286 / 302
3学期
王子のバレンタインデー4
しおりを挟む
今日一日の授業も終え、ホームルームも滞りなく終わり、職員室での仕事も少なく、僕は早々に帰り支度していた。
「武本先生、早いですね。
もうお帰りですか?」
ロバート先生が声をかけて来た。
「あっ、はい。する事もないので。」
「またまたぁ。
デートじゃないんですか?
最近の先生、ウキウキしてるようですし。」
げっ!ロバにまで勘付かれてたのか…僕は何で顔にすぐ出ちまうんだ~。
「デートはないですね。
僕はこの1年色々あり過ぎましたから。」
「…そうですか。
では、きっとこれからですね。
春はすぐ、そこまで来てますから。」
「はい。では、お疲れ様でした。」
「お疲れ様でした。」
珍しく夕日と共に帰宅した。
ずっと夜を過ぎてからの帰宅だったので、新鮮だった。
朝の雪も止んでしまった。
あんまり、食欲はなかったものの、田宮に怒られそうな気がして、コンビニでおにぎりを2つ買って帰った。
「わびしい食事だなぁ、相変わらず。」
自分で自分に突っ込みつつ、マンションでおにぎりを口に入れた。
やっぱり…おにぎりは手作りに限るな…。
君のおにぎりの味を思い出しながら、コンビニのおにぎりを頬張った。
そのまま、部屋を片付けたり、風呂に入ったりしてひと段落して、午後9半時を過ぎた頃。
ブルルルブルルル。
携帯の電話が鳴った。
久瀬からの電話が入った。
ソファに腰掛けながら電話に出た。
プッ。
「あ、武本っちゃん?」
「どうした久瀬…あ、僕を心配したのか?」
「ん~、それも無きにしもあらずなんだけど…。
『勉強会』の事、聞いたか?」
「ああ、週末にって。」
「そうだ。
ハッキリ言おう。
今なら辞められる。」
「久瀬…!?」
「田宮に頼まれて色々調べたんだ。
事件自体にそれ程、危険度は感じなかった。
ただ…。」
「ただ…?」
「武本っちゃん自体の問題だ。
田宮は見抜いてたんだ…。
問題の根源が記憶でも事件でもない…。
武本っちゃん…あんた自身の中にあるって。」
「問題の根源が…僕自体の…僕自身の中に?」
「マジで…危険だ。
だから、辞めたいなら今のうちに辞めろ。
けど…どうしてもやるなら、俺も全力であんたに力を貸す。」
久瀬の口調はいつもとは違って真剣そのものだった。
けれど、僕は揺るがなかった。
全然怖くなかった。
まるで、全てを受け入れる事の出来る君の様に。
「ありがとう。久瀬。
でも、大丈夫だ。
田宮も今の僕なら大丈夫と言ってくれた。
これほどの保証はないよ。
だから、改めて頼む。
力を貸してくれ…久瀬。
僕は自分の全てを取り戻したい。
例えそれが、吐き気のする程の汚い自分の記憶でも。」
「…わかった。
全力で武本っちゃんを助ける。
そして…田宮 真朝をあの世界から救い出す!」
「頼んだぞ。
信じてるからな久瀬!」
「俺も武本っちゃんなら、やれると信じてる!」
「週末土曜日に旧理科室て会おう。じゃあ。」
「ああ、時間が決まったら教えてくれ。
絶対に開けとくから。じゃあな。」
プッ。
携帯を切った途端に、また電話が鳴った。
ブルルル。
「うわぁっ。はい?武本です。」
電話は非通知だった。
「やだ先生、ちゃんと出てよ!
彼氏の電話借りてるから時間無いのに。」
「田宮 美月!?」
「いい時間無いからちゃんと聞いてよ?
バレンタインデーのプレゼント。
ドアポストに入れておいたから。
無くさないで受け取ってよ!
じゃあ、私は彼氏とデートだから。」
「はぁ?何言って…。」
プッ。
それだけ言うと、田宮 美月は一方的に電話を切った。
「なんだよ!嫌がらせの電話かよ!
リア充だからって、からかうなよ!」
そう、ブツブツ言いながら、ドアポストを覗いてみた。
中にはキーホルダーのついた鍵が入っていた。
そのキーホルダーのマスコットに僕は見覚えがあった。
「これ…。」
今にも泣きそうな、目の大きなパグ犬のマスコット。
「武本先生、早いですね。
もうお帰りですか?」
ロバート先生が声をかけて来た。
「あっ、はい。する事もないので。」
「またまたぁ。
デートじゃないんですか?
