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2学期
道化師は笑って罠を張るその1
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「久瀬~!だから、僕の立ち位置が判んないんだよ。
どんな格好すりゃいいんだよ!」
「はいはい、落ち着いて。
そんなにテンパらなくても。
可愛いなぁもう。武本っちゃんはぁ。」
明日の久瀬の学校祭に行くのに、僕は興奮しすぎてテンパリまくっていた。
「普段着だと学生っぽいし、スーツだと教師まんまだし…基本、オシャレじゃね~んだよ。」
「ネクタイなしのいつもの格好でいいよ。
あ、学生っぽいのはパス。
そっちの学生も来るから、私服とか気張った服装だと、田宮といるの怪しまれるでしょ。学生引率教師のイメージで。
噂されても困るよね。後々。」
「なるほど…。考えてなかった。
さすが、伊達に遊んでないな。」
「遊んでって…。ま、あと薄く香水なんかあるといあね。
大人の色気アピールに。
匂いなら近くで感じられるでしょ。」
「お前…本当にエロい事に長けてるな。」
「はああ?嗜みです!た、し、な、み!もう。
お子様じゃないんだから。」
「お前は、お子様だろうが!?」
「はいはい。で、田宮には薄く化粧して来るように言っておいたから、期待してよ。」
「化粧…!?おま…やっぱり何か企んでるだろう!」
思わず想像してしまった。
「ふふふん。期待してよ~~。
じゃ、そういう事で待ってるよん。」
久瀬は何か企んでる。
あまり浮かれない方がいいかもしれない。
結局、久瀬の言う通り、オールバックに黒縁メガネ、黒のスラックスにブルーのワイシャツで駅で田宮と待ち合わせた。
ここで生徒に偶然あっても、引率と言い訳できる。
目的地が同じならついでに誘えば、怪しまれないだろう。
11時10分前…やっぱり早く来すぎた。
遅れて焦るよりはと思ったが、やっぱり早すぎたか。基本、女は遅刻してくるのがほとんどだ。
こんな早く来たって…。
「先生、早いんですね。」
来たー!早かった!早目に来て正解!
田宮は高めのポニーテールに白いリボン、ノースリーブのシャツにデニムのミニスカートで小振りのトートバックを肩にかけていた。
ピンク色のリップが艶を出していた。
「変ですか?この格好、何故か久瀬君に指示されたんですよ。
他校に来るのに、それなりの格好をしろって。」
「あ、嫌、変じゃない。
その、制服と違うから…。」
ってか、どストライクなんすけどー!たまんねーチクショー!!
ヤバイ、ヤバイ、顔が…引き締めないと!
「とにかく、電車に乗るぞ。」
「はい。」
僕と田宮は久瀬のいる南山高校へ行くため電車に乗った。
電車はそれほど混んではいなかった。
ノースリーブなので、つり革に掴まる田宮の脇からブラがチラチラ見えていた。
くそっ。久瀬の奴~!僕の精神力が持たねえじゃん。
学校祭に着く前に僕の心臓はドキドキしまくっていた。
南山高校前で電車を降りた僕と田宮は徒歩で南山高校を目指した。
相変わらず、僕の半歩後ろについて歩く田宮。
決して横には並ばなかった。
本当は真横で手を繋いで歩きたい気持ちだった。
妄想しちまう~。
南山高校に着いて校門前でチケットを提示し、校内に入った。
チケット制のせいか混み具合もそれなりで歩きやすかった。
「久瀬はどこのクラスだ?」
「えっと、1年C組です。ここ。」
パンフレットを開く田宮の手元を覗き込む。
シャンプーのいい香りが僕の目の前に広がった。
うわぁ。落ち着くいい香り…。
「先生…?わかります?」
「あ!そうだな、行こう。」
危ねぇ~。思わず陶酔しちやったよ。気を引き締め…気を…。
僕と田宮は久瀬のいる1年C組へ移動した。
何やら派手な衣装の生徒がワラワラ行き来していた。
クラスの中央部で沢山の女子に囲まれてる久瀬を発見した。
「おい!久瀬…。」
「ヤッホー。」
何だ?あのド派手な王子様衣装は?剣を携えたアニメのキャラクターみたいだった。
「いらっしゃい、うちのクラスは演劇で10分後に開演なんだ。」
「演劇…?」
「えっと『イケメン王子と10人の姫』らしいです。」
彼女に読み上げてもらった。
「なんだよ。このハーレム劇。いかがわしすぎるだろ。」
「だって、姫の役が取り合いになったんで、いっそのこと、全員に脚本書き換えたんだよ。」
「アホか。」
久瀬人気に惑わされる女子が憐れに感じた。
男好きなのに…。
「ちゃんと席、取ってあるからね。はい。
指定席チケット。体育館で見てよね。
劇終わったら休憩入るから、教室に来てよ。」
「わかった。後でね。」
