、宮地は図書室の怪人とは無関係だろう。
 おそらく、図書室の事をアレコレ聞かれて困ってる事をついつい、宮地に早川さんが愚痴ってしまい、話しがややこしくなったって事かな。

 早川さんを思っての行動…それは恋愛感情があるからなのか、幼馴染みを助けたかったからなのか…とにかく早川さんは、いわゆる宮地にとって弱点の一つなのかも知れない。
 とすれば、やはり今日の曙高校の向井君の話しで、そこら辺も突っ込んで情報を手に入れたいな。

 それから、今回の事で早川さんは少しだけ僕に罪悪感を感じてる様子だった。
 人の弱みに付け込む事は本来ならしたくないんだけど、これはチャンスかもしれない。
今度図書室に行って、早川さんにダイレクトに接触してみよう。
 そして宮地の情報を更に手に入れよう。
 まあ…図書室の怪人はついでに…という事で。

 そうなんだ、僕の本当の目的はあくまでも宮地の情報を集める事。
 図書室の怪人はそれに関わる早川さんから、情報を引き出す為の行動なのだ。

 本来の目的を忘れてはいけない。
 僕は目的を達成して、成功ケースを作らなきゃ。
 来月には森園先輩も、病床から学校に復帰して来る。
 
 早川さんをダシに使うみたいだけど、僕の目的の為に彼女の存在は不可欠だと思えた。
 
 それに、おそらくだけと謎解明に至っては神谷先輩の方が1枚上手の様な気がするんだ。
 だから、神谷先輩主導で進めていけば、解明されそうな気がする。
 神谷先輩に対しては、そんな力を感じて信頼出来る存在になっていた。
 あとは、土屋先輩の行動力におんぶに抱っこしちゃおう。
 あのノリ易い性格は大いに利用価値がある。
 
 とにかく、今日は放課後の事にターゲットを絞って策を考えなきゃ。
 質問内容を考えよう。
 どこまで聞き出せるかわからないけど、向井君との接触は今回限りだ。
 あまり接触すると、彼に被害がいかないとも限らない。
 早川さんの件で学んだはずだ。
 チャンスは1度きりと考えて、出来るだけの情報を引き出せるように前準備しないと。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

「地味ブス」と捨てられた私、文化祭の大型スクリーンで王子様の裏の顔を全校生に配信します

スカッと文庫
恋愛
「お前みたいな地味女、引き立て役にもならないんだよ」 眼鏡にボサボサ頭の特待生・澪(みお)は、全校生徒が見守る中、恋人だった学園の王子・ハルトから冷酷に捨てられた。 隣には、可憐な微笑みを浮かべる転校生・エマ。 エマの自作自演により「いじめの犯人」という濡れ衣まで着せられ、学園中から蔑まれる澪。 しかし、彼女を嘲笑う者たちはまだ知らない。 彼女が眼鏡の奥に、誰もが平伏す「真実の美貌」と、学園さえも支配できる「最強の背景」を隠していることを――。 「……ねぇ、文化祭、最高のステージにしてあげる」 裏切りへのカウントダウンが今、始まる。 スクリーンの裏側を暴き、傲慢な王子と偽りのヒロインを奈落へ突き落とす、痛快・学園下剋上ファンタジー!

異世界ママ、今日も元気に無双中!

チャチャ
ファンタジー
> 地球で5人の子どもを育てていた明るく元気な主婦・春子。 ある日、建設現場の事故で命を落としたと思ったら――なんと剣と魔法の異世界に転生!? 目が覚めたら村の片隅、魔法も戦闘知識もゼロ……でも家事スキルは超一流! 「洗濯魔法? お掃除召喚? いえいえ、ただの生活の知恵です!」 おせっかい上等! お節介で世界を変える異世界ママ、今日も笑顔で大奮闘! 魔法も剣もぶっ飛ばせ♪ ほんわかテンポの“無双系ほんわかファンタジー”開幕!

異世界転生したおっさんが普通に生きる

カジキカジキ
ファンタジー
 第18回 ファンタジー小説大賞 読者投票93位 応援頂きありがとうございました!  異世界転生したおっさんが唯一のチートだけで生き抜く世界  主人公のゴウは異世界転生した元冒険者  引退して狩をして過ごしていたが、ある日、ギルドで雇った子どもに出会い思い出す。  知識チートで町の食と環境を改善します!! ユルくのんびり過ごしたいのに、何故にこんなに忙しい!?

