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2学期
君に合わない…僕
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5時限目の授業を終えて僕は機関誌製作委員会へと急いだ。
今学期最後の委員会になる。
本当は僕は監視してるだけでほとんどの仕事は生徒がやってくれてるので、いなくてもいいくらいの感じだが、サボる訳にも行かない。
委員会へ着くといつも通りに田宮の隣の席に着いた。
「では、今学期最後の委員会を始めます。
今日は原稿のチェックを各自にお願いします。
これでOKならこのまま印刷屋に回したいと思ってます。
皆さん、宜しくお願いします。」
塚本は委員長らしく仕切った。
「あいつ仕事は真面目なのに…。
趣味は最悪だな…。」
腕組みしながら、思わず呟いた。
「随分と偏見なんですね。」
「何?田宮はわかるのか?
BLの良さって…。」
まさか…田宮は好きじゃないよな。
「どんな形であれ愛情表現ですからね。
自分意外を好きになれるというのは素敵な事なんじゃないですか?
私は《好き》という感情がよくわかりませんが。」
「あ、あ…そ。」
やっぱり…彼女は…。
僕が…金井先生が…どんなに君を好きなのか…理解して貰えないんだな…。
そして…君の口から…その言葉を聞く事は…絶対にあり得ないんだな。
「それに…武本先生とは合いませんね。
前も言いましたが。」
「はい。何度も聞きまし…。」
あれ…あれ…?
何か引っかかる…。
田宮の言葉をそのまま取っちゃいけないんだよ。
あれ…あれれ…。
先生とは合わない…合わない…。
田宮の言葉を捻らなきゃ…。
合わない…合わない…合わないって!!
僕は思わず田宮をガン見してしまった。
「武本先生、ケンカとか売ってます?」
「あ、いやそうじゃ…。」
そういう事なのか?本当に?
まさか…だろ…。
僕は今さら気が付いた…。
相性がいいのか…?
田宮は僕を初めからそう思ってたのか?
何だよ…ちゃんと言わなきゃ…わかんないだろ…そんな事…イジワルだな君は。
「武本先生、ちゃんとチェックして下さい。
一応、文系の先生なんですから。」
「ったく。
お前はひと言多いんだよ。」
「すいません子供なので、お世辞が言えないんです。」
イタズラに微笑む彼女…。
イジワルでイタズラで…優しくて。
2人で同じパソコン画面を見ながら僕は幸せを噛み締めていた。
「それではチェックの方は済みましたので、印刷屋に回したいと思います。
試し刷りの方は来年1月に出来上がりますので、その時にまたお会いしましょう。
お疲れ様でした。」
「お疲れ様でした。」
塚本の挨拶で委員会は終了した。
田宮はパソコンを閉じて職員室に向かった。
僕も同じ方向に歩いて行く。
「今回の成績表はかなり下がるぞ。」
「ええ。覚悟してます。」
「僕は甘やかさないからな。」
「結構です。」
「補習はちゃんと出席しろよ。」
「はい。」
僕等は歩きながらこんなやり取りをし続けていた。
「何だよ。
久しぶりに機嫌良さそうじゃん。」
「えっ…そうですか?」
職員室に入ると、清水先生が絡んできた。
「委員会で何かあったか?」
「いえ。別に。」
僕は彼女が僕のことを苦手どころか気に入ってくれてる事に気が付いたんだ…。
好きではないにしろ…。
「お前はいつもそれだな。
明らかに顔はありましたって書いてあんのに。」
「書いてませんよ。」
「…機嫌のいいとこ悪いんだが…。」
清水先生が真剣な顔で僕に顔を近づけた。
「何ですか?」
「冬休みとクリスマスを前に、さっき各学年主が教頭に呼ばれた。」
「えっ…。」
「教師と生徒による淫行行為の取締りの強化及び恋愛情報収集の強化が言い渡された。」
「あ…。」
「まぁ。
俺はまったく従う気はないが、他の教師の目が厳しくなる事は予想される。
気を付けろよ。」
「大丈夫ですよ…僕は。」
「大丈夫じゃ…ダメなんじゃないか?」
「何言ってんですか。」
「いつまでも子供じゃないんだぞ。
田宮だって…そろそろ大人の女に成長する時期なんじゃないか?」
大人の女って…。
「清水先生の言ってる事は支離滅裂ですよ。」
「かもなぁ。
でも理屈でどうにもならないのが恋愛じゃねーの?」
「……僕は…大丈夫ですから。」
恋愛は理屈じゃない…わかってる。
多分充分過ぎるくらいに。
久瀬も…清水先生も…僕のことを心配して応援してくれてる。
それは、ちゃんとわかってる。
普通に出逢って普通に恋をして、普通に愛し合えたならと何度思った事だろう。
でも、僕にはきっと運命の女神が微笑む事はない。
だから…君を死の世界から救い出す事さえ出来るなら、僕はそれだけで充分だ。
どんな形であれ。
君が死ぬ事をあきらめ、生きる事を望んでくれたなら…それが…僕の最大の望みなんだ。
今学期最後の委員会になる。
本当は僕は監視してるだけでほとんどの仕事は生徒がやってくれてるので、いなくてもいいくらいの感じだが、サボる訳にも行かない。
委員会へ着くといつも通りに田宮の隣の席に着いた。
「では、今学期最後の委員会を始めます。
今日は原稿のチェックを各自にお願いします。
これでOKならこのまま印刷屋に回したいと思ってます。
皆さん、宜しくお願いします。」
塚本は委員長らしく仕切った。
「あいつ仕事は真面目なのに…。
趣味は最悪だな…。」
腕組みしながら、思わず呟いた。
「随分と偏見なんですね。」
「何?田宮はわかるのか?
BLの良さって…。」
まさか…田宮は好きじゃないよな。
「どんな形であれ愛情表現ですからね。
自分意外を好きになれるというのは素敵な事なんじゃないですか?
私は《好き》という感情がよくわかりませんが。」
「あ、あ…そ。」
やっぱり…彼女は…。
僕が…金井先生が…どんなに君を好きなのか…理解して貰えないんだな…。
そして…君の口から…その言葉を聞く事は…絶対にあり得ないんだな。
「それに…武本先生とは合いませんね。
前も言いましたが。」
「はい。何度も聞きまし…。」
あれ…あれ…?
何か引っかかる…。
田宮の言葉をそのまま取っちゃいけないんだよ。
あれ…あれれ…。
先生とは合わない…合わない…。
田宮の言葉を捻らなきゃ…。
合わない…合わない…合わないって!!
僕は思わず田宮をガン見してしまった。
「武本先生、ケンカとか売ってます?」
「あ、いやそうじゃ…。」
そういう事なのか?本当に?
まさか…だろ…。
僕は今さら気が付いた…。
相性がいいのか…?
田宮は僕を初めからそう思ってたのか?
何だよ…ちゃんと言わなきゃ…わかんないだろ…そんな事…イジワルだな君は。
「武本先生、ちゃんとチェックして下さい。
一応、文系の先生なんですから。」
「ったく。
お前はひと言多いんだよ。」
「すいません子供なので、お世辞が言えないんです。」
イタズラに微笑む彼女…。
イジワルでイタズラで…優しくて。
2人で同じパソコン画面を見ながら僕は幸せを噛み締めていた。
「それではチェックの方は済みましたので、印刷屋に回したいと思います。
試し刷りの方は来年1月に出来上がりますので、その時にまたお会いしましょう。
お疲れ様でした。」
「お疲れ様でした。」
塚本の挨拶で委員会は終了した。
田宮はパソコンを閉じて職員室に向かった。
僕も同じ方向に歩いて行く。
「今回の成績表はかなり下がるぞ。」
「ええ。覚悟してます。」
「僕は甘やかさないからな。」
「結構です。」
「補習はちゃんと出席しろよ。」
「はい。」
僕等は歩きながらこんなやり取りをし続けていた。
「何だよ。
久しぶりに機嫌良さそうじゃん。」
「えっ…そうですか?」
職員室に入ると、清水先生が絡んできた。
「委員会で何かあったか?」
「いえ。別に。」
僕は彼女が僕のことを苦手どころか気に入ってくれてる事に気が付いたんだ…。
好きではないにしろ…。
「お前はいつもそれだな。
明らかに顔はありましたって書いてあんのに。」
「書いてませんよ。」
「…機嫌のいいとこ悪いんだが…。」
清水先生が真剣な顔で僕に顔を近づけた。
「何ですか?」
「冬休みとクリスマスを前に、さっき各学年主が教頭に呼ばれた。」
「えっ…。」
「教師と生徒による淫行行為の取締りの強化及び恋愛情報収集の強化が言い渡された。」
「あ…。」
「まぁ。
俺はまったく従う気はないが、他の教師の目が厳しくなる事は予想される。
気を付けろよ。」
「大丈夫ですよ…僕は。」
「大丈夫じゃ…ダメなんじゃないか?」
「何言ってんですか。」
「いつまでも子供じゃないんだぞ。
田宮だって…そろそろ大人の女に成長する時期なんじゃないか?」
大人の女って…。
「清水先生の言ってる事は支離滅裂ですよ。」
「かもなぁ。
でも理屈でどうにもならないのが恋愛じゃねーの?」
「……僕は…大丈夫ですから。」
恋愛は理屈じゃない…わかってる。
多分充分過ぎるくらいに。
久瀬も…清水先生も…僕のことを心配して応援してくれてる。
それは、ちゃんとわかってる。
普通に出逢って普通に恋をして、普通に愛し合えたならと何度思った事だろう。
でも、僕にはきっと運命の女神が微笑む事はない。
だから…君を死の世界から救い出す事さえ出来るなら、僕はそれだけで充分だ。
どんな形であれ。
君が死ぬ事をあきらめ、生きる事を望んでくれたなら…それが…僕の最大の望みなんだ。
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