「行くぞ、田宮。」
僕と田宮は教室を後にして体育館に移動した。
体育館のパイプ椅子は結構ギュウギュウに詰められていて、隣の田宮とは太ももが触れ合うくらいだった。
照明も暗く、映画館のカップル状態だ。
これで手を握れたら最高なんだが…。
「そろそろ、始まりますよ。」
「ん、ああ。」
僕は始まった久瀬の劇よりも、彼女を見ていた。
暗がりだから、変に思われない。
すげぇ、触れたい…。キスしたい…。抱きしめたい…。
僕の眼には彼女しか映らなかった。
理性で抑えつつも、彼女を見つめ続けた。
30分後、久瀬のクラスの劇が終わり僕らは1年C組の教室に戻った。
教室の扉から顔を覗かせた途端に、上半身裸の久瀬が飛びついて来た。
「わ~い!武本っちゃん!」
「わ~!抱きつくな!」
「見てくれた?見てくれた?俺の勇姿!」
「ん、えっ、ああ。」
見てない。本当は全然見てない!田宮しか見てなかった。
「武本っちゃん…見てなかったね。」
「うっ。嫌、寝不足で…寝ちゃったかな。」
僕は久瀬から視線を外しつつ、嘘を言った。
「あは~ん。そういう事ぉ。」
久瀬にはやっぱり、すぐバレる。
「久瀬君、着替えた方がいいよ。
なんか女子の人数が増えて来てるみたいだし。」
田宮が助け船を出してくれた。
久瀬の格好に、あちらこちらから女子が集まって来た。
僕は抱きつく久瀬を引き剥がし、教室内に押し込んだ。
「早く着替えろや!」
「あーん。」
久瀬はふざけながらも教室に入った。
廊下は久瀬目当ての女子で混み出した。
「田宮!ひとまず移動しよう。」
「あ、はい。」
僕は田宮の腕を引き、人混みから少し離れた階段下に移動した。
「久瀬って、メガネ掛けてたのか?」
ふと、田宮美月の言った事を思い出した。
「えっ、はい。今はコンタクトらしいです。
身長もどちらかと言うと、小さい方でした。」
「ふ~ん。化けるもんだな。」
「そうですね。先生は子供の頃とは違ってます?」
「僕の…子供時代…?」
あれ、どうだったっけ。頭の中でモヤが掛かったように、ハッキリ見えない。
「多分、変わってないと…普通かな…。」
「…そうですか。」
そんな話しをしていると、久瀬のクラスとは反対側の廊下から、2人の男子生徒がこちらに向かって歩いて来た。
「あ!田宮じゃね~?」
「田宮だ!田宮~!」
彼らが彼女の逢いたがっていた人達のようだ。
僕の身体に一気に緊張が走った。
どんな格好すりゃいいんだよ!」
「はいはい、落ち着いて。
そんなにテンパらなくても。
可愛いなぁもう。武本っちゃんはぁ。」
明日の久瀬の学校祭に行くのに、僕は興奮しすぎてテンパリまくっていた。
「普段着だと学生っぽいし、スーツだと教師まんまだし…基本、オシャレじゃね~んだよ。」
「ネクタイなしのいつもの格好でいいよ。
あ、学生っぽいのはパス。
そっちの学生も来るから、私服とか気張った服装だと、田宮といるの怪しまれるでしょ。学生引率教師のイメージで。
噂されても困るよね。後々。」
「なるほど…。考えてなかった。
さすが、伊達に遊んでないな。」
「遊んでって…。ま、あと薄く香水なんかあるといあね。
大人の色気アピールに。
匂いなら近くで感じられるでしょ。」
「お前…本当にエロい事に長けてるな。」
「はああ?嗜みです!た、し、な、み!もう。
お子様じゃないんだから。」
「お前は、お子様だろうが!?」
「はいはい。で、田宮には薄く化粧して来るように言っておいたから、期待してよ。」
「化粧…!?おま…やっぱり何か企んでるだろう!」
思わず想像してしまった。
「ふふふん。期待してよ~~。
じゃ、そういう事で待ってるよん。」
久瀬は何か企んでる。
あまり浮かれない方がいいかもしれない。
結局、久瀬の言う通り、オールバックに黒縁メガネ、黒のスラックスにブルーのワイシャツで駅で田宮と待ち合わせた。
ここで生徒に偶然あっても、引率と言い訳できる。
目的地が同じならついでに誘えば、怪しまれないだろう。
11時10分前…やっぱり早く来すぎた。
遅れて焦るよりはと思ったが、やっぱり早すぎたか。基本、女は遅刻してくるのがほとんどだ。
こんな早く来たって…。
「先生、早いんですね。」
来たー!早かった!早目に来て正解!
田宮は高めのポニーテールに白いリボン、ノースリーブのシャツにデニムのミニスカートで小振りのトートバックを肩にかけていた。
ピンク色のリップが艶を出していた。
「変ですか?この格好、何故か久瀬君に指示されたんですよ。
他校に来るのに、それなりの格好をしろって。」
「あ、嫌、変じゃない。
その、制服と違うから…。」
ってか、どストライクなんすけどー!たまんねーチクショー!!
