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2学期
勉強会の傾向と対策その3
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「武本っちゃん。
マジな話し…クリスマスイブ独りなんだろ。」
「!」
ソファで大の字に座った久瀬が唐突に聞いて来た。
「当たり前だろ。
一緒に過ごす奴なんていないよ。」
「じゃあ。
俺と過ごそうか?」
「勘弁してくれ!絶対に却下だ!」
「友達としてだよ~決まってんじゃん!
変な事考えて武本っちゃんのエッチ!」
「嫌だ!独りで過ごす。」
「マジにノリ悪ぃな~!も~!」
「そうじゃない。
独りで色々考えたいんだ。」
「クリスマスイブじゃなくてもいいんじゃない?」
「いや…ダメだ。」
彼女は毎年クリスマスを…独りで過ごして来たんだ…僕はその気持ちを理解したいんだ。
「ちぇ~。つまんね~。」
「すまないな…。」
「なぁ…武本っちゃん。
俺は誰が何と言おうと…武本っちゃんが田宮の側にいてくれた事に感謝してる。
忘れないで欲しい。」
久瀬が僕の肩をガッシリ掴んだ。
「別に僕は何も…。」
「世界を変えよう…田宮の世界を…絶対に。」
「…ああ、そのつもりだ。」
僕は久瀬の視線に応えるように頷いた。
終業式まで後2週間。
冬休みが短い為に、補習は来週の午前授業の後と終業式後に行われる事になっている。
そして…その翌日がクリスマスイブ…。
僕にとっての山場なのかもな…。
「田宮に…クリスマスプレゼント用意しないのか?」
「必要ないだろ。
僕からのプレゼントは。」
「そうかなぁ…。
俺なら…渡せなくても用意するけど…。」
「彼女に必要な物は…。
僕からの物じゃないんだよ。」
「本気で…そう思ってんの? 」
「ああ…。」
「…男前過ぎるって…その態度…。
そんなのやっぱり…武本っちゃんじゃないな。」
「すまない…今はそうするしかない。」
目を伏せて、僕はそれ以上話せなくなった。
僕は欠けていく…どんどんと…欠けた部分を埋める事なく…そのまま消滅して行くかのように。
多分…これは僕の意思…。
あの言葉『ボクハイラナイ』…でも…まだ…。
僕は消える事は出来ない…彼女を守る為に…。
久瀬の帰った後で僕は久瀬が仕掛けた罠が気になった。
田宮を焚き付けると言っていた。
どうやって?何するんだ?
何か牧田が関わるだけで悪い予感しかなかった。
しかし…田宮の気持ちが知りたいと思ってたのは確かだ。
出逢ってから1年以上経ってるのに、田宮の気持ちが全くわからない。
素直じゃないし、捻って来るし、僕のことからかうし…。
キスだって抱擁だって何度もしてるのに…。
日曜日の朝…僕はテニス部の練習の為に学校へと向かった。
田宮は今日も学校に来ていた。
家に居場所がないから仕方ないとはいえ…。
他に行く場所があればいいのに…。
GPSを確認しながら思った。
クリスマス明けにはこれが…もしかすると…金井先生の自宅に変わってるのかな…。
少しだけ下世話な想像をしてしまった。
ロッカーでジャージに着替えようと、ネクタイを取りワイシャツを脱いだ…。
ピッ!ピッピッ!ピッ!
何だ?今の男…。
振り返って見たが、誰の姿も目に入らなかった。
盗撮にしても…僕なんか撮影して楽しいか?
まさか…久瀬と同じ趣味の奴じゃないよな…。
僕のテンションはだだ下がりだった。
憂鬱な気分のまま、テニス部の練習に参加した。
ピッ!ピッピッ!
また…音が聞こえた気がした。
何なんだ…。
それとも、僕が疲れてるのか?
不安感が募る中、僕はテニス部の練習を終えて
ロッカーで着替えると旧理科準備室へと向かった。
僕は旧理科準備室へするりと入り込むと、中扉の小窓を覗いて彼女を確認した。
「あ…金井先生…。」
今日も金井先生は田宮のところへ来たようだ。
クリスマスイブへのラストスパート…多分それなんだろう。
僕は2人をジッと見つめる事が出来ず、中扉から離れて机の方へ移動した。
この壁の向こうで2人は…これからデートに行く約束でもしてるのだろう。
クリスマスプレゼントとかの話しをしてるのかもしれないよな。
金井先生とのクリスマスイブに彼女は、あの指輪をして行くのかな。
僕のブレスレットではなくて…。
僕は胸ポケットから手帳とパグ犬のストラップを取り出した。
今にも泣きそうなこのパグ犬の姿はきっと田宮に見えていた僕の姿なんだ。
震えて怯えて涙目の僕。
1番知られたくない姿なのに…1番好きな人にはそれが見えていたんだな。
彼女に不安を与えているのは僕だ…。
僕がしっかり自分を見つめる事が出来れば、彼女に辛い思いはさせなくて済むはず…。
僕が僕の傷とちゃんと向き合えればきっと…。
彼女を救う力を得られる。
こんな泣きそうな顔じゃなくて…もっと強く、彼女をしっかり抱きしめられるように。
彼女に『大丈夫』と言わせない為にも…。
君が誰よりも…好きだから…。
僕の全てを捧げられるようになる為に…。
マジな話し…クリスマスイブ独りなんだろ。」
「!」
ソファで大の字に座った久瀬が唐突に聞いて来た。
「当たり前だろ。
一緒に過ごす奴なんていないよ。」
「じゃあ。
俺と過ごそうか?」
「勘弁してくれ!絶対に却下だ!」
「友達としてだよ~決まってんじゃん!
