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3学期
暗雲の影その2
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「先生…。
私、もう先生の事は諦めました。」
唐突に葉月が話しを切り出して来た。
「あ…ああ、そうか。」
よかった。
そういう面での心配は無くなったって事だ。
「だから…ハッキリと聞いておきたいんです。
もう、ごまかされるのはウンザリ。
彼女とはどこまでのお付き合いなんですか?」
ドキッ!!
「か…彼女?誰の事だ…?」
おそらく田宮の事だな。
この前の行動から葉月は既にわかってるはずだ。
「名前をここで出してもいいんですか?」
「うっ…。」
それはマズい!
どうしたらいいんだ。
正直に話すべきなのか?
「付き合ってはいない。
僕の片想いだからな。」
「嘘よ!」
「本当だ。
告白はしたが返事は貰ってない。」
僕は名前を出さずに本当の事を話した。
「彼女は先生を嫌いなんですか?」
「さあな。別に僕としても返事はいらないと考えてるんでな。」
「…嘘を付いている感じではないですね。
でも、信じられないわ。
そんな関係ってあるんですか?」
「どうだろう。理解に苦しむか?」
サバ味噌を突きながら、冷静に話した。
「はい。私には理解出来ません。
むしろ、ハッキリ付き合ってもらった方が諦められると思ってました。」
そりゃ、そうかもな…。
「すまない…でも、それが真実でそれ以上でもそれ以下でもないんだ。」
「先生はそれでいいんですね。
…幸せですか?」
「幸せだよ。とっても。」
僕は素直に真っ直ぐ葉月を見つめて言った。
葉月は溜息を付いて、呆れた顔をした。
「ダメね。やっぱり。
今の先生の顔を見て良くわかったわ。
私じゃないのね。」
葉月はそう言って微笑んだ。
僕は3年との関係を切り出してみた。
「葉月…今朝3年と話してたろ。
里中 愛里と。」
「あ…それは…。」
言葉に詰まった。
やはり、何かあるのか?
僕はポケットの携帯の録音機能を作動させた。
「ここでは…言えません。
ただ、私…武本先生に冷たくされて自暴自棄になってたんです。
そんな時…知り合ったんです。」
「ここで話せないなら、他で…。」
「…少しだけ考えさせて下さい。」
葉月は辺りを警戒するような素ぶりを見せた。
これは…当たりじゃないか?
僕は慎重を期する為に、深入りを避けて日を改める事にした。
清水先生の見解も欲しいところだ。
「とりあえず、何かあったら相談しろ。
仮にも担任だからな。」
「仮ですけどね。」
葉月は少しだけ寂しげに言った。
職員室に戻った僕は、清水先生を待ったが清水先生は戻って来なかった。
仕方なく、僕は午後の授業へと向かった。
今日はなんだか嫌な雰囲気の日だ。
今夜は久瀬と《勉強会》の精査をしなきゃならないってのに…。
金井先生といい、葉月といい、どうしてこうも立て続けに…。
不安な気持ちのまま僕は教壇に立つ事になった。
午後の授業を終えても入れ違いになってるのか清水先生と会えなかった。
どこに行ったんだろう。
葉月の件を相談したかったのだが…。
仕方ないな、ただ待っていてもしょうがない。
僕は旧理科準備室へと向かった。
旧理科準備室に入って中扉の小窓を覗いた。
金井先生がそこにいた。
彼女と2人でジクソーパズルをしている。
大きな物で時間のかかりそうな物だ。
彼女が楽しそうに笑顔を見せていた。
どうやら、金井先生は今朝の僕の言葉を理解してくれたらしい。
敵に塩を送ってしまったかな。
僕は中扉から離れると机の上の小瓶から飴を取り出した。
金井先生がいるのなら今日は早めに帰ろうかな…。
久瀬もマンションに来るだろうから…。
僕は2人の邪魔にならないようにそっと旧理科準備室を出て職員室に戻った。
「あれ、清水先生!どこに行ってたんです?」
職員室に戻ると、ちゃっかり清水先生は自席に戻っていた。
「おう、って何だよ。
尻尾振って来んな!犬みたいな奴だな。」
「探してたんですよ!話しがあって。」
「話し…ああ、葉月の件か…?」
「ええ、そうです。」
「待て!」
「えっ…?」
「焦るな。きちんと情報収集しろ。」
「でも…。」
「いいか、この件は少しでも判断を誤ると大変な事になる。
今、俺は俺で里中 愛里にコンタクトを取ってる。
金井先生との話し合いをするまで、情報収集に徹しろ!わかったな!」
「あ…。はい。」
清水先生は清水先生で動いてくれてたのか。
さすがだなぁ。
こういう時の清水先生はなんか、男らしくてカッコイイ。
普段が普段なだけにそう思った。
僕は清水先生の言葉を胸に、早々に帰宅する事にした。
葉月の件はしばらく様子を見よう。
あの様子なら時間が経てば自ら告白してくれそうだし。
僕は久瀬がマンションに来る前に帰宅してサッと片付けをし、ジーンズと白Tシャツに着替えた。
田宮の写真もしまっておかないと…。
1度開いて中を見てから、彼女の写真をワークデスクの引き出しの中にそおっとしまい込んだ。
私、もう先生の事は諦めました。」
唐突に葉月が話しを切り出して来た。
「あ…ああ、そうか。」
よかった。
そういう面での心配は無くなったって事だ。
「だから…ハッキリと聞いておきたいんです。
もう、ごまかされるのはウンザリ。
彼女とはどこまでのお付き合いなんですか?」
ドキッ!!
