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夏休み
夏の日の謎…判明
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帰りのバスまで、あえて僕は田宮に会わないようにした。
16歳の女子高生にディープキスするなんて。
どういう顔をして会えばいいのか、どういう顔をされるのか…恥ずかしさでいっぱいだった。
機材をバスに搬入していると、ロバート先生が声を掛けてきた。
「昨夜はかなり酔ってしまったみたいですが、大丈夫ですか?」
「はぁ。大丈夫です。
ご迷惑をおかけしてすみません。」
ってか、あんたの方が大丈夫か?ロバ。
よりによって…久瀬に…、ってこの人もソッチ系の人なのかな。
「田宮さんも、心配していたみたいですよ。
かなり酔っていて、久瀬君が来るまで、婚約者のノロケ話しばっかりされたとか?」
「えっ??田宮がそう言ったんですか?」
「ええ。後で田宮さんにもお礼、しといた方がいいですよ。」
「はぁ。」
そうだよな…本当の事なんて言えないよな。
「およ!武ちゃん!大丈夫?二日酔い~?
ご飯食べてないでしょ!」
後ろから牧田と田宮が現れた。
逃げ場がない!
「先生、これ。」
田宮はそういうと、小さな袋を僕に手渡した。
中にはペットボトルのお茶と手作りのおにぎりが2つ入っていた。
「銀子ちゃんとぉ、まーさが作ってあげたんだから、バスの中で食べてちょ。」
「ええっ。」
思わず、田宮の方を見た。
彼女はいつもと変わらない透明な笑顔で言った。
「スケッチのお礼です。
あ、でも酔い潰れた先生もスケッチしておけばよかったかな。ネタに。」
「ネタ!?なんのネタだよ!二日酔いの人間イジって楽しいか!?」
また、ムキになってしまった。
無かった事に…されてるのかな…彼女の中では…。
変わらない態度の君にちょっと、ホッとしながら切ない気持ちがした。
また脳裏に昨日の光景が広がっていた。
バスの席もロバート先生の横の後ろの席に座る事にした。
長時間、田宮の側にいたら自分がどうなるか不安だった。
「では、出発しまぁーす。
これで、イケメン金持ちの久瀬君とはしばしのお別れ…にならないように、ちゃんと連絡ちょうだいね!特に武本っちゃん!アドレス消したら承知しないぞ。」
「なんなら、今すぐ消してもいいぞ。
今すぐ!」
「いけずう~!」
バスの中は相変わらず久瀬のおかけで賑やかだった。
僕はおにぎりの入った袋を開けてみた。
明らかに毒々しい形のものと、小さく形のいいものが入っていた。
「たぶん、こっちは牧田か…。」
もう片方が…田宮が握ってくれたんだよな。
牧田のおにぎりを食べるのには勇気がいるので、とりあえず、半分に割って中身を確認した。
ぐっ。チョコレートが入っていた。
これは本気か?冗談だよな、冗談!
割ったおにぎりをそっと、袋にしまい込んだ。
無かった事に…。
田宮の握ったであろう方は、迷わず口に入れた。
シャケと昆布の優しい味が口に広がった。
美味しい…。
嬉しくて顔が歪んでしまう。
田宮のあの綺麗な指先で、握られたおにぎり。
また…今度…作ってくれないかな…。
しばらく、バスに揺られながら僕は無意識に携帯に触った。
そうだ…あの絵、あの絵の事を忘れていた。
丁度、隣には美術教師のロバがいる。
見せて…見るか…。
「ロバート先生、実は見てもらいたい絵がありまして、これなんですが…。」
僕は携帯の写真をロバに見せた。
「ああ、田宮さんの絵ですね。」
「判るんですか?」
「ええ、田宮美月さんの絵ですよね。
去年の文化祭ポスターが全国学校祭ポスターコンクールで金賞を受賞しましてね。
あ、これですよ。鳳凰の絵。
まぁー、美術専門の賞では無いから、比較的金賞を取りやすいですがね。
学校ごとのコンクールですし。」
田宮…美月…!!
