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2学期
勉強会の傾向と対策 その1
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土曜日の朝、僕は部屋の掃除を始めた。
別に久瀬くらいなら部屋の掃除をわざわざする必要はないと思うが…緊張で落ち着かないんだ。
《勉強会》について話し合う事にかなり緊張していたんだ。
緊張…いや…興奮と言った方が正解かもしれない。
コーヒーを入れて一息つこうとした。
…君の好きな…甘いコーヒー。
ゲン担ぎじゃないが、僕は珍しくコーヒーにたっぷりのミルクと砂糖入れてみた。
糖分は頭の回転をよくするし。
「くそ甘ぇ!田宮はやっぱり子供か。」
ピンポンピンポンピンポン!
ガチャ。
「うるさい!
インターホンは1度にしろ!」
「おっは~。
悪い悪い。
興奮しちゃって。
男の1人暮らしの部屋に来るの。」
「10時っつたろ!まだ9時半だ!」
「もう~待ちきれなくて!」
「とにかく入れ。」
「はーい!
おっじゃましまーす。」
久瀬は軽快に部屋に入って来た。
「コーヒー飲むか?」
「あ、うんブラックね。
…ん?んん?」
「何だ?」
「電話じゃわかんなかったけど…。
武本っちゃん…。」
久瀬は僕の顔を覗き混んでまじまじと見つめた。
「どうしたんだよ!
M男じゃない!S男になってる!」
「あのな。
その言い方何だよ。」
「可愛い俺の武本っちゃんがあぁ!」
「清水先生と同じ反応やめてくれないか?
僕的には自覚が無いんだから。」
「末期だったのか…だから…田宮の奴本気に…!」
「えっ…末期!?」
「抑え込み過ぎなんだ…。
爆発寸前まで来てる…。
ったくガス抜きくらい…。」
久瀬は僕の言葉に返事はせず、ブツブツと呟き、考え込んでしまった。
とりあえず、コーヒーを入れて久瀬をソファに座らせた。
お互いコーヒーを一口飲んだ。
「で、《勉強会》の内容はどうだった?」
久瀬は真剣な眼差しで僕に聞いて来た。
「やっぱり過去には直接触れて来る事はなかった。
多分あれは現在の僕のことだったと思う。」
「武本っちゃんの現状分析ってところか。
武本っちゃん…いつから自分が変わったかわかるか?」
「先月…金井先生が田宮にプロポーズすると言い出した頃だと。
僕は教室でいきなり意識が無くなって倒れたんだ。」
「うわぁ~そりゃさすがの田宮も焦るだろ。
そこで人格交代が行われた可能性が高いな。」
「人格交代!?」
僕は久瀬の言葉に耳を疑った。
「あ~まぁその話しは、まず《勉強会》の内容を全部聞いてからにしょう。
混乱しちゃうからね。」
「そうか…。
わからない物と知らない事は違う。
つまり、記憶がない事を言ってると思う。
それから、僕は個性の出し入れを自由に出来るらしい。
後、問題そのものを拒否してると。
とりあえずこの前の《勉強会》の内容は大まかにそこまで何だか、以前にもキーワード的な事を言われててね。」
「どんな?」
「普通な事は僕にとって幸せな事なのかとか…
雨が自己犠牲の象徴だとか…。」
「なるほど…。
おそらく《勉強会》は武本っちゃんの言う通り現状のあんたの事を気が付かせようとしてる。
後半のキーワードは過去の記憶に繋がってると見た。」
「僕の現状は…?
さっき人格交代とか…。」
「う~ん。
人格交代ってわかりやすく言ったけど、多分その中でも特殊だと…完全な人格交代ではなくて、うーん。
人格分離かな?
つまり、自分のいらない人格つまり性格を分離させて封印する。
都合のいい自分に変えるんだよ。」
「都合のいい自分…。」
確かに…この性格になってから気分が随分と楽になってる気がする。
「…で武本っちゃん。
以前にコレに似た事をやってんだよ。
多分ね。」
「初めてじゃないって言うのか?」
「そう。言ったろ。
そんだけストレス掛かってりゃもうすぐだって。
スイッチが入ったんだよ。
ストレスから逃れる為に…自己防衛したのさ。」
自己防衛…そんなに僕は辛かったのか?
ダメだ…わからない。
久瀬は考え込んで言葉が出ない僕を指差した。
「武本っちゃん…あんた今欠けてる状態なんだよ。
それはいずれ歪んで…崩壊する。
しまい込んだ自分の場所もおそらくもういっぱいいっぱいだ。
入れ物が溢れ出る事も予想される。
あんたが思ってる以上に深刻な状況だ。」
「どうすればいいんだ?
