ココロノオト オトノカタチ

柚杏

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二章

「フィン……」

 上に跨ったままのフィンを引き寄せ髪を撫でながらキスを交わす。クッション代わりになっていた触手が二人の動きに合わせてゆらゆらと揺れる。まるで赤子を寝かしつけるゆりかごのように、優しく。

 中途半端にはだけていたライラの衣服をぎこちない手つきでフィンが脱がしていく。フィンの逞しい身体とは違い、筋肉のないスラリとした身体にうっとりと見とれるフィン。

 その手がライラの身体のラインを確かめるように動き回る。ライラはその行為を黙って見つめ、下僕にした触手をフィンの腰に絡ませた。

 フィンがビクリと反応すると、触手を介してその快楽がライラにも伝わってくる。

 くすぐったさと気持ちよさで腰に力が入らないフィンの背中を他の触手がトンと軽く押す。勢いよく倒れないように触手達に支えられながらライラの胸まで落ちてきたフィンの身体は燃えるように熱い。

 口付けあうと色々なことがどうでもよくなってくる。魔王だとか勇者だとか、種族の違いやこれから先のこと、何もかも。そんなに簡単に答えの出ないことをあれこれ考えるよりも今は熱に身を任せて気持ちよくなりたい。

 後のことはそれから考えよう。焦ったって今何かが出来るわけではないのだから。

「ライラ……」

 蕩けた声で快楽を求めてくるフィンの身体を撫で回す。顎から首へ、首から肩、腕を撫でて腰へ手をやると僅かに身体を震わせ背中を反らすフィンの醸し出す色香に下半身が疼いた。

 触手を使いフィンの爪先からふくらはぎ、太ももへとヘビの様に這わせれば短い息を何度も吐きながらライラの唇に自ら唇を合わせて舌を差し出す。それに応えて長い舌先をフィンの舌先に繋ぐと狂ったように絡ませて貪るフィン。

 腰を揺らしながら硬くなった中心をライラの腹に押し当て、その先から溢れ出る透明の汁を垂らして誘惑する。

 誰もこんな勇者を知らないだろう。性欲に支配されていやらしく身体をくねらせる姿など。こんなに淫靡な姿の勇者を誰かに見せて自慢したい。世界から魔物を追い出した勇者は実はこんなにも淫らなのだと見せつけたい。その勇者がこんなに淫れるのは自分にだけなのだと。

 だけどそんな勿体ないことはしない。こんなにいやらしく可愛いフィンを見ていいのは自分だけだ。他の誰にもフィンの身体も心も渡してなるものか。

「ふっ……んっ」

 触手の先を使ってフィンの後ろをツンとつついてみる。途端に肌を粟立てビクンと跳ねた身体。指先でフィンの胸の突起を弾いてみると悩ましげな声を出す。

 そのまま突起を口に含み舌で転がすとピンクに膨らみライラの視覚を誘惑してくる。

 一方で触手によって後ろの穴を確実に解されていくフィンの身体は快楽で満ちて、思考はぐちゃぐちゃになって羞恥心も完全に消えてしまった。

「ああっ……ライラ……もうっ、もうダメだ……」

 腹に押し当てているフィンのモノが先程よりも熱を持ち膨張している。今、後ろに挿れたらきっとこの膨張した熱は一瞬で弾けるだろう。

「あっ……やっ、なんでっ……」

 もっと悶えるフィンを見ていたくて膨張した根元を触手を巻き付けて封じる。ふるふると身体を震わせながら涙目で訴えかける顔はライラを最高に興奮させた。

「どっちがいい? 触手か、それともこちらか?」

 後孔に触手の先を押し付けて中に入らないように焦らしながら、自らのモノをフィンの手で握らせる。今にも触手がフィンを貫こうとしているのを必死で頭を横に振って抵抗するフィンの姿にゾクゾクと快感を得る。

「やだぁ……ソレやだ……ライラ……ライラのがいい……」

「自分で挿れられるな?」

 耳元でそっと囁けば、コクンと頷き手に握ったライラの熱を自らの窄みに押し当てる。ヌルヌルとした触手の体液と、お互いの先走りで窄みは簡単に開きライラを招き入れる。

「んっ、んっ……」

 触手達がフィンの両足を大きく開かせ入りやすいようにクッション代わりになって体勢を整える。

 先が内部に入るとそこは熱く湿り、溶けそうなほど濡れていた。

「あっ、ふ、うっん……」

 先が全ておさまるとそのまま竿もヌルリと奥へ誘われる。その途中に敏感な場所を掠めて堪らずフィンは大きく身体をしならせた。

「フィン……大丈夫か?」

 恐らく人間のソレとは長さも太さも違う魔王の肉塊をすっぽりと受け入れ、小さくビクビクと身体を震わせる姿は同意のはずなのに無理やり犯している気分にさせた。

 人間と交わるのはライラも初めてで、自分のモノから零れる先走りが人間の身体に悪影響を及ぼさないか不安でもある。

「ライラ……オレ……」

「うん?」

「ここ……この中……」

 下腹部を撫でながら必死で伝えてこようとする彼の顔にいくつもの口付けを落とす。

「ライラが、ここに、いる……」

 途切れ途切れに言いながらうっとりとした表情で下腹部を撫で続けるフィンに激しく欲情し、それは更に硬く膨張した。

「フィン……好きだ、とても……」

 その言葉を口にするのは照れ臭くていつも誤魔化していた。フィンはそんなライラの気持ちを汲み取ってくれていたからそれに甘えていた。けれど今どうしても言葉にして伝えたかった。

「うん……ライラ、知ってるよ。オレも、大好きだよ」

 いつだってライラの予想を越えて応えてくれるフィンに、魔物にはない深い心からの愛情を感じて、これ以上どうやってこの思いを伝えたらいいのかと考えを巡らせる。

「大丈夫、ライラ、大丈夫だよ。伝わってるから……だから」

 ライラの首に腕を回し肌を擦り寄せる。

「……もう、動いて……」

 だから彼には絶対に敵わないのだ。

「お主といると、ただの人間になった気になる」

 ゆっくりと律動を始めると顔を歪ませ、目に涙をためて唇を噛むフィン。

 一度動き始めたら、その蕩けるような熱い襞がすぐにでもライラの欲を搾り取ろうと締め付ける。

 律動と共にフィンの中心に絡みつく触手も上下し、その鈴口に細く伸びた触手が入り込もうとする。

 触手の動きは全てライラの意思と繋がって、自分の手だけでは足りない箇所を触手を使って弄る。ぷくっと膨らんだ乳首を舌先のように円を描いて刺激してみたり、耳の中を舐めるように動かしたり、口付けをしながら咥えさせたり、ありとあらゆる方法でその身体を堪能した。

 フィンは途中から快楽に沈み、もっと、と何度も求めては白濁を吐き出し自分の腹の上を汚した。出すものがなくなってもおさまらない疼きに常に身体はビクビクと跳ね、空イキを繰り返した。

 触手の催淫効果を差し引いても、始めてとは思えないくらいにぐちゃぐちゃに蕩けて喘ぐ。

 その姿に何度も性を搾り取られ、彼の中に放つ。何度達してもすぐに兆し、止められなかった。

 暗闇が薄まってくるまで何度も繋がった後、気絶するようにフィンは眠りに落ちていった。ライラはその横でいつまでも寝顔を眺めていた。
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