「間違い、ないですか?
…じゃあ、先生は田宮真朝の描く絵を見た事は?」
「ああ、彼女ですね。それなりですよ。
でもタッチに力が無いと思います。
田宮美月に比べたら。
提出物にも大して才能は…。」
ワザとだ…彼女はワザと自分の作品は…手を抜いている…。
「田宮美月は授業中は集中出来ないみたいで、手の込んだ作品は描きませんが、提出物はすごいですよ。」
最低だ…!田宮美月は田宮真朝を自分の名声を挙げる為の道具として使っているんだ!
そして、彼女は利用されるのを承知で協力してる?
何故だ?姉妹だからってだけで、そんな事…。
彼女に直接聞いてみるか?
…いや、まずは田宮美月。
本人に聞くしか無いか。
魔女との対決には気を引き締めなきゃ。
清水先生に相談したいけど、深入りしてる事に怒られそうだし…。
どうしたものか…。
「そのポスターの応募締め切りっていつですか?」
「ポスターの応募締め切りは10月10日だけど。でも文化祭はその前だから…絵自体は9月半ばには印刷に回すんじゃない?」
…という事は夏休み開けて2週間以内に動かなければいけないって事か。
くそつ、時間がねぇ。
前の席に座で久瀬と話している田宮を見つめた。
田宮と、もし恋人同士だっら、全て打ち明けてくれるのかな。
恋人同士か…。
昨夜のキスがまたフラッシュバックする。
あれが、お酒のせいじゃなかったら…しらふで彼女にキスを迫ったら…彼女は…きっと、受け入れなかっただろうなぁ。
感触が忘れられない…思い出すだけで…身体が熱くなる…。
後悔と…喜びと…不安と…入り混じって僕の心はザワザワしていた。
今は、この気持ちを抑えなきゃ…僕には…やらなきゃならない事がある。
…キモチヲシズメテ…ズットオクニ…
16歳の女子高生にディープキスするなんて。
どういう顔をして会えばいいのか、どういう顔をされるのか…恥ずかしさでいっぱいだった。
機材をバスに搬入していると、ロバート先生が声を掛けてきた。
「昨夜はかなり酔ってしまったみたいですが、大丈夫ですか?」
「はぁ。大丈夫です。
ご迷惑をおかけしてすみません。」
ってか、あんたの方が大丈夫か?ロバ。
よりによって…久瀬に…、ってこの人もソッチ系の人なのかな。
「田宮さんも、心配していたみたいですよ。
かなり酔っていて、久瀬君が来るまで、婚約者のノロケ話しばっかりされたとか?」
「えっ??田宮がそう言ったんですか?」
「ええ。後で田宮さんにもお礼、しといた方がいいですよ。」
「はぁ。」
そうだよな…本当の事なんて言えないよな。
「およ!武ちゃん!大丈夫?二日酔い~?
ご飯食べてないでしょ!」
後ろから牧田と田宮が現れた。
逃げ場がない!