ヤバイ、ヤバイ、顔が…引き締めないと!
「とにかく、電車に乗るぞ。」
「はい。」
僕と田宮は久瀬のいる南山高校へ行くため電車に乗った。
電車はそれほど混んではいなかった。
ノースリーブなので、つり革に掴まる田宮の脇からブラがチラチラ見えていた。
くそっ。久瀬の奴~!僕の精神力が持たねえじゃん。
学校祭に着く前に僕の心臓はドキドキしまくっていた。
南山高校前で電車を降りた僕と田宮は徒歩で南山高校を目指した。
相変わらず、僕の半歩後ろについて歩く田宮。
決して横には並ばなかった。
本当は真横で手を繋いで歩きたい気持ちだった。
妄想しちまう~。
南山高校に着いて校門前でチケットを提示し、校内に入った。
チケット制のせいか混み具合もそれなりで歩きやすかった。
「久瀬はどこのクラスだ?」
「えっと、1年C組です。ここ。」
パンフレットを開く田宮の手元を覗き込む。
シャンプーのいい香りが僕の目の前に広がった。
うわぁ。落ち着くいい香り…。
「先生…?わかります?」
「あ!そうだな、行こう。」
危ねぇ~。思わず陶酔しちやったよ。気を引き締め…気を…。
僕と田宮は久瀬のいる1年C組へ移動した。
何やら派手な衣装の生徒がワラワラ行き来していた。
クラスの中央部で沢山の女子に囲まれてる久瀬を発見した。
「おい!久瀬…。」
「ヤッホー。」
何だ?あのド派手な王子様衣装は?剣を携えたアニメのキャラクターみたいだった。
「いらっしゃい、うちのクラスは演劇で10分後に開演なんだ。」
「演劇…?」
「えっと『イケメン王子と10人の姫』らしいです。」
彼女に読み上げてもらった。
「なんだよ。このハーレム劇。いかがわしすぎるだろ。」
「だって、姫の役が取り合いになったんで、いっそのこと、全員に脚本書き換えたんだよ。」
「アホか。」
久瀬人気に惑わされる女子が憐れに感じた。
男好きなのに…。
「ちゃんと席、取ってあるからね。はい。
指定席チケット。体育館で見てよね。
劇終わったら休憩入るから、教室に来てよ。」
「わかった。後でね。」
「行くぞ、田宮。」
僕と田宮は教室を後にして体育館に移動した。
体育館のパイプ椅子は結構ギュウギュウに詰められていて、隣の田宮とは太ももが触れ合うくらいだった。
照明も暗く、映画館のカップル状態だ。
これで手を握れたら最高なんだが…。
「そろそろ、始まりますよ。」
「ん、ああ。」
僕は始まった久瀬の劇よりも、彼女を見ていた。
暗がりだから、変に思われない。
すげぇ、触れたい…。キスしたい…。抱きしめたい…。
僕の眼には彼女しか映らなかった。
理性で抑えつつも、彼女を見つめ続けた。
30分後、久瀬のクラスの劇が終わり僕らは1年C組の教室に戻った。
教室の扉から顔を覗かせた途端に、上半身裸の久瀬が飛びついて来た。
「わ~い!武本っちゃん!」
「わ~!抱きつくな!」
「見てくれた?見てくれた?俺の勇姿!」
「ん、えっ、ああ。」
見てない。本当は全然見てない!田宮しか見てなかった。
「武本っちゃん…見てなかったね。」
「うっ。嫌、寝不足で…寝ちゃったかな。」
僕は久瀬から視線を外しつつ、嘘を言った。
「あは~ん。そういう事ぉ。」
久瀬にはやっぱり、すぐバレる。
「久瀬君、着替えた方がいいよ。
なんか女子の人数が増えて来てるみたいだし。」
田宮が助け船を出してくれた。
久瀬の格好に、あちらこちらから女子が集まって来た。
僕は抱きつく久瀬を引き剥がし、教室内に押し込んだ。
「早く着替えろや!」
「あーん。」
久瀬はふざけながらも教室に入った。
廊下は久瀬目当ての女子で混み出した。
「田宮!ひとまず移動しよう。」
「あ、はい。」
僕は田宮の腕を引き、人混みから少し離れた階段下に移動した。
「久瀬って、メガネ掛けてたのか?」
ふと、田宮美月の言った事を思い出した。
「えっ、はい。今はコンタクトらしいです。
身長もどちらかと言うと、小さい方でした。」
「ふ~ん。化けるもんだな。」
「そうですね。先生は子供の頃とは違ってます?」
「僕の…子供時代…?」
あれ、どうだったっけ。頭の中でモヤが掛かったように、ハッキリ見えない。
「多分、変わってないと…普通かな…。」
「…そうですか。」
そんな話しをしていると、久瀬のクラスとは反対側の廊下から、2人の男子生徒がこちらに向かって歩いて来た。
「あ!田宮じゃね~?」
「田宮だ!田宮~!」
彼らが彼女の逢いたがっていた人達のようだ。
僕の身体に一気に緊張が走った。
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