僕には何が何だかわからない。」
「そうだなぁ。
やっぱり記憶を戻す事が1番の近道のような気がする…。
けど…鍵掛かってんだよな。
全部の自分を思い出して受け入れないとダメだと思うんだけど…。」
全部の自分…確かに久瀬は以前…自分が何者かわかればと言っていた。
その通りだったんだ…僕は僕を知らなすぎたんだ。
「過去の出来事は完全に忘れてる訳じゃないんだよね。
少し整理してみないか?」
「えっ…。」
「もちろん、武本っちゃんの精神状態を見ながらね。
地雷踏んじゃおしまいだし。」
「頼む!やってくれ!」
僕は久瀬の提案に食いついた。
別に久瀬くらいなら部屋の掃除をわざわざする必要はないと思うが…緊張で落ち着かないんだ。
《勉強会》について話し合う事にかなり緊張していたんだ。
緊張…いや…興奮と言った方が正解かもしれない。
コーヒーを入れて一息つこうとした。
…君の好きな…甘いコーヒー。
ゲン担ぎじゃないが、僕は珍しくコーヒーにたっぷりのミルクと砂糖入れてみた。
糖分は頭の回転をよくするし。
「くそ甘ぇ!田宮はやっぱり子供か。」
ピンポンピンポンピンポン!
ガチャ。
「うるさい!
インターホンは1度にしろ!」
「おっは~。
悪い悪い。
興奮しちゃって。
男の1人暮らしの部屋に来るの。」
「10時っつたろ!まだ9時半だ!」
「もう~待ちきれなくて!」
「とにかく入れ。」
「はーい!
おっじゃましまーす。」
久瀬は軽快に部屋に入って来た。
「コーヒー飲むか?」
「あ、うんブラックね。
…ん?んん?」
「何だ?」
「電話じゃわかんなかったけど…。
武本っちゃん…。」
久瀬は僕の顔を覗き混んでまじまじと見つめた。
「どうしたんだよ!
M男じゃない!S男になってる!」
「あのな。
その言い方何だよ。」
「可愛い俺の武本っちゃんがあぁ!」
「清水先生と同じ反応やめてくれないか?
僕的には自覚が無いんだから。」
「末期だったのか…だから…田宮の奴本気に…!」
「えっ…末期!?」
「抑え込み過ぎなんだ…。
爆発寸前まで来てる…。
ったくガス抜きくらい…。」
久瀬は僕の言葉に返事はせず、ブツブツと呟き、考え込んでしまった。
とりあえず、コーヒーを入れて久瀬をソファに座らせた。
お互いコーヒーを一口飲んだ。
「で、《勉強会》の内容はどうだった?」
久瀬は真剣な眼差しで僕に聞いて来た。
「やっぱり過去には直接触れて来る事はなかった。
多分あれは現在の僕のことだったと思う。」
「武本っちゃんの現状分析ってところか。
武本っちゃん…いつから自分が変わったかわかるか?」
「先月…金井先生が田宮にプロポーズすると言い出した頃だと。
僕は教室でいきなり意識が無くなって倒れたんだ。」
「うわぁ~そりゃさすがの田宮も焦るだろ。
そこで人格交代が行われた可能性が高いな。」
「人格交代!?」
僕は久瀬の言葉に耳を疑った。
「あ~まぁその話しは、まず《勉強会》の内容を全部聞いてからにしょう。
混乱しちゃうからね。」
「そうか…。
わからない物と知らない事は違う。
つまり、記憶がない事を言ってると思う。
それから、僕は個性の出し入れを自由に出来るらしい。
後、問題そのものを拒否してると。
とりあえずこの前の《勉強会》の内容は大まかにそこまで何だか、以前にもキーワード的な事を言われててね。」
「どんな?」
「普通な事は僕にとって幸せな事なのかとか…
雨が自己犠牲の象徴だとか…。」
「なるほど…。
おそらく《勉強会》は武本っちゃんの言う通り現状のあんたの事を気が付かせようとしてる。
後半のキーワードは過去の記憶に繋がってると見た。」
「僕の現状は…?
さっき人格交代とか…。」
「う~ん。
人格交代ってわかりやすく言ったけど、多分その中でも特殊だと…完全な人格交代ではなくて、うーん。
人格分離かな?
つまり、自分のいらない人格つまり性格を分離させて封印する。
都合のいい自分に変えるんだよ。」
「都合のいい自分…。」
確かに…この性格になってから気分が随分と楽になってる気がする。
「…で武本っちゃん。
以前にコレに似た事をやってんだよ。
多分ね。」
「初めてじゃないって言うのか?」
「そう。言ったろ。
そんだけストレス掛かってりゃもうすぐだって。
スイッチが入ったんだよ。
ストレスから逃れる為に…自己防衛したのさ。」
自己防衛…そんなに僕は辛かったのか?
ダメだ…わからない。
久瀬は考え込んで言葉が出ない僕を指差した。
「武本っちゃん…あんた今欠けてる状態なんだよ。
それはいずれ歪んで…崩壊する。
しまい込んだ自分の場所もおそらくもういっぱいいっぱいだ。
入れ物が溢れ出る事も予想される。
あんたが思ってる以上に深刻な状況だ。」
「どうすればいいんだ?
僕には何が何だかわからない。」
「そうだなぁ。
やっぱり記憶を戻す事が1番の近道のような気がする…。
けど…鍵掛かってんだよな。
全部の自分を思い出して受け入れないとダメだと思うんだけど…。」
全部の自分…確かに久瀬は以前…自分が何者かわかればと言っていた。
その通りだったんだ…僕は僕を知らなすぎたんだ。
「過去の出来事は完全に忘れてる訳じゃないんだよね。
少し整理してみないか?」
「えっ…。」
「もちろん、武本っちゃんの精神状態を見ながらね。
地雷踏んじゃおしまいだし。」
「頼む!やってくれ!」
僕は久瀬の提案に食いついた。
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