「先生、これ。」
田宮はそういうと、小さな袋を僕に手渡した。
中にはペットボトルのお茶と手作りのおにぎりが2つ入っていた。
「銀子ちゃんとぉ、まーさが作ってあげたんだから、バスの中で食べてちょ。」
「ええっ。」
思わず、田宮の方を見た。
彼女はいつもと変わらない透明な笑顔で言った。
「スケッチのお礼です。
あ、でも酔い潰れた先生もスケッチしておけばよかったかな。ネタに。」
「ネタ!?なんのネタだよ!二日酔いの人間イジって楽しいか!?」
また、ムキになってしまった。
無かった事に…されてるのかな…彼女の中では…。
変わらない態度の君にちょっと、ホッとしながら切ない気持ちがした。
また脳裏に昨日の光景が広がっていた。
バスの席もロバート先生の横の後ろの席に座る事にした。
長時間、田宮の側にいたら自分がどうなるか不安だった。
「では、出発しまぁーす。
これで、イケメン金持ちの久瀬君とはしばしのお別れ…にならないように、ちゃんと連絡ちょうだいね!特に武本っちゃん!アドレス消したら承知しないぞ。」
「なんなら、今すぐ消してもいいぞ。
今すぐ!」
「いけずう~!」
バスの中は相変わらず久瀬のおかけで賑やかだった。
僕はおにぎりの入った袋を開けてみた。
明らかに毒々しい形のものと、小さく形のいいものが入っていた。
「たぶん、こっちは牧田か…。」
もう片方が…田宮が握ってくれたんだよな。
牧田のおにぎりを食べるのには勇気がいるので、とりあえず、半分に割って中身を確認した。
ぐっ。チョコレートが入っていた。
これは本気か?冗談だよな、冗談!
割ったおにぎりをそっと、袋にしまい込んだ。
無かった事に…。
田宮の握ったであろう方は、迷わず口に入れた。
シャケと昆布の優しい味が口に広がった。
美味しい…。
嬉しくて顔が歪んでしまう。
田宮のあの綺麗な指先で、握られたおにぎり。
また…今度…作ってくれないかな…。
しばらく、バスに揺られながら僕は無意識に携帯に触った。
そうだ…あの絵、あの絵の事を忘れていた。
丁度、隣には美術教師のロバがいる。
見せて…見るか…。
「ロバート先生、実は見てもらいたい絵がありまして、これなんですが…。」
僕は携帯の写真をロバに見せた。
「ああ、田宮さんの絵ですね。」
「判るんですか?」
「ええ、田宮美月さんの絵ですよね。
去年の文化祭ポスターが全国学校祭ポスターコンクールで金賞を受賞しましてね。
あ、これですよ。鳳凰の絵。
まぁー、美術専門の賞では無いから、比較的金賞を取りやすいですがね。
学校ごとのコンクールですし。」
田宮…美月…!!
「間違い、ないですか?
…じゃあ、先生は田宮真朝の描く絵を見た事は?」
「ああ、彼女ですね。それなりですよ。
でもタッチに力が無いと思います。
田宮美月に比べたら。
提出物にも大して才能は…。」
ワザとだ…彼女はワザと自分の作品は…手を抜いている…。
「田宮美月は授業中は集中出来ないみたいで、手の込んだ作品は描きませんが、提出物はすごいですよ。」
最低だ…!田宮美月は田宮真朝を自分の名声を挙げる為の道具として使っているんだ!
そして、彼女は利用されるのを承知で協力してる?
何故だ?姉妹だからってだけで、そんな事…。
彼女に直接聞いてみるか?
…いや、まずは田宮美月。
本人に聞くしか無いか。
魔女との対決には気を引き締めなきゃ。
清水先生に相談したいけど、深入りしてる事に怒られそうだし…。
どうしたものか…。
「そのポスターの応募締め切りっていつですか?」
「ポスターの応募締め切りは10月10日だけど。でも文化祭はその前だから…絵自体は9月半ばには印刷に回すんじゃない?」
…という事は夏休み開けて2週間以内に動かなければいけないって事か。
くそつ、時間がねぇ。
前の席に座で久瀬と話している田宮を見つめた。
田宮と、もし恋人同士だっら、全て打ち明けてくれるのかな。
恋人同士か…。
昨夜のキスがまたフラッシュバックする。
あれが、お酒のせいじゃなかったら…しらふで彼女にキスを迫ったら…彼女は…きっと、受け入れなかっただろうなぁ。
感触が忘れられない…思い出すだけで…身体が熱くなる…。
後悔と…喜びと…不安と…入り混じって僕の心はザワザワしていた。
今は、この気持ちを抑えなきゃ…僕には…やらなきゃならない事がある。
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