最近の先生、ウキウキしてるようですし。」
げっ!ロバにまで勘付かれてたのか…僕は何で顔にすぐ出ちまうんだ~。
「デートはないですね。
僕はこの1年色々あり過ぎましたから。」
「…そうですか。
では、きっとこれからですね。
春はすぐ、そこまで来てますから。」
「はい。では、お疲れ様でした。」
「お疲れ様でした。」
珍しく夕日と共に帰宅した。
ずっと夜を過ぎてからの帰宅だったので、新鮮だった。
朝の雪も止んでしまった。
あんまり、食欲はなかったものの、田宮に怒られそうな気がして、コンビニでおにぎりを2つ買って帰った。
「わびしい食事だなぁ、相変わらず。」
自分で自分に突っ込みつつ、マンションでおにぎりを口に入れた。
やっぱり…おにぎりは手作りに限るな…。
君のおにぎりの味を思い出しながら、コンビニのおにぎりを頬張った。
そのまま、部屋を片付けたり、風呂に入ったりしてひと段落して、午後9半時を過ぎた頃。
ブルルルブルルル。
携帯の電話が鳴った。
久瀬からの電話が入った。
ソファに腰掛けながら電話に出た。
プッ。
「あ、武本っちゃん?」
「どうした久瀬…あ、僕を心配したのか?」
「ん~、それも無きにしもあらずなんだけど…。
『勉強会』の事、聞いたか?」
「ああ、週末にって。」
「そうだ。
ハッキリ言おう。
今なら辞められる。」
「久瀬…!?」
「田宮に頼まれて色々調べたんだ。
事件自体にそれ程、危険度は感じなかった。
ただ…。」
「ただ…?」
「武本っちゃん自体の問題だ。
田宮は見抜いてたんだ…。
問題の根源が記憶でも事件でもない…。
武本っちゃん…あんた自身の中にあるって。」
「問題の根源が…僕自体の…僕自身の中に?」
「マジで…危険だ。
だから、辞めたいなら今のうちに辞めろ。
けど…どうしてもやるなら、俺も全力であんたに力を貸す。」
久瀬の口調はいつもとは違って真剣そのものだった。
けれど、僕は揺るがなかった。
全然怖くなかった。
まるで、全てを受け入れる事の出来る君の様に。
「ありがとう。久瀬。
でも、大丈夫だ。
田宮も今の僕なら大丈夫と言ってくれた。
これほどの保証はないよ。
だから、改めて頼む。
力を貸してくれ…久瀬。
僕は自分の全てを取り戻したい。
例えそれが、吐き気のする程の汚い自分の記憶でも。」
「…わかった。
全力で武本っちゃんを助ける。
そして…田宮 真朝をあの世界から救い出す!」
「頼んだぞ。
信じてるからな久瀬!」
「俺も武本っちゃんなら、やれると信じてる!」
「週末土曜日に旧理科室て会おう。じゃあ。」
「ああ、時間が決まったら教えてくれ。
絶対に開けとくから。じゃあな。」
プッ。
携帯を切った途端に、また電話が鳴った。
ブルルル。
「うわぁっ。はい?武本です。」
電話は非通知だった。
「やだ先生、ちゃんと出てよ!
彼氏の電話借りてるから時間無いのに。」
「田宮 美月!?」
「いい時間無いからちゃんと聞いてよ?
バレンタインデーのプレゼント。
ドアポストに入れておいたから。
無くさないで受け取ってよ!
じゃあ、私は彼氏とデートだから。」
「はぁ?何言って…。」
プッ。
それだけ言うと、田宮 美月は一方的に電話を切った。
「なんだよ!嫌がらせの電話かよ!
リア充だからって、からかうなよ!」
そう、ブツブツ言いながら、ドアポストを覗いてみた。
中にはキーホルダーのついた鍵が入っていた。
そのキーホルダーのマスコットに僕は見覚えがあった。
「これ…。」
今にも泣きそうな、目の大きなパグ犬のマスコット。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
還暦の性 若い彼との恋愛模様
MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。
そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。
その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。
全7話
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
初夜に暴言を吐いた夫は後悔し続ける──10年後の償い【完結】
星森 永羽(ほしもりとわ)
恋愛
王命により、辺境伯ロキアのもとへ嫁いだのは、金髪翠眼の美しき公爵令嬢スフィア。
だが、初夜に彼が告げたのは、愛も権限も与えないという冷酷な宣言だった。噂に踊らされ、彼女を「穢れた花嫁」と罵ったロキア。
しかし、わずか一日でスフィアは姿を消し、教会から届いたのは婚姻無効と慰謝料請求の書状──。
王と公爵の怒りを買ったロキアは、爵位も領地も名誉も奪われ、ただの補佐官として生きることに。
そして十年後、運命のいたずらか、彼は被災地で再びスフィアと出会う。
地位も捨て、娘を抱えて生きる彼女の姿に、ロキアの胸に去来するのは、悔恨と赦しを乞う想い──。
⚠️本作はAIの生成した文章を一部に使用しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる