手の届かない君に。

平塚冴子

文字の大きさ
221 / 302
3学期

王子の町娘奪還作戦3

しおりを挟む
「どうします?車に乗り込まれたら…。」
僕は不安になった。
「安心しろ。
おそらく川を挟んだ向こう側へ橋を渡って行くはずだ。」
「なんで、わかるんですか?」
「ラブホテル街なんだよ。」
「ひぇっ!?ラブ…ホテル街?」
「なんだよ。
お前、彼女いた時行かなかったのか?」
「行ってませんよ!」
「結構色んな種類のホテルあるぞ!」
「何でそんなに詳しいんですか!」
「バカ!違ぇよ!メグちゃんとだよ!」
「…へ~~。」
まぁ5人もいれば…1人や2人は…。
「何だよ!その目は!完全に疑ってんだろ!」
「いえ…そんな…ははは~。」
別な意味で引いてました。
「乾いた笑いをするな!」

「参考がてら、後で下見して来いよ。」
いきなり何言い出すこのジジイ!
「下見…って!何で!?」
「そりゃ、田宮とそのうち行くんだろ。」
「ばっ…バカでしょ!あんた!」
そんなやり取りをしながらも、僕等は葉月を見失わないようにしっかり付いていった。

清水先生の言う通り…2人は橋を渡ってホテル街へと向かっていった。

僕と清水先生は猛ダッシュで橋を渡って、葉月を見失わないようにした。
金井先生とも橋を渡ったところで合流した。
「そろそろですよ。
武本先生、準備しておいて下さい。」
「はい。任せておいて下さい。」
僕は先頭に立って、2人を追った。
カメラの準備も万端だ!

2人はあるホテル前で止まった。
男が入ろうとして、葉月が躊躇した。
無理やり腕を掴んで引き入れようとし始めた。

パシャ!パシャ!パシャ!
僕はフラッシュを焚いて、思い切りカメラの連写ボタンを押した。
男が怯んだ拍子に、金井先生と清水先生が男を取り押さえた。
「葉月!こっちに来い!」
僕は葉月の手を引っ張った。

金井先生と清水先生は男を取り押さえながら一喝した。
「今後、ウチの生徒に手を出したら一生後悔する事になりますよ。」
清水先生は男のポケットから、名刺を取り出した。
「あんたの個人情報貰うよ。
もう2度と女子高生なんて狙うなよ。
大怪我するぞ。」
男は観念して暴れるのをやめた。

「ありがとうございます。
やっぱり来てくれたんですね。
ごめんなさい。
バカな事して…怖くて1人では抜け出せなくて。」
「今はいい。
後でゆっくり聞かせて貰うから。」
僕の袖にしがみつく葉月の頭を撫でた。

金井先生と清水先生は男の情報を手に入れて、追い返した。

とりあえず、僕等は地下駐車場に戻り、金井先生の車に乗った。
「今日のところは家に帰って、ぐっすり休め。
話しは月曜日で構わない。」
清水先生が葉月に優しく言った。
「はい。ありがとうございます。」
「家まで送りますよ。
葉月の家を教えて下さい。」
金井先生は葉月から家の場所を聞いて、先に家に送った。

葉月を家に無事に送り帰した僕等は、昨日の呑み会もあり、脱力感でグッタリした。
金井先生が疲れた顔の僕と清水先生にいたわりの言葉を掛けてくれた。
「送ります。
明日の日曜日はお互い、充分に休んで下さい。
月曜日に何があるかわかりませんからね。」


金井先生にマンションまで送って貰った僕は、風呂に入る元気もなく、パジャマに着替えると、そのまま死んだように深い眠りについた。


しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

還暦の性 若い彼との恋愛模様

MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。 そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。 その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。 全7話

同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。

ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。 真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。 引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。 偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。 ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。 優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。 大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。

初夜に暴言を吐いた夫は後悔し続ける──10年後の償い【完結】

星森 永羽(ほしもりとわ)
恋愛
王命により、辺境伯ロキアのもとへ嫁いだのは、金髪翠眼の美しき公爵令嬢スフィア。 だが、初夜に彼が告げたのは、愛も権限も与えないという冷酷な宣言だった。噂に踊らされ、彼女を「穢れた花嫁」と罵ったロキア。 しかし、わずか一日でスフィアは姿を消し、教会から届いたのは婚姻無効と慰謝料請求の書状──。 王と公爵の怒りを買ったロキアは、爵位も領地も名誉も奪われ、ただの補佐官として生きることに。 そして十年後、運命のいたずらか、彼は被災地で再びスフィアと出会う。 地位も捨て、娘を抱えて生きる彼女の姿に、ロキアの胸に去来するのは、悔恨と赦しを乞う想い──。 ⚠️本作はAIの生成した文章を一部に使用しています。

降っても晴れても

凛子
恋愛
もう、限界なんです……

処理中です...