1000年ぶりに目覚めた「永久の魔女」が最強すぎるので、現代魔術じゃ話にもならない件について

水定ゆう
ファンタジー
【火曜、木曜、土曜、に投稿中!】 千年前に起こった大戦を鎮めたのは、最強と恐れられ畏怖された「魔女」を冠する魔法使いだった。 月日は流れ千年後。「永久の魔女」の二つ名を持つ最強の魔法使いトキワ・ルカはふとしたことで眠ってしまいようやく目が覚める。 気がつくとそこは魔力の濃度が下がり魔法がおとぎ話と呼ばれるまでに落ちた世界だった。 代わりに魔術が存在している中、ルカは魔術師になるためアルカード魔術学校に転入する。 けれど最強の魔女は、有り余る力を隠しながらも周囲に存在をアピールしてしまい…… 最強の魔法使い「魔女」の名を冠するトキワ・ルカは、現代の魔術師たちを軽く凌駕し、さまざまな問題に現代の魔術師たちと巻き込まれていくのだった。 ※こちらの作品は小説家になろうやカクヨムでも投稿しています。

異世界で姪が勇者になったけれど、俺はのんびり料理屋を開く

夕日(夕日凪)
ファンタジー
突然姉が亡くなり、その遺児である姪の『椛音』を男手一つで育てていた元料理人の『翔』。 椛音が十六歳になった時。二人は異世界に召喚されて…!? 椛音は勇者として異世界を飛び回ることになり、椛音のおまけとして召喚された翔は憧れていた料理人の夢を異世界で叶えることに。 デスクレイフィッシュ、大猪、オボロアナグマ──。 姪が旅先から持ち込む数々の食材(モンスター)を使った店を、翔は異世界で開店する。 翔の料理を食べると不思議と力が湧くようで、いろいろな人物が店を来訪するように──。 ※表紙は小鶴先生に描いていただきました!

【完結】異世界で魔道具チートでのんびり商売生活

シマセイ
ファンタジー
大学生・誠也は工事現場の穴に落ちて異世界へ。 物体に魔力を付与できるチートスキルを見つけ、 能力を隠しつつ魔道具を作って商業ギルドで商売開始。 のんびりスローライフを目指す毎日が幕を開ける!

異世界召喚は7回目…って、いい加減にしろよ‼︎

アノマロカリス
ファンタジー
『おぉ、勇者達よ! 良くぞ来てくれた‼︎』 見知らぬ城の中、床には魔法陣、王族の服装は中世の時代を感じさせる衣装… 俺こと不知火 朔夜(しらぬい さくや)は、クラスメートの4人と一緒に異世界に召喚された。 突然の事で戸惑うクラスメート達… だが俺はうんざりした顔で深い溜息を吐いた。 「またか…」 王族達の話では、定番中の定番の魔王が世界を支配しているから倒してくれという話だ。 そして儀式により…イケメンの正義は【勇者】を、ギャルっぽい美紅は【聖戦士】を、クラス委員長の真美は【聖女】を、秀才の悠斗は【賢者】になった。 そして俺はというと…? 『おぉ、伝承にある通り…異世界から召喚された者には、素晴らしい加護が与えられた!』 「それよりも不知火君は何を得たんだ?」 イケメンの正義は爽やかな笑顔で聞いてきた。 俺は儀式の札を見ると、【アンノウン】と書かれていた。 その場にいた者達は、俺の加護を見ると… 「正体不明で気味が悪い」とか、「得体が知れない」とか好き放題言っていた。 『ふむ…朔夜殿だけ分からずじまいか。だが、異世界から来た者達よ、期待しておるぞ!』 王族も前の4人が上位のジョブを引いた物だから、俺の事はどうでも良いらしい。 まぁ、その方が気楽で良い。 そして正義は、リーダーとして皆に言った。 「魔王を倒して元の世界に帰ろう!」 正義の言葉に3人は頷いたが、俺は正義に言った。 「魔王を倒すという志は立派だが、まずは魔物と戦って勝利をしてから言え!」 「僕達には素晴らしい加護の恩恵があるから…」 「肩書きがどんなに立派でも、魔物を前にしたら思う様には動けないんだ。現実を知れ!」 「何よ偉そうに…アンタだったら出来るというの?」 「良いか…殴り合いの喧嘩もしたことがない奴が、いきなり魔物に勝てる訳が無いんだ。お前達は、ゲーム感覚でいるみたいだが現実はそんなに甘く無いぞ!」 「ずいぶん知ったような口を聞くね。不知火は経験があるのか?」 「あるよ、異世界召喚は今回が初めてでは無いからな…」 俺は右手を上げると、頭上から光に照らされて黄金の甲冑と二振の聖剣を手にした。 「その…鎧と剣は?」 「これが証拠だ。この鎧と剣は、今迄の世界を救った報酬として貰った。」 「今迄って…今回が2回目では無いのか?」 「今回で7回目だ!マジでいい加減にして欲しいよ。」 俺はうんざりしながら答えた。 そう…今回の異世界召喚で7回目なのだ。 いずれの世界も救って来た。 そして今度の世界は…? 6月22日 HOTランキングで6位になりました! 6月23日 HOTランキングで4位になりました! 昼過ぎには3位になっていました.°(ಗдಗ。)°. 6月24日 HOTランキングで2位になりました! 皆様、応援有り難う御座いますm(_ _)m

処理中です...