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保健室同盟(仮)と前期図書委員
第30話
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「あら、降り出したかしら?
雨の匂いが近づいて来てるわ。」
塾を出て、商店街を横切りながら曇天の空を見上げた土屋先輩が呟いた。
雨の匂いって…この人、野良犬みたいだな。
けど、確かに空気がどんよりと湿り気を帯びて、肌がべとつく。
「うーん。
本当なら、この後すぐにでもファストフード店でも話したいけど、お互い自転車だ。
明日の昼に保健室でゆっくり話そう。
図書室も休みだし。
何なら放課後も語ろうか。
土屋さんもそれまでに、カナーシャ先生とコンタクト取って状況を教えてくれると助かるんだけど。」
「いいけど…さっきの高橋先輩の話しを聞いて、第1発見者の1年も、あまり関係なく思えて来たわ。
…やる気半減…。」
「いやいや、そうとも限らないさ。
関係ないと分かれば、関係者を絞る事が出来るし。
土屋さんの力は必要だよ。
頼りにしてるからさ。」
「そ、そう?
なら、明日、カナーシャ先生との結果を報告するわね。」
土屋先輩の扱いが上手すぎるよ。
神谷先輩のヨイショで、ご機嫌でスキップしながら土屋先輩は駐輪場へと向かって先に進み出した。
「さてと、僕は金曜日の重谷先輩との会談に向けて、策を練らないと。
一筋縄ではいかない相手かも知れないからね。
有村君も明日までに意見があればまとめて置いてくれ。」
「あ、はい。
情報にバラつきがあるので、少し整理出来たと思います。」
「だね。
じゃあ明日ね。
さようなら。」
「はい、お疲れ様でした。」
駐輪場に着くと、神谷先輩と土屋先輩は同じ方向へと自転車を走らせて帰って行った。
僕の家は彼等とは反対方向なのだ。
ブルルル。ブルルル。
スマホにメッセージが入った。
母さんからだ。
どうやら、今日は残業で遅くなりそうだ。
後片付けも大変だから、冷凍庫のチャーハンでも温めて食べてくれと書いてあった。
来月には転職するのに、残業まで…母さんは真面目だなぁ。
きっと、僕の為にと思えばこその行動なんだな…。
雨雲の行方を気にしつつ、最短距離で僕は家を目指した。
今日はランニング、無理そうだな。
家に着いたら奈落に連絡しなきゃ。
…そうだ、今晩は久しぶりに独りの晩御飯だ。
以前は当たり前の事だったのに…ここのところ、昼休みは保健室同盟(仮)の仲間と一緒だし、朝と晩は母さんか、奈落達と一緒だった。
…胸が苦しい…。
独りで食べる晩御飯を想像しただけで、僕の胸は縮こまってしまった。
あんなに独りで食べる事に慣れていたのに…たった数日の食卓の経験が、僕の感覚を大幅に変化させていたんだ。
あれが幸せな食卓の風景…。
当たり前のようで、かけがえのない風景…。
独りになって、その大切さが身に染みてくる。
独りの辛さが、僕を押し潰す。
そして、今までそれに耐えて来た自分に深く敬意を感じた。
自殺しなくて良かった。
幸せな時間を経験する前に死ぬなんて、なんて勿体無いんだろう。
生きてるからこそ、改めて幸せな時間に出逢えたんだ。
独りの時間があったからこそ、皆んなとの時間が宝物に思えるんだ。
そんな事を考えながら、走らせた自転車は気がつくと自宅アパート前に着いていた。
雨の匂いが近づいて来てるわ。」
塾を出て、商店街を横切りながら曇天の空を見上げた土屋先輩が呟いた。
雨の匂いって…この人、野良犬みたいだな。
けど、確かに空気がどんよりと湿り気を帯びて、肌がべとつく。
「うーん。
本当なら、この後すぐにでもファストフード店でも話したいけど、お互い自転車だ。
明日の昼に保健室でゆっくり話そう。
図書室も休みだし。
何なら放課後も語ろうか。
土屋さんもそれまでに、カナーシャ先生とコンタクト取って状況を教えてくれると助かるんだけど。」
「いいけど…さっきの高橋先輩の話しを聞いて、第1発見者の1年も、あまり関係なく思えて来たわ。
…やる気半減…。」
「いやいや、そうとも限らないさ。
関係ないと分かれば、関係者を絞る事が出来るし。
土屋さんの力は必要だよ。
頼りにしてるからさ。」
「そ、そう?
なら、明日、カナーシャ先生との結果を報告するわね。」
土屋先輩の扱いが上手すぎるよ。
神谷先輩のヨイショで、ご機嫌でスキップしながら土屋先輩は駐輪場へと向かって先に進み出した。
「さてと、僕は金曜日の重谷先輩との会談に向けて、策を練らないと。
一筋縄ではいかない相手かも知れないからね。
有村君も明日までに意見があればまとめて置いてくれ。」
「あ、はい。
情報にバラつきがあるので、少し整理出来たと思います。」
「だね。
じゃあ明日ね。
さようなら。」
「はい、お疲れ様でした。」
駐輪場に着くと、神谷先輩と土屋先輩は同じ方向へと自転車を走らせて帰って行った。
僕の家は彼等とは反対方向なのだ。
ブルルル。ブルルル。
スマホにメッセージが入った。
母さんからだ。
どうやら、今日は残業で遅くなりそうだ。
後片付けも大変だから、冷凍庫のチャーハンでも温めて食べてくれと書いてあった。
来月には転職するのに、残業まで…母さんは真面目だなぁ。
きっと、僕の為にと思えばこその行動なんだな…。
雨雲の行方を気にしつつ、最短距離で僕は家を目指した。
今日はランニング、無理そうだな。
家に着いたら奈落に連絡しなきゃ。
…そうだ、今晩は久しぶりに独りの晩御飯だ。
以前は当たり前の事だったのに…ここのところ、昼休みは保健室同盟(仮)の仲間と一緒だし、朝と晩は母さんか、奈落達と一緒だった。
…胸が苦しい…。
独りで食べる晩御飯を想像しただけで、僕の胸は縮こまってしまった。
あんなに独りで食べる事に慣れていたのに…たった数日の食卓の経験が、僕の感覚を大幅に変化させていたんだ。
あれが幸せな食卓の風景…。
当たり前のようで、かけがえのない風景…。
独りになって、その大切さが身に染みてくる。
独りの辛さが、僕を押し潰す。
そして、今までそれに耐えて来た自分に深く敬意を感じた。
自殺しなくて良かった。
幸せな時間を経験する前に死ぬなんて、なんて勿体無いんだろう。
生きてるからこそ、改めて幸せな時間に出逢えたんだ。
独りの時間があったからこそ、皆んなとの時間が宝物に思えるんだ。
そんな事を考えながら、走らせた自転車は気がつくと自宅アパート前に着いていた。
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