変な事考えて武本っちゃんのエッチ!」
「嫌だ!独りで過ごす。」
「マジにノリ悪ぃな~!も~!」
「そうじゃない。
独りで色々考えたいんだ。」
「クリスマスイブじゃなくてもいいんじゃない?」
「いや…ダメだ。」
彼女は毎年クリスマスを…独りで過ごして来たんだ…僕はその気持ちを理解したいんだ。
「ちぇ~。つまんね~。」
「すまないな…。」
「なぁ…武本っちゃん。
俺は誰が何と言おうと…武本っちゃんが田宮の側にいてくれた事に感謝してる。
忘れないで欲しい。」
久瀬が僕の肩をガッシリ掴んだ。
「別に僕は何も…。」
「世界を変えよう…田宮の世界を…絶対に。」
「…ああ、そのつもりだ。」
僕は久瀬の視線に応えるように頷いた。
終業式まで後2週間。
冬休みが短い為に、補習は来週の午前授業の後と終業式後に行われる事になっている。
そして…その翌日がクリスマスイブ…。
僕にとっての山場なのかもな…。
「田宮に…クリスマスプレゼント用意しないのか?」
「必要ないだろ。
僕からのプレゼントは。」
「そうかなぁ…。
俺なら…渡せなくても用意するけど…。」
「彼女に必要な物は…。
僕からの物じゃないんだよ。」
「本気で…そう思ってんの? 」
「ああ…。」
「…男前過ぎるって…その態度…。
そんなのやっぱり…武本っちゃんじゃないな。」
「すまない…今はそうするしかない。」
目を伏せて、僕はそれ以上話せなくなった。
僕は欠けていく…どんどんと…欠けた部分を埋める事なく…そのまま消滅して行くかのように。
多分…これは僕の意思…。
あの言葉『ボクハイラナイ』…でも…まだ…。
僕は消える事は出来ない…彼女を守る為に…。
久瀬の帰った後で僕は久瀬が仕掛けた罠が気になった。
田宮を焚き付けると言っていた。
どうやって?何するんだ?
何か牧田が関わるだけで悪い予感しかなかった。
しかし…田宮の気持ちが知りたいと思ってたのは確かだ。
出逢ってから1年以上経ってるのに、田宮の気持ちが全くわからない。
素直じゃないし、捻って来るし、僕のことからかうし…。
キスだって抱擁だって何度もしてるのに…。
日曜日の朝…僕はテニス部の練習の為に学校へと向かった。
田宮は今日も学校に来ていた。
家に居場所がないから仕方ないとはいえ…。
他に行く場所があればいいのに…。
GPSを確認しながら思った。
クリスマス明けにはこれが…もしかすると…金井先生の自宅に変わってるのかな…。
少しだけ下世話な想像をしてしまった。
ロッカーでジャージに着替えようと、ネクタイを取りワイシャツを脱いだ…。
ピッ!ピッピッ!ピッ!
何だ?今の男…。
振り返って見たが、誰の姿も目に入らなかった。
盗撮にしても…僕なんか撮影して楽しいか?
まさか…久瀬と同じ趣味の奴じゃないよな…。
僕のテンションはだだ下がりだった。
憂鬱な気分のまま、テニス部の練習に参加した。
ピッ!ピッピッ!
また…音が聞こえた気がした。
何なんだ…。
それとも、僕が疲れてるのか?
不安感が募る中、僕はテニス部の練習を終えて
ロッカーで着替えると旧理科準備室へと向かった。
僕は旧理科準備室へするりと入り込むと、中扉の小窓を覗いて彼女を確認した。
「あ…金井先生…。」
今日も金井先生は田宮のところへ来たようだ。
クリスマスイブへのラストスパート…多分それなんだろう。
僕は2人をジッと見つめる事が出来ず、中扉から離れて机の方へ移動した。
この壁の向こうで2人は…これからデートに行く約束でもしてるのだろう。
クリスマスプレゼントとかの話しをしてるのかもしれないよな。
金井先生とのクリスマスイブに彼女は、あの指輪をして行くのかな。
僕のブレスレットではなくて…。
僕は胸ポケットから手帳とパグ犬のストラップを取り出した。
今にも泣きそうなこのパグ犬の姿はきっと田宮に見えていた僕の姿なんだ。
震えて怯えて涙目の僕。
1番知られたくない姿なのに…1番好きな人にはそれが見えていたんだな。
彼女に不安を与えているのは僕だ…。
僕がしっかり自分を見つめる事が出来れば、彼女に辛い思いはさせなくて済むはず…。
僕が僕の傷とちゃんと向き合えればきっと…。
彼女を救う力を得られる。
こんな泣きそうな顔じゃなくて…もっと強く、彼女をしっかり抱きしめられるように。
彼女に『大丈夫』と言わせない為にも…。
君が誰よりも…好きだから…。
僕の全てを捧げられるようになる為に…。
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