手の届かない君に。

平塚冴子

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3学期

男の子達の恋話会議4

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「うあああああ!」
もう、2人のニヤけた顔なんて、まともに見られなかった。
恥ずかしくて…。
彼女の気持ちに気が付かない自分も…。
白衣の意味があんなにあった事を忘れていた事を…。
恥ずかしくて、恥ずかしくて仕方なかった。

「もう少しさ…攻めの姿勢でいいんじゃねーの?
特に、田宮なんて待ってたら、付き合えるの100年後だぜ。」
「攻めの姿勢ったって…。」
「ちょっと…僕の意見いいですか?」
安東が頭を抱えたり、口元を押さえたりする僕の前に顔を突き出した。

「コホン。えーと。
確かに…先生が田宮さんとその…エッチな関係になると淫行扱いされます。
でも…見方を変えて見て下さい。
もし、武本先生が僕等と同じ高校生だとして。
あ、先生の脱童貞って…?」
「…高校2年の夏…っておい!」
「まあまあ。
つまり、なんだかんだ言って経験しちゃってる訳ですよね。
大っぴらになってないだけで。」
「それって…。単なるいい訳だろ!」
「落ち着いて下さい。
僕が言いたいのは、何故、犯罪扱いなのに大っぴらにならない事が多数存在して、なおかつ大人を過ぎると武勇伝になるのか?って事ですよ!
だって、ヤッてる事も歳も同じなのに…。
当時バレたら淫行扱いされ、後からは武勇伝…おかしいですよね。」
「何が言いたい…?」
「えーと、久瀬…まとめられるか?」
「了解しました!先輩いぃ!
つまり、本来は選別の曖昧な案件なんじゃないかって事っす。
千差万別、十人十色、ケースバイケース。
相手が嫌がっていたら、それはもう犯罪100パーセントっすね。
けど…お互いが本気で好きで、愛し合って求め合った行為なら…。
それを犯罪と言うのは…違う気がするって事ですよ。
本来、人間は人を愛する生き物だし。
結婚してれば16歳でもOKってそれも、なんか変じゃない?
結婚してようがしてまいが、16歳は16歳。
本来なら性行為出来ますって言ってるようなもんだろ。
問題は相手が責任取れるかどうか、本人が納得出来るかどうか。
1番大切なのはそこなんだよ!
ただし!避妊は必要だけどね。」
「ひ…避妊って!おい!お前等、僕に何させようとしてんだよ!」
「いや、何って…愛し合う2人がする事なんて1つしかないっしょ。
ま、日本は禁止だの年齢制限だの言ってる前に、キチンと性教育すりゃいいんだよな。
少子化の原因の1つだよなぁまったく。
つい、この前まで性行為しちゃダメ~って言ってて、それ以後になって、少子化だ!子供作れ!性行為しろって言われてもね~。
生産ロボットじゃねーっつうの。」
「おいい~~!性行為、性行為って…!」
「やだな~~武本っちゃんエロい!!
そこだけ意識すんなよ~!
俺達が言いたいのは、愛があれば大丈夫って事だよん。」
だ~~もう!清水先生といい、こいつ等といい…!
僕だって…男なんだそ!ンな事あおられたら…!

「ここは俺等だけだから、正直に言っていいんだぜ。
別に誰かにチクったりしねぇし。」
「正直ったって…。」
「先生が田宮さんをどうしたいのか?
それが大事だって言ってるんですよ!」
また2人して…!
あ~~もう!ちくしょう!

「大好きだから、抱きたいに決まってんだろ!
田宮とヤリてぇよ!僕だって!」

あ…思わず叫んでしまった…最低だ…。
「はい。よく言えました~~。」
「うん。健全なる男子ですよね。」
笑いながら言うなっつーの!
完全にイジメじゃねーか!
久瀬と安東はパチパチと指先拍手をした。

でも…確かに軽くなった。
自分の正直な気持ちを吐き出して…。
彼女の気持ちが僕に向きかけてる事を知って。

今まで否定して我慢して…そして…彼女の気持ちを見失ってしまった。
でも…せっかくのチャンスなんだ。
彼女自身が自分の気持ちに、気が付いてるかどうかは別としてだけど…。

君は…僕を好きになってくれるかな…。
僕を…受け入れてくれるかな…。
もし…月日を重ねてもっと親しくなったら…。
君と1つになりたいと願う僕を…君は否定しないでくれるかな…。
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