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第8章
2人の助言師②
しおりを挟む「うわぁ!さすがだべ!
カッコいいべ!
見惚れるべな!
女子供もウハウハだべな。」
「なんですか?
そのちょいちょい、下品な発想が出てくるのは。
ウハウハの意味まで知ってて言ってるんでしょうね?」
そりゃ昔はウハウハどころの騒ぎじゃないって感じだよ。
げど、そんな一時の快楽にも飽きる時期が来るんだよ。
アルは若いなぁ。
いや!別に私が老けてるって訳じゃ…。
「さて、支度は出来ましたよ。
で、アルの方は?」
「オラはここへ来て、これしか着ねえ。
他のは着るのが面倒で、使用人の手間をかけさせるのも悪いべ。
これだと白タイツはともかく、短パンだし、上着も装飾が縫い付けてあるから羽織って、ボタン止めるだけだべ。」
あのドタバタであまりアルの衣装を凝視してなかったが、これはまた。
お子様ランチ。
王冠つけたらまさに、童話の中の王子様。
王様の格好じゃないよね、王子様だよね、カ○ーの王子様だよね。
赤紫の上下に金ピカの装飾やら勲章やら。
救いは袖口とかにレースが施されてないくらい。
靴もピッカピカの赤い靴。
着せられた感ハンパねーな。
「なんか、さっきの部屋の衣装全部売ったお金で、この服を買い替えたい気分ですよ。
もう、威厳も何もあったもんじゃないです。
お飾りそのものですね。
とりあえずは急なので、このままでも構いませんが、国政奪還の際にはキチンとした正装を用意しましょう。
民衆にアルの権威を知らしめる為のパフォーマンスとして必須ですから。
今後、服装選びは私の指示に従ってください。
少しはマシなのをチョイスしますから。」
私の言ってる事が半分くらいしか理解できなかったのか、アルが眉間にシワを寄せて頭を斜め45度にした。
「時間ですよ!
その話しは後で、全てが収まったらゆっくりとしましょう。」
「ああ、うん。
そんなに変だべか?これ?
マシだと思うんだけんど。」
そこかよ。
それに、そんなにこだわりあるのかよ。
思わず目を細めてアルを見つめてしまった。
それはそれ、これはこれで時間もなく、私達は足速に王の間へと向かった。
王の間に着いた私達を驚きの表情で内務大臣、財務大臣、助言師の3人は待っていた。
早すぎると言わんばかりの疑いの目を、上目遣いでこちらに向けていた。
アルと私は3人がひざまずく横を通った。
アルが玉座にゆっくりと座り、私はその傍に立った。
「これはこれは、王様村の視察がたった1日とは。
いささか、投げやりではございませんか?」
ダック内務大臣が嫌味たっぷりにアルを見上げた。
「その件であるが、解決どころかおまけ付きになったぞ。
ナナシより報告を。」
私は一礼すると、ゆっくりとダック内務大臣と助言師デブラブの間に立った。
さーて、ここから元魔王の腕の見せどころだ。
そして、デブラブの詐欺師の腕前も見せて頂きましょうか?
「これから、干ばつで苦しむロン村の
村のご報告をさせて頂きます。
よく、お聞きください。」
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