『有意義』なお金の使い方!~ある日、高1の僕は突然金持ちになっちゃった!?~

平塚冴子

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ハードで楽しい深夜のお仕事

第28話

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「それも、無きにしもあらずだけど、何よりも美的センスと発想力があるんでね。
 どちらもウチとしては喉から手が出るほど欲しい才能だ。」
「槇さん…!大袈裟です!
 僕なんて大した事ないんです。」

 褒められるのに慣れてないから耳まで真っ赤になった。

「それ…ボクも欲しいな…。
 イベントの企画ってハッキリ言ってどこかのパクリ…だし。
 アイデアって、そう簡単に出てこないんだよ…決まってる事…やるなら全身全霊で取り組めるんだけど…。」

 全身全霊過ぎて、その後このナマケモノ状態なんだ…奈落じゃないけど、どこかで力を抜けないのかな…?
 ジキルさんって細くて元々体力無さそうだし。

「そうだ、有村君の意見でパフォーマンスが少し変更になったから、打ち合わせ出来るかな?
 照明効果や音声効果も改めて検討したいんだ。」
「チビッコのアイデアねぇ。
 お手並み拝見といきますか?
  何せ、海外向けの初仕事だ。
 後で映像に残して貰えれば、いろんな媒体での宣伝も出来るしな。
 期待してるぞ。」

 ひええぇ!期待しないで~!
 もう、いっぱいいっぱいです!

 僕は内心ビクビクしながら、槇さんとジキルさん、ハイドさんの打ち合わせを遠目で見ていた。

「なるほどね…太鼓をフルに活かしたステージだね。
 これならシンプルなのに迫力を出せる。
 予算にも優しい…槇にもあった効率のいいステージだ。
 見せ場も太鼓の音に合わせれば、照明のタイミングも合いやすい。
 …ハイド!音響の設備はどの程度用意出来る?」
「デジタル処理すれば、それなりに機材の縮小は可能だ。」

 専門用語とか飛び交って、僕にはあまりに難しい会話だった。
 けど、さっきまでグッタリだったジキルさんがトマトジュース片手に少し仕事モードに入ったのに気が付いた。
 
 ハイドさんに負けず劣らずの鋭い眼差し…。
 真剣な視線は確かに冷酷執事のイメージだった。

 しばらくその様子をジッと見ていたら、後ろから場違いなほどの声を上げて奈落が戻って来た。


「うほ~~!テンション上がった~!
 何だよ、仕事の話しか…って、ちゃっちゃと終わらせてくれよ。
 せっかくの有村と俺の一休み時間無くなっちまう。」

 バスルームから帰って来た奈落は、バラの香りに包まれていた。
 バラの香りの泡風呂に入ったんだな。

「勝手に休めばいいだろ!
 こちとら、お前みたいに気軽に仕事出来るタイプじゃないんでね。」
「ハイドのいけず~~!
 俺はねぇ、槇ちゃんに恋愛指南の話しをしてもらう約束なんだよ。
 時間が勿体無いんだよ!」
「はあああ?
 相変わらず、盛ってんなぁ。
 さっさとどっかのメス犬とイチャイチャして、できちゃった婚でもしろよ。
 少子化で悩む日本の為だぞ!」
「その前の恋愛段階でつまづいてんだよ!
 こっちはぁ!
  なあ、槇ちゃ~~ん!」

 甘えた声で泣き言をいう奈落に、ジキルさんと綿密な打ち合わせをしていた槇さんが、呆れた顔で話しを中断した。

「ったく、仕方ないなあ。
 ジキル、大体の話しは掴めたろ?」
「ん…イメージ頭に入った。
 後は動きのチェックだから後日で大丈夫。
 予算に応じた見積もりを火曜日までに出しておくよ…いい?槇。」
 「了解!じゃあ、後で。
 わがままな仔犬が騒がしいんで、相手しなきゃね。」

 槇さんまで仔犬って…もう子供扱いよりヒドイな。
 ははは…動物並み…。
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