「か…彼女?誰の事だ…?」
おそらく田宮の事だな。
この前の行動から葉月は既にわかってるはずだ。
「名前をここで出してもいいんですか?」
「うっ…。」
それはマズい!
どうしたらいいんだ。
正直に話すべきなのか?
「付き合ってはいない。
僕の片想いだからな。」
「嘘よ!」
「本当だ。
告白はしたが返事は貰ってない。」
僕は名前を出さずに本当の事を話した。
「彼女は先生を嫌いなんですか?」
「さあな。別に僕としても返事はいらないと考えてるんでな。」
「…嘘を付いている感じではないですね。
でも、信じられないわ。
そんな関係ってあるんですか?」
「どうだろう。理解に苦しむか?」
サバ味噌を突きながら、冷静に話した。
「はい。私には理解出来ません。
むしろ、ハッキリ付き合ってもらった方が諦められると思ってました。」
そりゃ、そうかもな…。
「すまない…でも、それが真実でそれ以上でもそれ以下でもないんだ。」
「先生はそれでいいんですね。
…幸せですか?」
「幸せだよ。とっても。」
僕は素直に真っ直ぐ葉月を見つめて言った。
葉月は溜息を付いて、呆れた顔をした。
「ダメね。やっぱり。
今の先生の顔を見て良くわかったわ。
私じゃないのね。」
葉月はそう言って微笑んだ。
僕は3年との関係を切り出してみた。
「葉月…今朝3年と話してたろ。
里中 愛里と。」
「あ…それは…。」
言葉に詰まった。
やはり、何かあるのか?
僕はポケットの携帯の録音機能を作動させた。
「ここでは…言えません。
ただ、私…武本先生に冷たくされて自暴自棄になってたんです。
そんな時…知り合ったんです。」
「ここで話せないなら、他で…。」
「…少しだけ考えさせて下さい。」
葉月は辺りを警戒するような素ぶりを見せた。
これは…当たりじゃないか?
僕は慎重を期する為に、深入りを避けて日を改める事にした。
清水先生の見解も欲しいところだ。
「とりあえず、何かあったら相談しろ。
仮にも担任だからな。」
「仮ですけどね。」
葉月は少しだけ寂しげに言った。
職員室に戻った僕は、清水先生を待ったが清水先生は戻って来なかった。
仕方なく、僕は午後の授業へと向かった。
今日はなんだか嫌な雰囲気の日だ。
今夜は久瀬と《勉強会》の精査をしなきゃならないってのに…。
金井先生といい、葉月といい、どうしてこうも立て続けに…。
不安な気持ちのまま僕は教壇に立つ事になった。
午後の授業を終えても入れ違いになってるのか清水先生と会えなかった。
どこに行ったんだろう。
葉月の件を相談したかったのだが…。
仕方ないな、ただ待っていてもしょうがない。
僕は旧理科準備室へと向かった。
旧理科準備室に入って中扉の小窓を覗いた。
金井先生がそこにいた。
彼女と2人でジクソーパズルをしている。
大きな物で時間のかかりそうな物だ。
彼女が楽しそうに笑顔を見せていた。
どうやら、金井先生は今朝の僕の言葉を理解してくれたらしい。
敵に塩を送ってしまったかな。
僕は中扉から離れると机の上の小瓶から飴を取り出した。
金井先生がいるのなら今日は早めに帰ろうかな…。
久瀬もマンションに来るだろうから…。
僕は2人の邪魔にならないようにそっと旧理科準備室を出て職員室に戻った。
「あれ、清水先生!どこに行ってたんです?」
職員室に戻ると、ちゃっかり清水先生は自席に戻っていた。
「おう、って何だよ。
尻尾振って来んな!犬みたいな奴だな。」
「探してたんですよ!話しがあって。」
「話し…ああ、葉月の件か…?」
「ええ、そうです。」
「待て!」
「えっ…?」
「焦るな。きちんと情報収集しろ。」
「でも…。」
「いいか、この件は少しでも判断を誤ると大変な事になる。
今、俺は俺で里中 愛里にコンタクトを取ってる。
金井先生との話し合いをするまで、情報収集に徹しろ!わかったな!」
「あ…。はい。」
清水先生は清水先生で動いてくれてたのか。
さすがだなぁ。
こういう時の清水先生はなんか、男らしくてカッコイイ。
普段が普段なだけにそう思った。
僕は清水先生の言葉を胸に、早々に帰宅する事にした。
葉月の件はしばらく様子を見よう。
あの様子なら時間が経てば自ら告白してくれそうだし。
僕は久瀬がマンションに来る前に帰宅してサッと片付けをし、ジーンズと白Tシャツに着替えた。
田宮の写真もしまっておかないと…。
1度開いて中を見てから、彼女の写真をワークデスクの引き出しの中にそおっとしまい込んだ。
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